イラスト:紺野キタ(ルチル文庫)
中澤千波には忘れられないひとがいる。親友の榊晴一に告白され
一度だけ身体を重ねた高3の夏。幸せだったその日に起きたある事件をきっかけに
千波は晴一との約束を破ってしまう。晴一との連絡が途絶えて8年、千波は
晴一のことを想い続けていた。そんなある日、千波の勤める小学校に
晴一が訪れる。晴一と過ごすたび、千波の恋心は強くなり…。
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榊晴一(さかきはるいち・26歳)×中澤千波(なかざわちなみ・26歳)
幼馴染、再会愛です。
小さな田舎町の旧家に生まれ、今は地元で小学校の先生をしている千波。
8年前、本当に好きだったのに成就できなかった晴一への恋を
胸に秘めていた千波の前に、ある日突然連絡の途絶えていた晴一が現われます。
昔のことには一切触れず、何もなかったように接してくる晴一に戸惑いながらも、
千波は胸の奥で蓋をしていた晴一への想いが再び蘇ってくるのを感じます。
千波の誕生日の日、晴一は「千波に会いにきた」と告げ二人は8年の月日を
飛び越えてもう一度気持ちを通わせるのですが、
喜びに浸る千波に、晴一は「一緒にアメリカへ行こう」と言い出します。
8年前「一緒に東京へ行こう」という晴一との約束を破ってしまった千波の前に
再びつきつけられる決断。
これが最後であり、選んで欲しいという晴一。
8年間、忘れることのなかった晴一への想いと切なさとその時の後悔が胸に溢れ、
今度こそ約束の場所に向かおうとする千波でしたが、
家を出ようとしたとたんそれを見咎めた祖母と口論になり、
興奮した祖母が胸の痛みを訴えて倒れてしまいます。
そして約束の時間は過ぎ、千波は再び約束を破ってしまい…。
田舎の小学校、可愛い生徒たち、田んぼに畑にほのぼの~・・・と思っていたら、
ありゃりゃ、なんだかすげー切なさのてんこ盛りでございました。
確か前回読んだときもなんとなく優しい雰囲気に油断していたら
実は結構切なかったんですよね。
今回も、ありゃ~と思わせられてしまいました。
うえださんの作品を沢山は知らないんですが、
私が読んだ本は、愛し合う二人の間にいつも「死」がつきまとっていました。
今回は死んでなくて「自殺未遂」でしたけれど、
前回は交通事故死で、確か前にもアロワナが死んでたような気がするし、
お姉さんが死んでたりもした覚えがあります。
うえださんの印象は個人的に「優しくて切なくてピリリと辛い」という感じです。
このお話には、田舎であることの閉塞感、仕来たりの厳しい旧家や
誰もが知り合いであるせいですぐに広まってしまう噂や人々の目、よそ者を忌み嫌う
偏見など、どちらかといえば田舎町のマイナスに思える面が、深く関わってきています。
千波や晴一の友人はいいひとばかりですが、村一番の旧家でありその跡継ぎである
千波には、一家に君臨する厳しい祖母の目が光り千波を土地に縛り付けているような
ところもあります。
小さな田舎町で起きたある女生徒の自殺未遂事件は、またたくまに人々の知るところとなり
その原因となった晴一には、千波の祖母の冷たい視線が注がれ
8年たった今でも、祖母は晴一を半ば憎んでいるかのように蔑み嫌っています。
高校生のときその柵から出ることの出来なかった千波の想いと現在の千波の想いが
交互に語られていきますが、読んでも読んでも切なくて、いくらページを捲っても
苦しくて、本当に参りました(嫌な意味ではありません)。
千波視点で、これでもかってくらいに切なかったんですが、
それに比べると晴一は・・・?
