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十字架とピストル
甲山 蓮子 / 甲山 蓮子著
心交社 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:稲荷屋房之介(ショコラノベルス)


優雅な美貌と清廉な心を持つ若き神父・宮本有也が初めて任された
西田教会は、前任の神父が作った多額の借金のカタになっていた。
取り立てに現われた荒々しく冷酷なヤクザ・梶正臣にそれを知らされ、
教会から出て行けと脅された宮本は、必死で猶予を求める。
「お前が俺を癒せたら待ってやる」―梶が言い出した条件を
信仰心篤い宮本は喜んで飲むが、梶の狙いは宮本の美しい心と体、
その両方による淫らな「慰め」だった。教会を守るため、宮本は
神に仕える身体を差し出すが―。
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梶正臣(かじまさおみ・ヤクザの親分)×宮本有也(みやもとゆうや・神父)
年齢不詳。多分30前くらい。


初めて任された教会に赴任したとたん、ヤクザに押しかけられ
立ち退きを迫られた宮本は、押し問答の末、梶の策略にまんまと乗せられて
身体での奉仕を強いられてしまいます。
はじめは神に背いた行いに胸を痛める宮本ですが、乱暴で傲慢で救いようのない
男・梶の中にふと見えるようになった暖かさに、この行為が梶を癒すためになっていると
自分を納得させます。
着任早々、トラブルに巻き込まれ前途多難な宮本ですが、これだけでは済まず、
老朽化した建物は、窓を開けようとすると壁ごと崩れ二階から落ちそうになったり、
ガスコンロをつければガス漏れで爆発が起き・・・と、災難続き。
そのたびに居合わせた梶が身体を張って助けてくれて、大事には至らずに
すんでいます。
梶は度重なる事故に不審を抱き、宮本に注意するよう忠告しますが、
宮本は一笑に伏してそれを信じませんでした。
ところがある日、宮本の教会に探偵を名乗る荻野という男が現われ、
宮本が以前親切にした富豪の老人の遺産相続人に指定されていて、
それを不満に思った他の遺産相続人から、命を狙われていると明かされます。
やがて、荻野からその一件に梶が絡んでいると聞かされて…。



ヤクザ×神父さん。
なかなか色っぽい関係・・・と期待しましたが、ちょっと期待とは違ってたような(^^ゞ
もうちょっと禁断の愛に悶える美しい神父…ってのを想像してたんですが、
思ったより悩んでないですね、このヒト。
慈悲の塊のような感じではなく、これからもっと信仰を深めて
神さまのために頑張ろうと思っている、修行中のような感じです。
慈悲深いというよりは、世間とズレてるヒトのよう(笑)

神父という立場にしても、宗教的にも、こういう関係はもっと重大な問題なんでは?と
思うんですが、そのへんはあまりつっこむな、というところでしょうか。
初めのころこそ多少悩むものの、事件が起きて話の方向が変わるころには、
梶がいったいなぜ自分に近づいたのか、とか信じたいとか、裏切られたのではとか、
そっちの方が悩みのメインになっています。
禁断の愛より、教会で起こる不可解な出来事や怪しい人々の方が
よっぽど気になるストーリーです。

甲山さんは極道モノを好んで書かれるようで、むしろこれがお得意の
展開なんだと思います。
ちょっと思ってたのとは違いますが、
スリルと謎を含んだ展開は、わりと面白かったです。

ヤクザさんと同棲して、ヤクザさん所有のビルの屋上で野菜を育て、
そこから教会に通うことにした宮本ですが、
人々を救うために布教するまえに自分だけ天上に近づいてしまい、
その甘い蜜がどんなに罪深くても、やめるつもりはないらしいです。

これでいいのか…と思わないでもないですが、
深く考えないで楽しめばよろしいと思います(^^ゞ
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