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posted with 簡単リンクくん at 2005. 7.21
池戸 裕子
リーフ出版 (2005.7)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:紺野けい子(リーフノベルス)

高校時代に出逢った美貌の同級生・吉祥。満たされない
飢えを抱いていた司馬にとって、彼は唯一それを忘れさせる『特別』な
存在だった。
だがある日突然、吉祥は司馬の前から姿を消してしまう。
そして10年後、極道世界の若きエリートとなった司馬の前に、吉祥が
再び姿を現すが…。「過去は忘れた」と冷ややかに微笑む彼が告げた
望み―それは司馬に『飼われる』ことで!?
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司馬闘吾(しばとうご・27歳)×吉祥裕章(きっしょうひろあき・27歳)



極道の世界に生まれ退屈を持て余し、何かを破壊し叩き潰すことに
喜びを覚える司馬は、高校時代自分と同じものを感じる吉祥と出会い、
それ以降つるむようになります。
その後吉祥が司馬の前から姿を消し、10年後に再会するわけですが、
いろんな背景や感情が入り組んでいて、ちょっと複雑で難しい二人です。
印象に残るのはストーリーというよりこの二人で、体格も力も全く互角で
お互いを特別に感じながら、その意味をなかなか認めることの出来ない司馬と、
そこから逃げ出そうとする吉祥。
力と力だけでなく、心と心のぶつかり合いのストーリーという感じです。

司馬のもつ暴力性は、何かを壊すとかウップンを晴らすとか何かを従わせるなど、
どちらかというと積極性(?)のあるものですが、
吉祥のそれは自分を全く大切にしない、言わば投げやりで捨て鉢なものです。
極道の世界にいる司馬よりも、吉祥のほうが実はとても悲惨な背景を背負っていて、
そのことがトラウマとなって二人を隔てる壁となっています。
ヤクザの司馬より吉祥の方が鬼気迫る感じです。

おそらく高校時代まだ言葉を交わす前から、お互いを引き寄せあう何かが
あったんでしょうね。
言葉を交わし相手の強さを知って認めあい、一緒に過ごすうちに特別な想いを抱くように
なりますが、司馬の方は高校時代にはそれがまだ恋愛だとは思っていなかったようです。
実は吉祥の方は高校生の時にすでに自分が司馬を好きだということに気づいていて、
それが司馬のそばから消える理由でもありました。
家庭に恵まれずに育ちすさまじい生活を送っていた吉祥は、自分が愛されるわけは
ないと思っているのと同時に、そばにいて急に司馬がいなくなるようなことに耐えられないからと
逃げ出してしまいます。
おそらく好きなひとと一緒の幸せな世界など考えられなかったんだと思います。
それほどひどい境遇でしたから、吉祥は世の中に
そんなものがあることさえ信じられなかったんでしょう。

お互いが離れている間、司馬は自分の心に何をしても満たされない空洞があることに
気づきます。それが吉祥と再会して、吉祥がいないための穴だと気づき、
とうとう「惚れた」ということを認めます。
けれど、あれほど殴りあった仲なのに、それを認めたあとは吉祥が傷つくことも
自分が傷つけることも我慢できないと感じてしまう司馬。
自分を受け入れようとしない吉祥とは恋人になって優しくすることもできないし、
まして昔のように殴ることもできなくなってしまった寂しさから司馬は吉祥から離れようとします。
視点は司馬ですが、少しずつ変わっていく気持ちの苛立ちや切なさや激しさが伝わってきて
すごく良かったです。

何もかも諦め、冷めている吉祥の方の気持ちはわかりにくいですが、
吉祥も司馬がいないと自分はダメだとはっきりわかっていて「飼ってくれ」という
言葉になるんですね。
そばにいられるなら、犬でもいいというわけです。
でもラストで本当になりたかったのは司馬の「女」だと告白する吉祥は、
なんだかいきなり可愛らしく、以外に健気だなと思いました。

ハードな感じがするかもしれませんが、実はそれほどでもないんです。
甘いし、萌えもたっぷりでした。
吉祥は「美人」さんですし、紺野さんのイラストは「アニキ」とは程遠いから
助かったかもしれないですけど…。
身長190cmの司馬に匹敵する体格の吉祥は背中に全面刺青の
筋肉さんなので。

シバ神と吉祥天女。
名前にも意味がありました。
50/50、まさに両雄並び立つ、独特のかっこいいカップルです。
個人的に大変面白かったので、お気に入りとなりました。
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