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やさしい告白
やさしい告白
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.20
うえだ 真由 / うえだ 真由著
成美堂出版 (2005.7)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:青樹總(クリスタル文庫)

幼い頃から大好きだった下宿人の玲司の結婚報告を受けて
祝福した夜、その弟・涼司に失恋の慰めを求めて身体を重ね、
胸に息づいていた小さな恋の花を手折ってしまった直希。
その想いは永遠に告げられることがなくなってしまったけれど、
後悔に震える直希をいつもそばで見守ってくれたのは涼司だった…。
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麻賀涼司(あさかりょうじ・23歳)×奥原直希(おくはらなおき・17歳)
大学院生と高校生です。


直希の家は母と直希の母子家庭で下宿屋を営み、現在4人の下宿人が
一緒に住んでいます。
そのうちの二人は麻賀玲司(れいじ)、涼司(りょうじ)という兄弟で、
直希は兄の玲司に誰にも言えない恋心をずっと抱いていました。
ところが、玲司のそばにいられることに幸せを感じていたある日、
玲司には彼女がいて、半年後には結婚し直希の家を出て行くことが明らかになります。
しかもショックを受け傷ついた直希に、玲司の弟・涼司が「ずっと好きだった」と告白。
自分に差し伸べられる涼司の優しい手に、直希は玲司の身代わりのように縋り
身体を重ねてしまいます。
涼司の手を取って過去を振り切り、新しい恋がはじめられるかもしれないと
思った直希ですが、涼司にそれを伝えようとした時、
玲司の身にある事件が起きて…。


とても切なく優しいお話です。
直希が辛く切ない玲司への恋を乗り越えて涼司との恋を成就させるまでが
とても丁寧な心理描写で書かれています。
強引さや無理もないので、物語に自然に入っていけました。
誰かに聞かれたら「とっても良かったよ」とお答えしたい本です。

ですが、玲司の身に起こったことというのが大変衝撃で読後も尾を引いてしまい、
割り切れない思いが残ったことも確かです。
感想を書こうとしても、それしか頭に浮かんで来ないんです。
想像もしていなかったし。
全てを止め、何もかもを無にしてしまう「死」の前では、どんな想いも霞んでしまいました。

玲司が幸せになっていたら、これほどの優しさや切なさや哀しさを感じることは
なかったかもしれません。
「死」が重いからこそ涼司と直希の想いがより大きく切々と感じられたんだろうし、
それがこのお話の大切な軸だと思います。

それでもやっぱり、たとえ優しいハッピーエンドで終わっても「ああ、よかった」とは思えない。
悲しみが残ってしまいました。

だけどいいお話だったと思うのには変わりないです。
表紙を見て可愛いお話かと思って購入を迷ったんですが、
買っといて良かったと思いました。
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