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嘘ツキの恋
嘘ツキの恋
posted with 簡単リンクくん at 2005. 7.30
火崎勇著
オークラ出版 (2005.6)
通常24時間以内に発送します。
よしながふみ(アクアノベルス)

遠くから見ているだけでいい、声を聞いているだけでも胸が高鳴った―。
そんなふうに思えていた自分は、もう過去のものだ。
園田は梶沢に対する自分の気持ちが、どんどん欲深くなっていくのを
知って驚く。
梶沢の特別にしてもらいたいと望むようになったけれども、
彼は手の届かない場所に行くことになって…
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梶沢貴晶(かじさわたかあき・26歳)×園田史仁(そのだふみひと・26歳)
ホラーー作家と編集者、再会モノです。
が、仕事は全然関係ありませんでした(笑)

「嘘ツキの恋」
「嘘ツキの恋2」 の二編収録されています。


「嘘ツキの恋」は、正直に言うと読み始めはちょっと困ってしまいました。
梶沢は、会ったこともない芸能人に会ったと言ったり、持っていないものを
持っていると言ったり、自分をカッコよく見せる嘘をよくついている男なんですが、
この手の嘘をしょっちゅうつく人って・・・ちょっとイメージ的にどうですか?(笑)
他人の興味や関心を引くための嘘。
誰でも日常的に嘘はつきますが、こういう種類の嘘ばっかりついてるのって
相当カッコ悪いと思っちゃったんですけど(^^ゞ
「ホラ吹き」(古臭い言葉だな)、「見栄っ張り」、そんな人物像が浮かびます…。
困った、ついていけないかも~と思ったんですが、
確かに嘘はよくついていたけれど、どちらかというと人を楽しませたり、
人を思いやったりする嘘である・・・ということを強調してあったように思います。
なのでなんとかついていく・・・(笑)
梶沢が父の事業の失敗で何もかも捨てて大学もやめて出て行かなければならなかったとき、
「アメリカに留学する」とついた嘘は「みっともないところを見せたくない」という
男のプライドとか「同情されたくない」という気持ちがつかせた嘘だったんだな、と
ちゃんと理解できました。。
ただ理解はできても全体的な梶沢像には「ちょっとな~」という気持ちは
残っちゃったんですけれど(^^ゞ
園田も玉砕覚悟だったんなら「全部知ってるよ」って言っちゃえば良かったのに(笑)
真実を話してくれない男との恋愛は難しいです。


「嘘ツキの恋2」ではちょっと嘘の種類がもっと深いものになってるんですよね。
こっちの方はいろいろ考えさせられちゃいました。
「自分には嘘をつかない」と園田に約束した梶沢でしたが、ある日梶沢が
妊娠中の妻がいるのに浮気をしたことを妻に黙っているべきか真実を話して
謝るべきか、という友人の相談に「嘘をつけ、何も言うな」と言っているのを耳にします。
真実を言えば相手が傷つくからという理由だったんですが、
それを聞いた園田は、もしかすると梶沢が同じように自分を傷つけないために
今でも嘘をつくことがあるのではないかと疑い始めます。
一旦疑い出すと、園田は梶沢の言葉の全てを疑い始めてしまいます。
たとえ自分が傷ついても真実を知りたい、騙されているのは嫌だと思う園田。
そしてその友人から同じ相談を受けた園田は「真実を話して謝れ」と友人に答えます。
ところが数日後、その友人から電話があり
真実を聞いた妻が手首を切ったということをことを知ります。

この嘘は、ちょっと次元が違いますよね。
ただの「嘘つき」とは訳が違います。
正直に言っていいことと悪いことがある。嘘も方便ということもあります。
人を傷つけないためにつく嘘は確かにあるし、悪いとは思えません。
友人の妻は妊娠中で悪阻もひどく、精神的に不安定でした。
この場合は真実を話しても楽になれるのは浮気をした友人だけだという梶沢に
賛成です。

でも自分が妻の立場だったら?
真実を知りたいという園田の気持ちもわかるんですよねー。
絶対にバレなければなかったことと同じですから、いいも悪いもないんですが
騙されている自分・・・というのを客観的に考えるとなんかイヤだなとも思うんですよ。
それにもしあとでバレたら?

明確な答えはお話の中では出ていません。
あとがきに「あなたは梶沢派?園田派?」とあります。
なんだか難しい質問をされてしまいました。
ずるいですが・・・何とも言えません(^^ゞ

ただ園田はあまりに疑い深くなっちゃってて、今後が心配です。
「オオカミ少年」みたいなお話でした。
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