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オフィスの恋人
名倉 和希
オークラ出版 (2005.7)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:霧島珠樹(アクアノベルス)

整った容姿に高身長、頭脳明晰で仕事もできる極上エリートサラリーマンの
川崎は、親友の深山修一郎に頼み込まれ、修一郎の弟・麻樹生の補佐を
するため深山グループの会社に転職する。
昔から大事に思っていた麻樹生のために働くことは、川崎にとっても
幸せなことだった。
いっぽう麻樹生は、深山家の将来の為出切るだけ早く結婚しようと
女性との交際に日々励んでいる。
その様子に次第に苛立ちと苦しさを感じるようになってきた川崎は―!?
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川崎博武(かわさきひろむ・32歳)×深山麻樹生(みやままきお・24歳)

「オフィスの恋人」雑誌掲載
「蜜月」書き下ろし の二編収録されています。



中学生時代に出会い、可愛がっていた親友の弟・麻樹生の補佐として
深山グループに転職した川崎。
黒目がちの瞳と白い肌、どこか脆そうな風情の麻樹生は、結婚して
子供を持つことを目的に女性とつきあってはフラれる…ということを
繰り返しています。
フラれたということに何故かホッとする川崎ですが、一週間もたたないうちに
次の女性とつきあいだしたことを知った川崎は、自分が苛立ちを感じていることに
戸惑います。
川崎は勢いのままひどい言葉を投げつけてしまい後悔しますが、
後日、麻樹生が新しい彼女とホテルの式場巡りをし、薬指に婚約指輪まで
嵌めていることを目撃し、親友の修一郎に電話で辞職の意志を伝えます。
ところがその場に駆け込んできた麻樹生に「辞めないでくれ」と泣かれ、
抑えていた想いが一気に流れ出した川崎は、激情のまま麻樹生を押し倒してしまい…。


かなり端折ったあらすじです。
「リアシートの恋人」とリンクしている作品です。
あちらは麻樹生の兄・修一郎と秘書の幸哉。
こちらは弟・麻樹生と兄の親友・川崎。
修一郎と幸哉も登場して要所で活躍していますが、お話は全く別のものに
なっています。

一見次から次へと女を変えているような書かれ方ですが、
麻樹生はそんなキャラではないです。
前作で兄が幸哉とくっついてしまったため、深山グループの将来の責任は
自分にあると思いつめるあまり「結婚して子供を残さなければならない」と
思い込んでの行動なんですね。
しかも実はあまり上手くいっていない。
どうしてもその気になれずにすぐにフラれてしまうのですが、その原因は
麻樹生の心には川崎への想いがずっとあったからです。
そうとは知らない川崎は、自分の可愛い弟のように思っていた麻樹生のためにと
惹かれている気持ちに蓋をして、補佐に徹底しようとしています。
傍からみれば(兄や幸哉には)バレバレな二人の気持ちですが、
いろんな誤解で話がややこしくなっています。

麻樹生はちょっと頼りない印象ですが、真面目で一生懸命で真っ直ぐです。
対する川崎は恋愛面ではちょっと…ヘタレ気味?(笑)
激情のまま麻樹生を押し倒してしまったり、誤解だと知って冷や汗を掻いて
うろたえたり、仕事のようにクールにはいかないようです。
気持ちが通じ合う場面では、川崎の方がちょっと押され気味だったりして、
そんなところは面白かったですね。

「蜜月」はつきあいだして甘い二人…のはずなのに、川崎の気の回しすぎが
麻樹生におかしな誤解を与えてしまいます。
「川崎に飽きられた?」と不安になり、
兄や従兄弟のちょっとピントのズレたアドバイスに素直に従って
裸エプロンやら誘い受けの騎上位やら、いろんなことをやらかしてしまう麻樹生。
川崎の考えていることはミエミエで心配することはなにもないのがわかるので、
これはもうラブコメディとして面白く読めました。
ここでも川崎は押され気味。やっぱりちょっとヘタレ君なようです。

幸哉の尻にしっかり敷かれている修一郎が拝めますので
前作が好きだったかたも楽しめると思います。
「早起きして庭の手入れをさせられている」という修一郎の言葉が
妙にツボに嵌まりました(笑)
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