千波に選択を委ねるのは晴一の優しさと言えるかもしれませんが
ちょっとズルいような気もしてしまいます…。
大人しくて控えめで優しい千波が事件への罪悪感に悩み、家族や土地を捨てられず
切なさに胸を痛めている間、晴一は自分の人生をどんどん歩んでいってるように
見えます。
まあ、その辺は断片的なので、そうとは断言できませんけれど。
自分勝手とも違うんでしょうし、やっぱり一緒にいたい、もう離れていたくないという
気持ちはわかるんですが。
好きな教師という仕事をやめ家を捨てて着いてこいということですからね。
千波は仕事より家より晴一と一緒にいることを選んだんですから余計なお世話なんですが、
もうちょっと晴一がそのへんきちんと考えてくれていたらいいのにな~と思ってしまいました。
榊晴一(さかきはるいち・26歳)×中澤千波(なかざわちなみ・26歳)
幼馴染、再会愛です。
小さな田舎町の旧家に生まれ、今は地元で小学校の先生をしている千波。
8年前、本当に好きだったのに成就できなかった晴一への恋を
胸に秘めていた千波の前に、ある日突然連絡の途絶えていた晴一が現われます。
昔のことには一切触れず、何もなかったように接してくる晴一に戸惑いながらも、
千波は胸の奥で蓋をしていた晴一への想いが再び蘇ってくるのを感じます。
千波の誕生日の日、晴一は「千波に会いにきた」と告げ二人は8年の月日を
飛び越えてもう一度気持ちを通わせるのですが、
喜びに浸る千波に、晴一は「一緒にアメリカへ行こう」と言い出します。
8年前「一緒に東京へ行こう」という晴一との約束を破ってしまった千波の前に
再びつきつけられる決断。
これが最後であり、選んで欲しいという晴一。
8年間、忘れることのなかった晴一への想いと切なさとその時の後悔が胸に溢れ、
今度こそ約束の場所に向かおうとする千波でしたが、
家を出ようとしたとたんそれを見咎めた祖母と口論になり、
興奮した祖母が胸の痛みを訴えて倒れてしまいます。
そして約束の時間は過ぎ、千波は再び約束を破ってしまい…。
田舎の小学校、可愛い生徒たち、田んぼに畑にほのぼの~・・・と思っていたら、
ありゃりゃ、なんだかすげー切なさのてんこ盛りでございました。
確か前回読んだときもなんとなく優しい雰囲気に油断していたら
実は結構切なかったんですよね。
今回も、ありゃ~と思わせられてしまいました。
うえださんの作品を沢山は知らないんですが、
私が読んだ本は、愛し合う二人の間にいつも「死」がつきまとっていました。
今回は死んでなくて「自殺未遂」でしたけれど、
前回は交通事故死で、確か前にもアロワナが死んでたような気がするし、
お姉さんが死んでたりもした覚えがあります。
うえださんの印象は個人的に「優しくて切なくてピリリと辛い」という感じです。
このお話には、田舎であることの閉塞感、仕来たりの厳しい旧家や
誰もが知り合いであるせいですぐに広まってしまう噂や人々の目、よそ者を忌み嫌う
偏見など、どちらかといえば田舎町のマイナスに思える面が、深く関わってきています。
千波や晴一の友人はいいひとばかりですが、村一番の旧家でありその跡継ぎである
千波には、一家に君臨する厳しい祖母の目が光り千波を土地に縛り付けているような
ところもあります。
小さな田舎町で起きたある女生徒の自殺未遂事件は、またたくまに人々の知るところとなり
その原因となった晴一には、千波の祖母の冷たい視線が注がれ
8年たった今でも、祖母は晴一を半ば憎んでいるかのように蔑み嫌っています。
高校生のときその柵から出ることの出来なかった千波の想いと現在の千波の想いが
交互に語られていきますが、読んでも読んでも切なくて、いくらページを捲っても
苦しくて、本当に参りました(嫌な意味ではありません)。
千波視点で、これでもかってくらいに切なかったんですが、
それに比べると晴一は・・・?
千波に選択を委ねるのは晴一の優しさと言えるかもしれませんが
ちょっとズルいような気もしてしまいます…。
大人しくて控えめで優しい千波が事件への罪悪感に悩み、家族や土地を捨てられず
切なさに胸を痛めている間、晴一は自分の人生をどんどん歩んでいってるように
見えます。
まあ、その辺は断片的なので、そうとは断言できませんけれど。
自分勝手とも違うんでしょうし、やっぱり一緒にいたい、もう離れていたくないという
気持ちはわかるんですが。
好きな教師という仕事をやめ家を捨てて着いてこいということですからね。
千波は仕事より家より晴一と一緒にいることを選んだんですから余計なお世話なんですが、
もうちょっと晴一がそのへんきちんと考えてくれていたらいいのにな~と思ってしまいました。
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