イラスト:蓮川愛(ルチル文庫)
刑事の小山臣が新進気鋭の画家・秀島慈英と恋人同士になって4年、
同棲を始めて1年が過ぎた。幸せではあるが、画家としての地位を
確立していく年下の恋人に、自信を持てない臣。
そんな二人の前に慈英の大学時代の友人・三島が現われ、慈英に
つきまとう。
不安を感じる臣だったが…。
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秀島慈英(ひでしまじえい・画家・27歳)×小山臣(こやまおみ・刑事・31歳)
2001年にリーフノベルスより発行された「しなやかな熱情」の続編。
「ひめやかな殉情」書き下ろし
「夏の日のトルソー」同人誌収録作品を加筆修正 の二編です。
前作から4年が経って、二人は同棲をしています。
前作ではイラストと慈英のイメージが違う~と騒いでいたんですが
今回は違和感なくなってました。
慈英のイメージが前作とは変わったものになってるからかな~と思います。
ちょっとヘタレ風でもあった慈英は、今回はそういう面は見えず
大人になってふてぶてしく(?)、更に天才肌に。
穏やかで優しいところは変わりないですが、慈英の人となりが詳しく書かれたことで
ただおっとりしてるのとは違うということが強調されて、
なかなか変わった人だということがわかりました。
今回のお話は、幸せな二人の前に現われた慈英の大学時代の友人・三島が
まるで暗雲のように二人の生活に入り込んできます。
この三島がかなり不気味な人物です。
慈英につきまとう得体の知れない三島に不安を抱いた臣が、慈英のために
ひとりで三島を排除しようとします。
前回がどちらかというと軽く楽しめるラブストーリーだったのに対し、
今回はガラッと変わり、ちょっと気味が悪い雰囲気が漂っていましたね。
慈英についても、絵の世界以外のことに興味がないということは
前回も軽く触れてあったんですが、今回は更に深く、
慈英の欠けた部分についてより突っ込んで書かれています。
『天才』と呼ばれ周りの羨望や賞賛、嫉妬や中傷を受けても興味がなく感情も動かされない、
言わば絵以外の日常の世界からは浮いてしまっているような慈英。
慈英に憧れ嫉妬も相まって壊れてしまった三島や、
才能を発揮し上へと昇りつめていく慈英に自分が相応しくないと悩む臣などの気持ちが
中心の展開です。
慈英が初めて絵以外のもので執着を見せたのが臣であり、
読み終わってみれば二人の絆と愛の結びつきの強さを知らしめるための内容ですね(笑)
それにしても三島は不気味ですけど凡人だからわかりやすい部分も
あったんですが、それより『天才』の怖さがなんだか印象深かったです。
慈英が一番壊れた人という感じがしました。
自分が壊れていることに慈英自身が気づいているという設定が救い。
刑事である臣ですが今回事件という事件は特に起こりません。
あとがきから言葉を借りれば「サイコちっく」なお話。
「しなやかな熱情」は今後ルチル文庫から大幅改稿で出るそうです。
今作を踏まえての改稿(しかもすごい加筆)だそうですので、
以前出たものとは大幅に雰囲気が変わるかもしれません。
今回も前のとは全然違ってますし。
現在の崎谷さんと以前の崎谷さんでは、筆力や傾向の違いもまた大きいでしょうから、
そちらもぜひ読んでみたいと思います。
秀島慈英(ひでしまじえい・画家・27歳)×小山臣(こやまおみ・刑事・31歳)
2001年にリーフノベルスより発行された「しなやかな熱情」の続編。
「ひめやかな殉情」書き下ろし
「夏の日のトルソー」同人誌収録作品を加筆修正 の二編です。
前作から4年が経って、二人は同棲をしています。
前作ではイラストと慈英のイメージが違う~と騒いでいたんですが
今回は違和感なくなってました。
慈英のイメージが前作とは変わったものになってるからかな~と思います。
ちょっとヘタレ風でもあった慈英は、今回はそういう面は見えず
大人になってふてぶてしく(?)、更に天才肌に。
穏やかで優しいところは変わりないですが、慈英の人となりが詳しく書かれたことで
ただおっとりしてるのとは違うということが強調されて、
なかなか変わった人だということがわかりました。
今回のお話は、幸せな二人の前に現われた慈英の大学時代の友人・三島が
まるで暗雲のように二人の生活に入り込んできます。
この三島がかなり不気味な人物です。
慈英につきまとう得体の知れない三島に不安を抱いた臣が、慈英のために
ひとりで三島を排除しようとします。
前回がどちらかというと軽く楽しめるラブストーリーだったのに対し、
今回はガラッと変わり、ちょっと気味が悪い雰囲気が漂っていましたね。
慈英についても、絵の世界以外のことに興味がないということは
前回も軽く触れてあったんですが、今回は更に深く、
慈英の欠けた部分についてより突っ込んで書かれています。
『天才』と呼ばれ周りの羨望や賞賛、嫉妬や中傷を受けても興味がなく感情も動かされない、
言わば絵以外の日常の世界からは浮いてしまっているような慈英。
慈英に憧れ嫉妬も相まって壊れてしまった三島や、
才能を発揮し上へと昇りつめていく慈英に自分が相応しくないと悩む臣などの気持ちが
中心の展開です。
慈英が初めて絵以外のもので執着を見せたのが臣であり、
読み終わってみれば二人の絆と愛の結びつきの強さを知らしめるための内容ですね(笑)
それにしても三島は不気味ですけど凡人だからわかりやすい部分も
あったんですが、それより『天才』の怖さがなんだか印象深かったです。
慈英が一番壊れた人という感じがしました。
自分が壊れていることに慈英自身が気づいているという設定が救い。
刑事である臣ですが今回事件という事件は特に起こりません。
あとがきから言葉を借りれば「サイコちっく」なお話。
「しなやかな熱情」は今後ルチル文庫から大幅改稿で出るそうです。
今作を踏まえての改稿(しかもすごい加筆)だそうですので、
以前出たものとは大幅に雰囲気が変わるかもしれません。
今回も前のとは全然違ってますし。
現在の崎谷さんと以前の崎谷さんでは、筆力や傾向の違いもまた大きいでしょうから、
そちらもぜひ読んでみたいと思います。
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