イラスト:雪舟薫(エクリプスロマンス)
大手出版社に勤める編集者・倉田晴彦は会社の辞令で
“伽奈(かな)ゆうき”というイラストレーターの担当となる。
伽奈は華奢で中性的な容姿をした穏やかな人物だった。
しかし、以前から同僚に伽奈と付き合うことを遠まわしに
薦められていた倉田は、気分を害される。
やり手の編集者で容姿にも恵まれた倉田は、伽奈の好意や
周囲の思惑に踊らされるつもりはなかった。
だが、伽奈との打ち合わせに、彼のマンションに呼ばれ―。
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倉田晴彦(29歳・編集者)×伽奈ゆうき(32歳・イラストレーター)
「ミスリーディング」雑誌掲載
「ミスリーディング2」書き下ろし
「ミスリーディング3」書き下ろし の二編収録されています。
出版社で有能な編集者として働く倉田。
伽奈ゆうきは、先輩の担当するイラストレーターとして社で見かけたことがあり、
またゲイご用達のクラブで偶然出会ったことから顔は知っていたものの
倉田の好みのタイプではなかったため特に印象に残ってはいませんでした。
ところがあるパーティーで、倉田は先輩の女子社員から「伽奈が気があるようだ」と
ほのめかされ、また同じ場所で別の人物からも同じように伽奈とつきあうことを薦められます。
伽奈が人づてに自分に気持ちを伝えてきたと思い、そういうことの大嫌いな倉田は憤慨。
それから一週間もしないうちに自分が伽奈の担当に異動となり、そのことにも
伽奈の思惑を感じた倉田は、仕事にまで私情をはさむ伽奈にたいして
益々悪いイメージを抱いてしまいます。
とりあえず先輩から引き継いだ仕事を淡々とこなす倉田ですが、
あまりにやる気のない態度に伽奈が怒り、仕事に私情を挟んでいたのは自分だと気づいた
倉田は、今まで見る気もなかった伽奈のこれまでのイラストを見て、伽奈に対する見方を
変えるのですが・・・。
「ミスリーディング」は<誤解されやすい、迷わせる>という意味だとあとがきにあります。
三編とも、まさに「ミスリーディング」な二人のじれったいというかイライラするというか
腹が立つというか・・・そんなお話でした(笑)
三編そろってようやく二人の気持ちがきちんと通じ合うようになっています。
「2」「3」は書き下ろしということですが、雑誌掲載で「1」のみを読んだかたは
どうにも中途半端じゃなかったでしょうか。
伽奈が倉田にはじめから気があることは間違いではないんですが、
それ以外の友人のほのめかしや異動は、倉田の先走り、全くの勘違いです。
倉田は伽奈の何をとっても自分に気があることのほのめかしと受け取り、
一人でカリカリしツンケンしています。
読んでるほうには誤解だろうなとなんとなく予想がつくので、
その態度はあまりに自信過剰だし滑稽に見えてしまいます。
それに誤解に気づいたあとの倉田は、手のひらを返したように伽奈に迫るんですが、
ちょっとずうずうしくないか…。
伽奈は、なし崩しに倉田を受け入れてしまい、しかも倉田ときたら
「今愛してるとは言えないけど」とか言っちゃって、それで終わってるぞ。オイオイ(^^ゞ
それはないんじゃないの?と思ったところで「2」に続きました。
「2」で、少しは伽奈も報われるかなと思ってみれば、
なんと倉田は自分好みの若い年下の男に夢中になり「俺と別れてくれないか」
…あらまあ…別れちゃってますよ…。
しかも、辛さに耐えて取り乱さないよう別れを受け入れる伽奈に対して
「ずいぶんあっさりしてるね。散々悩んだ俺がバカみたいだ」とは
なんという言い草…!
