イラスト:北畠あけ乃(クロスノベルス)
寄り添うように育ち、岳雪が何よりも大切にしてきた幼馴染・諒。
幼い頃のまま、盲目的な信頼を寄せてくる諒への気持ちを持て余し、
重荷に感じた後ろめたさから、諒と離れようとする岳雪。
諒は全てだった岳雪を突然失う絶望に傷つきながら、笑って送りだそうとする。
擦れ違いながらも、お互いへの離れがたさが恋だったことに気づくふたり
だったが・・・。
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清水岳雪(しみずたけゆき・28歳)×蘇我諒(そがりょう・28歳)
幼馴染カップル。
またもや受けの生い立ちに複雑な事情が…。
詳しいことは省きますが、望まれずに生まれ、存在を隠され、
閉鎖された環境で育った諒に、
岳雪は初めて他の世界を見せてくれた人間でした。
まだ幼い6歳という年齢でしたが、二人は幼い日々を一緒に過ごし
いつしか諒にとって岳雪は世界そのもので、岳雪の傍が自分の居場所であり、
自分を助けるために現われてくれた神様だと思っている・・・というのが、
かなり後の方になってわかります。
諒にとっては、岳雪しかないそういう環境であり、それだけにその大切さは
計り知れないものになっているんですね。
そのへんの事情がわかるのがかなり読み進んでからになるので
はじめは、ちょっと何がなんだかわからない?という気もしていたんですが
いろいろなことがわかってくると、苦しい想いが胸に迫ってくるという感じでした。
切なくて泣けました。涙は出てませんけど。
岳雪だけが全てで岳雪だけを見つめて生きてきた諒と、
諒を守ろうと何もかもを包み込むようにしてきた岳雪は、それだけで一種の
二人だけの「世界」を作り、ずっとそこで生きてきたんだと思います。
ただ二人だけしか存在しない世界。
恋愛関係も肉体関係も存在しない、独特の世界です。
諒の岳雪への依存度はとても高く、「世界」といいうより「命」と言ってもいいくらい。
好きだとか嫌いだとかいう以上に、岳雪は諒の魂そのものなんだと思います。
お互いを思う気持ちは強く、そのままでずっと生きていけると思っていた二人の間に
岳雪の就職、そしてNYへの転勤が亀裂を与えてしまいます。
はじめて離れ離れになったことで壊れてしまう諒と、仕事に忙殺され諒のことを
思いやれずにそのままにしてしまう岳雪。
そして諒は世界が崩壊したような絶望の中で差し伸べられた手に縋り、
なんとか自分を保とうとします。
岳雪を欲するのとは別の意味で、その関係に安らぎを見出す諒ですが、
それを知った岳雪は仕事を放り出し、諒を迎えにいきます。
それは岳雪の嫉妬であり、自分の中の諒への恋愛感情を自覚した岳雪は
自分の手元に諒を取り戻しながらも、再び距離を置いてしまうんです。
かなり勝手な行動のような気がしますが、岳雪は諒よりずっと常識人であり、
それ以外にもここでは端折って書きませんが、
岳雪や諒が背負っている故郷の名家の存在というのも大きいんだと思います。
諒の自分への想いに気づきながら、自分の諒への想いには蓋をして、
その重さと背負うものの大きさにひるんで逃げ出してしまおうと思うのは
仕方がないのかなと、好意的に見ることにしますが(笑)、
正直を言えば「あんまり諒がかわいそうじゃないの?」と思ったのが本音です。
傍からみたら恋人同士にしかみえないのに、実際は肉体関係どころか
愛だの恋だのいうことさえなかった二人。
想いを自覚したとたんに逃げ出してしまう岳雪は、ちょっとずるいし、
「何やってんだ!」と渇を入れてやりたい気もします。
それにしても、一人の人間だけが自分の「世界」で、
その人を失くしてしまったら何もかもが壊れてしまうほどの想いって、
あまりに深くて苦しくて辛いですよね。
片思いだし。
岳雪のためならどんなことでも全てその場で投げ出してしまえる諒は
口だけじゃなくて本当にそうしてしまうんですよね。
それなのにこんなに恋に苦しむ姿を見ているのは辛いです。
周りのひとも辛そうです。
それでいて、諒は岳雪に迷惑をかけることを恐れ、
自分の気持ちを伝えたことは一度もないんですよ。
だからこそ、「岳雪しっかりしろ」と思ってしまうんですが。
たっぷり切なくなれますよ。
ハッピーエンドですから、安心して辛い恋に浸って下さい。
