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気高き僕は跪く
暁 由宇
雄飛 (2005.6)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:左崎なおみ(アイノベルス)

桧垣(ひがき)圭一はかつて密かに憧れていた高校の先輩・
高倉美弦(みつる)と10年ぶりに再会する。美術館館長となった今も
静謐な美を湛えた美弦に請われ、圭一は彼の秘書になるが…。
惹かれる気持ちとは裏腹に、心の内を見せようとしない美弦に対し
圭一は苛立ちを覚える。そして、美弦の傲慢さでプライドを傷つけられた
圭一の苛立ちが頂点に達したとき、二人の関係は逆転、
妖しく官能的なものへと―!?
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桧垣圭一(ひがきけいいち・25歳)×高倉美弦(たかくらみつる・27歳)


圭一は金融会社の常務秘書として仕事を完璧にこなしていましたが、
常務の娘との見合いを断ってから二週間後、会長の嶋岡(しまおか)から
直々に自分の孫の秘書として美術館への出向を命じられました。
会長室に同席した男を見て、孫で美術館の館長というのが
高校時代に密かに憧れた先輩・高倉美弦であったことに圭一は驚きますが、
左遷ではないかと疑う圭一は迷い、返事を保留にして帰宅したあと、
父から更に驚くべきことを聞かされます。

高校時代、圭一の父の事業が傾きすべての金策が尽きた時、
お金を貸してくれたのが会長の嶋岡であること。
信じられないことに、その際の担保が圭一自身であったこと。
また父の話ぶりから、そのお金の本当の出所は高倉美弦であったことを知り、
圭一は秘書として美弦のもとへ行くことを承諾します。
そして会長のたっての願いにより、圭一は美弦の一人住まいの新築の家に同居して
秘書として働き、生活を共にすることになります。


始めは美術館館長と秘書として主従関係にある二人。
圭一には自分は借金のカタに取られたという忸怩たる思いもあります。
それでも美弦とともに仕事をするうちに、古美術の面白さや仕事への興味も
芽生えていくのですが、ある出来事をきっかけにしてその地位が逆転することになります。
夜だけは圭一が主であり、僕(しもべ)が美弦。
言葉遣いまで逆転して、この下克上関係はなかなか色っぽいです。

が、そうなる経緯が、ちょっと強引すぎるように思えたんですよねー。。
視点は圭一で、その間に「独白」という形で美弦の心境が語られて
一応フォローされてはいるんですが。

あとがきに「調教」とありましたが、いわゆる調教…とは違うように思います。
拘束具を使うとかそういう肉体的なものではありません。
そういうのは一切ないです。
「きつい言葉攻め」の範囲かな~と思いますが、
日中は主である美弦が、夜は文字通り圭一の僕となり従うことを教えられる…
あえて調教という言葉を使うなら、精神的な調教というのかもしれません。

けれど圭一も美弦もお互いへの想いははっきりしていて、それが相手に
伝わっていないだけで、美弦は自分でもそうされることを望んでいるので、
精神的という部分でも無理やりどうこうさせられる…というものではないです。
圭一も美弦が嫌ならもうやめようと、相手を労わる気持ちもある。
少なくとも「屈服」させられているような感じはあまりないから、
調教モノは苦手な私でもまあ大丈夫。
昼夜逆転関係そのものは、けっこう萌えでしたね。

美弦の家庭環境はとても複雑で入り組んでおり、出てくる登場人物も
冒頭に載っている家系図を見ながらでないと理解できません。
そこまで複雑にする必要があったのかどうか疑問です。

ですが旧家のドロドロした関係や、美術館という仕事柄出てくる古美術の世界が、
この二人の関係をより淫靡に見せる雰囲気を出す役に立っているのかな、と思います。
でも圭一は、プライドや野心はあるものの、ごく真っ当な男で、
美弦の目には高校時代から太陽か青空のように見えていた明るい気立てのいい青年ですし、
美弦も、謎めいて人を寄せ付けない孤高の美貌で高校時代から有名だったとはいえ、
圭一への想いは健気で純粋で真っ直ぐで、そう屈折した人たちではないので、
あくまで雰囲気だけ。

ストーリーそのものは、誤解や疑心暗鬼が重なった上に、過去の出来事と現在や
人とのつながりが複雑に絡んで構成されていて、妙に小難しい印象になってます。
素直に納得できない部分もちょっとあったかな…。

本文の二人よりも、心が通じ合ったのに、この先も昼夜逆転関係のまま
続いていきそうな二人のこれからの方が、なんだか不可解でイヤラシイ感じ…(笑)

イラストの圭一がカッコイイ~!
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