別れたいと言ってるのは自分なのに、相手に未練がみえないと逆ギレ。
伽奈に命に関わる出来事が起こり目が覚めた倉田は伽奈のもとにかけつけますが、
伽奈ったらあっさり許しちゃって何事もなかったように二人はラブラブ…。
・・・伽奈が許しても私は許せませんよ。
「3」はやっと伽奈に目を向けた倉田ですが、今度は伽奈の昔の男が現われます。
倉田のヤキモチに取り合わない伽奈。
そしてある晩昔の男を自宅に招き、悩みの相談に乗っていた伽奈のもとへ倉田が
訪ねてきます。
実は大変な一大事が倉田に起きていたのですが、そんなことを知らない伽奈は
傷ついた倉田を追い返してしまいます。
なんとドアにチェーンまでかけて・・・。
倉田は「1」と「2」のお返しをされてしまったわけですが、
いつもなら「少しはお灸をすえなきゃね」と溜飲も下がろうという展開なのに
ここまでことごとく擦れ違う二人にオバサンはためいきが出てしまいました。
やっとなんとか落ち着くことができた二人ですが、
ホントに「誤解」と「すれ違い」ばっかりで大丈夫なんでしょうか(笑)
擦れ違いっぷりがここまでくるとお見事です。
それを楽しむストーリーなんですよね、これ。
幾多の困難を乗り越えて、やっとここまで来た二人という感じ。
当事者も大変でしたが、読んでる私もドキドキ、イライラ、
読後は疲労感いっぱいであります(^^ゞ
タイトルが本当に身に沁みるお話でした。
看板に偽りなし。
倉田晴彦(29歳・編集者)×伽奈ゆうき(32歳・イラストレーター)
「ミスリーディング」雑誌掲載
「ミスリーディング2」書き下ろし
「ミスリーディング3」書き下ろし の二編収録されています。
出版社で有能な編集者として働く倉田。
伽奈ゆうきは、先輩の担当するイラストレーターとして社で見かけたことがあり、
またゲイご用達のクラブで偶然出会ったことから顔は知っていたものの
倉田の好みのタイプではなかったため特に印象に残ってはいませんでした。
ところがあるパーティーで、倉田は先輩の女子社員から「伽奈が気があるようだ」と
ほのめかされ、また同じ場所で別の人物からも同じように伽奈とつきあうことを薦められます。
伽奈が人づてに自分に気持ちを伝えてきたと思い、そういうことの大嫌いな倉田は憤慨。
それから一週間もしないうちに自分が伽奈の担当に異動となり、そのことにも
伽奈の思惑を感じた倉田は、仕事にまで私情をはさむ伽奈にたいして
益々悪いイメージを抱いてしまいます。
とりあえず先輩から引き継いだ仕事を淡々とこなす倉田ですが、
あまりにやる気のない態度に伽奈が怒り、仕事に私情を挟んでいたのは自分だと気づいた
倉田は、今まで見る気もなかった伽奈のこれまでのイラストを見て、伽奈に対する見方を
変えるのですが・・・。
「ミスリーディング」は<誤解されやすい、迷わせる>という意味だとあとがきにあります。
三編とも、まさに「ミスリーディング」な二人のじれったいというかイライラするというか
腹が立つというか・・・そんなお話でした(笑)
三編そろってようやく二人の気持ちがきちんと通じ合うようになっています。
「2」「3」は書き下ろしということですが、雑誌掲載で「1」のみを読んだかたは
どうにも中途半端じゃなかったでしょうか。
伽奈が倉田にはじめから気があることは間違いではないんですが、
それ以外の友人のほのめかしや異動は、倉田の先走り、全くの勘違いです。
倉田は伽奈の何をとっても自分に気があることのほのめかしと受け取り、
一人でカリカリしツンケンしています。
読んでるほうには誤解だろうなとなんとなく予想がつくので、
その態度はあまりに自信過剰だし滑稽に見えてしまいます。
それに誤解に気づいたあとの倉田は、手のひらを返したように伽奈に迫るんですが、
ちょっとずうずうしくないか…。
伽奈は、なし崩しに倉田を受け入れてしまい、しかも倉田ときたら
「今愛してるとは言えないけど」とか言っちゃって、それで終わってるぞ。オイオイ(^^ゞ
それはないんじゃないの?と思ったところで「2」に続きました。
「2」で、少しは伽奈も報われるかなと思ってみれば、
なんと倉田は自分好みの若い年下の男に夢中になり「俺と別れてくれないか」
…あらまあ…別れちゃってますよ…。
しかも、辛さに耐えて取り乱さないよう別れを受け入れる伽奈に対して
「ずいぶんあっさりしてるね。散々悩んだ俺がバカみたいだ」とは
なんという言い草…!
別れたいと言ってるのは自分なのに、相手に未練がみえないと逆ギレ。
伽奈に命に関わる出来事が起こり目が覚めた倉田は伽奈のもとにかけつけますが、
伽奈ったらあっさり許しちゃって何事もなかったように二人はラブラブ…。
・・・伽奈が許しても私は許せませんよ。
「3」はやっと伽奈に目を向けた倉田ですが、今度は伽奈の昔の男が現われます。
倉田のヤキモチに取り合わない伽奈。
そしてある晩昔の男を自宅に招き、悩みの相談に乗っていた伽奈のもとへ倉田が
訪ねてきます。
実は大変な一大事が倉田に起きていたのですが、そんなことを知らない伽奈は
傷ついた倉田を追い返してしまいます。
なんとドアにチェーンまでかけて・・・。
倉田は「1」と「2」のお返しをされてしまったわけですが、
いつもなら「少しはお灸をすえなきゃね」と溜飲も下がろうという展開なのに
ここまでことごとく擦れ違う二人にオバサンはためいきが出てしまいました。
やっとなんとか落ち着くことができた二人ですが、
ホントに「誤解」と「すれ違い」ばっかりで大丈夫なんでしょうか(笑)
擦れ違いっぷりがここまでくるとお見事です。
それを楽しむストーリーなんですよね、これ。
幾多の困難を乗り越えて、やっとここまで来た二人という感じ。
当事者も大変でしたが、読んでる私もドキドキ、イライラ、
読後は疲労感いっぱいであります(^^ゞ
タイトルが本当に身に沁みるお話でした。
看板に偽りなし。
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