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今宵、雲の上のキッチンで
ひちわ ゆか / ひちわ ゆか著
ビブロス (2005.4)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:紺野けい子(ビーボーイノベルス)

小さなカフェ「ルフージュ」で働く新(あらた)は、オトコ殺しの
笑顔の持ち主だが、中身はハバネロ級の毒舌家。
近くに建つ高層ビルのてっぺんに住む会社社長・眞宮(しんぐう)は、
精悍で魅力的な男前なのに、好きな人には心と逆の態度を取ってしまう
天下一品の天の邪鬼。
そんな二人が偶然出会い、新は眞宮に正体を隠して、毎日食事を
届けるハメに!
会えば喧嘩の意地っ張り同士だけど、顔も見えない夜のキッチンの
暗闇では、なぜか二人とも素直になれて…。
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眞宮春臣(しんぐうはるおみ・35歳)×久住新(くずみあらた・?歳)

暖め過ぎて今頃読みましたが、たいへ~ん面白かったです。



新はカフェ「ルフージュ」のマネージャー。
ある晩、酔った数人の男女が店で騒ぎを起こしたところへ、新好みの
男前がやってきて、その場を上手く治めてくれます。
少しばかり胸がときめいた新は「オトコ殺しのスマイル」でその男前・眞宮春臣に
微笑みかけますが、眞宮は眉を顰めて目を逸らしたあげく、
不躾な嫌味とともに名刺を置いて去っていき、新は激怒。
その後偶然出くわした二人ですが、そこでも眞宮の物言いに腹を立てた新は
微笑みとともにハバネロ級の毒舌をお見舞いし、眞宮を唖然とさせます。

そんなとき、眞宮の秘書でダンディーな老紳士・多岐川(たきがわ)から、
新は「眞宮のために料理を作って欲しい」と頼まれます。
始めは断った新ですが、多岐川の語る眞宮の恵まれない境遇に絆され、
正体を明かさない約束で毎日眞宮のためにランチを作ることに。
ところがある晩、眞宮の部屋で出くわしてしまった二人は、なりゆきから、
灯りを消した暗闇の部屋で会話と筆談で話をすることになってしまいます。
そしてその後もそうして会話をする夜が続き、やがて…。



初登場の眞宮はとても嫌味な金持ち男なんですが、実は本当はそうではなく、
不器用なヘタレ君であることがすぐにわかります。
少しでも気のある相手にたいしてどうしても天の邪鬼な態度をとってしまい、
相手を怒らせることばかりを口走ってしまう眞宮は、その性格が災いして
三十半ばにもなるのに、いわゆる「本当のおつきあい」をいうものを
したことがない…というのを読んで、そのヘタレっぷりに舞い上がってしまいました。
(ヘタレ攻め好きなんで)
初対面で新に失礼なことを言ったのも、新の微笑みに一発でノックアウトされていたからで、
そのあともなんとか汚名を挽回しようとするのですが、面と向かうと口から出るのは
一言余計な嫌味ばかり。
そのたびにがっくりと落ち込み、秘書の多岐川に傷口に塩を塗られてさらに沈没してしまう
眞宮が、なんだかもうたまらなく可愛くてしょうがなかったです。

新は見目麗しい美青年でその笑顔はノンケ男も殺すといわれるほどの必殺技なんですが
その見た目で近づいてくる男は多いものの、中身は超辛口。
身体目当てで近寄ってくる男や一晩の恋は性格的に受け入れられず、
好きな男はすでに既婚者だったり、ようやくつきあっても新の毒舌に恐れをなした男に
逃げられてばかりで、こちらもまともな恋愛をしたことがありません。

この不器用な二人の不器用な恋が、本当にたまりません~(笑)
暗闇の中で会話をしながら、少しずつお互いを知っていく。
新は相手が眞宮だとわかっていますが、眞宮には新だとわからないので
眞宮の語る新(自分)の話を聞いて、新は少しずつ本当の眞宮を知って惹かれていきます。
眞宮は、話を聞いてくれる誰だかわからないその男に、
いつのまにか新だと知らずに惹かれていく。
新は、眞宮を好きになってしまったと気づいても、
もう今更自分の正体を明かすことはできないと悩みます。
お互いが目の前にいるのに、ややこしいことになってきて
なんだかこっちがドキドキしてしまいました。

眞宮も新も魅力的ですし、ストーリーもとても面白かったです。
評判も良かったみたいですが、評判どおり。
萌えがいっぱいのお話でした。
お互いの性格はすぐには直りそうにないので、
前途にはまだまだいろいろありそうですね(笑)
でもちょっと素直になることを覚えた二人がなんだかいい感じのラストでした。
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