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マイ・フェア・ダンディ
渡海 奈穂著 / 前田ともイラスト
新書館
ディアプラス文庫(2007.4)


大富豪の生き別れの孫になりすまし財産を山分け――。そんな途方もない話に飛びついて、条件ぴったりの苦学生・塩田を探し出したチンピラの山崎。山崎のことが気に入ったらしく、塩田は拍子抜けするほどあっさり話に乗ってくる。
お互い孤児で天涯孤独の境遇だが、バカがつくほどお人よしな山崎と、超現実主義者の塩田。
塩田を孫らしく仕立て上げるため、共同生活を始めた二人だが…?
塩田苑治(しおたえんじ・19歳)×山崎朱海(やまざきあけみ・26歳)
大学生×チンピラ
「マイ・フェア・ダンディ」雑誌掲載
「ライフ・ライク」書き下ろしの二編。

大富豪の生き別れの孫になりすまし、まんまと「孫」と認められれば財産を手に出来る。しかも実際には本当の孫かどうかは問題ではなく、あくまで大富豪の爺さんに「自分の本物の孫に相応しい」と認められればDNAなんて関係ないという荒唐無稽な話を聞いたチンピラの山崎は、「19歳、孤児、身体に交通事故の傷」という条件に合う苦学生の塩田を見つけ出し、二人で財産を手にしようという計画に乗り出します。
おりしも、塩田の住む、トイレ風呂キッチン共同のボロアパートが取り壊されることになり、山崎は塩田を自分の1Kのアパートに一緒に住まわせ、大富豪の孫らしく教育することにします。

山崎も塩田も天涯孤独で施設育ちと境遇はとても良く似ています。高校のとき、教師を殴って施設を飛び出した山崎は、一時はホストとして働いたりもしていましたが、現在はヤクザの皆上(みなかみ)の使い走りで取り立てをしたりキャバクラの女の子の送迎をしたりしているチンピラです。しかしこのチンピラ山崎が、凄く可愛いんです。

いい意味のアホで天然で、すぐに人に騙されお金を巻き上げられ借金をこさえ…。それでもそれを恨んだりはしていなくて、楽天的でのほほんと暮らしています。が、反面大切なものがないから、自分自身さえあまり大切に思っていないようなところもあるんですけどね。でも悲壮感はあまり感じられず、一攫千金を狙ってこんなバカな話にも一生懸命ノってしまうような、やはりアホな子。確かにバカなんですけど、とても愛すべき、いい性格のヤツでしたね。アホな子は時々ムカムカするヤツもいますけど、山崎は可愛い。とても性格のいい清々しいアホ(笑)。
塩田もいろいろ苦労や辛いことが多くて、その生い立ちは結構凄惨。山崎とは反対に、リアリストで落ち着いたタイプ。7歳年下攻めなんですけど、あんまりそんな感じはしないです。年上で人に騙されたりして苦労しているのに、どこまでも天然な山崎に、ちょっとヒネた塩田は惹かれてしまうんでしょうなー。チンピラを見て心が洗われるというのも変だけど、山崎ってホントに、バカなところが愛しいという感じだもの。

タイトルは言わずと知れた「マイ・フェア・レディ」の捩りですけど、小汚い青年をお坊ちゃんに変身させる・・・というところだけが似てるかな?でも塩田はお金をかけていないだけで素材は元々いいので、着替えただけで見た目は見違えるほどになってしまうんですけどね。マナーやダンスや行儀をチンピラが教えるというミスマッチもおかしいです。
大富豪の爺さんに会うために、二人で一緒に生活しながら、準備をする様子や生活そのものが面白くていいし、二人の会話も楽しい。いざ大富豪の爺さんに会うと、意外(?)な真実が明るみに出るビックリが用意されているところも、展開として面白かったです。

書き下ろしは、自分を大切に思えない、なのに自分でそれに気づかない山崎に焦れる塩田のお話。自分に価値があるとは思えないというのは寂しい話なんだけど、山崎自身がそれについて深く考えたりしてないので、暗い雰囲気は全然ない。そういうところが塩田にしてみれば問題なんですけどね。

コメディで、暖かくて、二人とも何だか可愛らしい、これはなかなかアタリだったと思います。
これの前に読んだのが、何故か支えながらなかなか進まなかったのに対し、こちらはテンポ良く読みやすかった。
面白かったのであっという間に読んでしまいました。
前田さんのイラストは優しくて可愛いんだけど、山崎がチンピラにしてはどうなのかな?とちょっと思いました。
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