ちょっと途中まで話がわかりにくくノリにくかったんですけど
読み終わってみれば、意外に好きでした。
雪が降ると岳雪が迎えに来てくれる・・・というエピソードが
とてもロマンチック。
清水岳雪(しみずたけゆき・28歳)×蘇我諒(そがりょう・28歳)
幼馴染カップル。
またもや受けの生い立ちに複雑な事情が…。
詳しいことは省きますが、望まれずに生まれ、存在を隠され、
閉鎖された環境で育った諒に、
岳雪は初めて他の世界を見せてくれた人間でした。
まだ幼い6歳という年齢でしたが、二人は幼い日々を一緒に過ごし
いつしか諒にとって岳雪は世界そのもので、岳雪の傍が自分の居場所であり、
自分を助けるために現われてくれた神様だと思っている・・・というのが、
かなり後の方になってわかります。
諒にとっては、岳雪しかないそういう環境であり、それだけにその大切さは
計り知れないものになっているんですね。
そのへんの事情がわかるのがかなり読み進んでからになるので
はじめは、ちょっと何がなんだかわからない?という気もしていたんですが
いろいろなことがわかってくると、苦しい想いが胸に迫ってくるという感じでした。
切なくて泣けました。涙は出てませんけど。
岳雪だけが全てで岳雪だけを見つめて生きてきた諒と、
諒を守ろうと何もかもを包み込むようにしてきた岳雪は、それだけで一種の
二人だけの「世界」を作り、ずっとそこで生きてきたんだと思います。
ただ二人だけしか存在しない世界。
恋愛関係も肉体関係も存在しない、独特の世界です。
諒の岳雪への依存度はとても高く、「世界」といいうより「命」と言ってもいいくらい。
好きだとか嫌いだとかいう以上に、岳雪は諒の魂そのものなんだと思います。
お互いを思う気持ちは強く、そのままでずっと生きていけると思っていた二人の間に
岳雪の就職、そしてNYへの転勤が亀裂を与えてしまいます。
はじめて離れ離れになったことで壊れてしまう諒と、仕事に忙殺され諒のことを
思いやれずにそのままにしてしまう岳雪。
そして諒は世界が崩壊したような絶望の中で差し伸べられた手に縋り、
なんとか自分を保とうとします。
岳雪を欲するのとは別の意味で、その関係に安らぎを見出す諒ですが、
それを知った岳雪は仕事を放り出し、諒を迎えにいきます。
それは岳雪の嫉妬であり、自分の中の諒への恋愛感情を自覚した岳雪は
自分の手元に諒を取り戻しながらも、再び距離を置いてしまうんです。
かなり勝手な行動のような気がしますが、岳雪は諒よりずっと常識人であり、
それ以外にもここでは端折って書きませんが、
岳雪や諒が背負っている故郷の名家の存在というのも大きいんだと思います。
諒の自分への想いに気づきながら、自分の諒への想いには蓋をして、
その重さと背負うものの大きさにひるんで逃げ出してしまおうと思うのは
仕方がないのかなと、好意的に見ることにしますが(笑)、
正直を言えば「あんまり諒がかわいそうじゃないの?」と思ったのが本音です。
傍からみたら恋人同士にしかみえないのに、実際は肉体関係どころか
愛だの恋だのいうことさえなかった二人。
想いを自覚したとたんに逃げ出してしまう岳雪は、ちょっとずるいし、
「何やってんだ!」と渇を入れてやりたい気もします。
それにしても、一人の人間だけが自分の「世界」で、
その人を失くしてしまったら何もかもが壊れてしまうほどの想いって、
あまりに深くて苦しくて辛いですよね。
片思いだし。
岳雪のためならどんなことでも全てその場で投げ出してしまえる諒は
口だけじゃなくて本当にそうしてしまうんですよね。
それなのにこんなに恋に苦しむ姿を見ているのは辛いです。
周りのひとも辛そうです。
それでいて、諒は岳雪に迷惑をかけることを恐れ、
自分の気持ちを伝えたことは一度もないんですよ。
だからこそ、「岳雪しっかりしろ」と思ってしまうんですが。
たっぷり切なくなれますよ。
ハッピーエンドですから、安心して辛い恋に浸って下さい。
ちょっと途中まで話がわかりにくくノリにくかったんですけど
読み終わってみれば、意外に好きでした。
雪が降ると岳雪が迎えに来てくれる・・・というエピソードが
とてもロマンチック。
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