イラスト:須賀邦彦(キャラ文庫)
抱かれて捨てられるくらいなら、一生告白しない―。
玩具メーカーに勤める相沢の十年来の片思いの相手は
先輩同僚の風間。学生時代「卒業記念に俺と寝ないか」という
風間の誘いを断って以来、欲望を押し殺して参謀役に徹してきた。
ところが最近なぜか風間が挑発するように急接近。
もしや想いに気づかれた…?駆け引きめいた風間との会話に
相沢は緊張を募らせて…?!
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風間弘明(28歳)×相沢芳人(よしと・27歳)
玩具メーカーに勤めるサラリーマンです。
大学に入学してすぐ、風間に「学生会」に誘われた相沢は、
それ以来リーダーシップをとる風間の片腕、参謀としてずっと風間の
隣で過ごしてきました。
熱情型の風間を冷静に補佐し、風間からも信頼されていた相沢は
風間の人を惹きつける魅力に魅せられながらも、いい後輩という立場を
自分なりに誇りに思っていました。
ところがある日、部室で風間と後輩の石川(男)が抱き合っているのを
目撃したことで、相沢は自分の風間への想いが恋心だったことに気づきます。
気づいたところで石川という恋人のいる風間に告白する勇気はなく、想いを
抑えて風間に接する相沢ですが、三ヶ月もすると風間の隣には別の
女性があらわれ、石川とはあっさり別れたことがわかります。
風間に必要とされている「後輩」の立場なら、ずっと風間の傍にいられても、
もし告白し寝てしまったら、いつか捨てられて今の信頼される立場さえ
失ってしまう。
石川に自分を重ね合わせ、そう思った相沢は風間には告白しないと決め、
卒業間近の風間に誘われたときも、平静を装ってそれを断ります。
同じ職場に就職してからも、相沢の想いは絶えることはありませんでしたが
相変わらず頼りになる参謀として風間を助け、表面上はうまく装うことが
できていました。
ところが社員旅行をきっかけに、風間の言動にまるで誘うような気配が漂い始め、
相沢はだんだんと精神的に追い詰められていきます。
恋人という立場よりも「いい後輩(先輩)」「親友」「同僚」という
立場でずっとそばにいることを選ぶ…そしてそれがだんだんと苦痛になって…
というのはよくあるパターンですが、
今回これがなかなか面白くて引き込まれて読みました。
視点は相沢で、相沢の想いはとても辛く切ないです。
ですが相沢は辛いからといってよよ…と泣き崩れているばかりではなく、
負けまいとする強さや気概のようなものも感じ取れて、
その心理描写は好印象でした。
風間の隣にいても、見劣りすることのないデキる男であるところもよかったですね。
風間は人を惹き付けるカリスマを持った男で、仕事はもちろんずば抜けて出来、
恋人は次々に変わる。
そんな風間を間近で見続けてきた相沢の忸怩たる想いが伝わってきます。
風間も大学時代から相沢に想いを寄せていただろうことはわかりますが
こんなに長い間お互いに想いを隠し通してきて、実はその後更に拗れてしまうので
いったいどうするんだ、と先が気になる展開です。
と言ってもその後も定番どおりなんですが、それで面白さが損なわれるわけでも
ありませんでした。
欲を言えば、相沢は決して弱いキャラではないと思うのに、
風間の前ではなし崩し的に流されてしまうのがちょっと物足りない。
もうちょっとバシッと風間を拒否し、風間が慌てて縋ってくれでもしたら
更に萌えられたんですが。
辞表をあっさり取り下げるなんて、ちょっとだらしないぞ。
風間が何を思っていたのかはラスト近くでわかりますが、
相沢にとって長い長い10年の間、風間も全く同じ想いでいたという
告白には、やっぱりホッとしてしまいましたね。
玩具メーカーでの二人の仕事ぶりもいい具合に書かれていて
働く二人も十分楽しめます。
意味ありげだった仕事上の問題がイヤにあっさり片づけられたのは
ちょっと肩透かし。
たぶん風間の見せ場のためだったんでしょう。
定番でもなかなか楽しめた一冊でした。
風間弘明(28歳)×相沢芳人(よしと・27歳)
玩具メーカーに勤めるサラリーマンです。
大学に入学してすぐ、風間に「学生会」に誘われた相沢は、
それ以来リーダーシップをとる風間の片腕、参謀としてずっと風間の
隣で過ごしてきました。
熱情型の風間を冷静に補佐し、風間からも信頼されていた相沢は
風間の人を惹きつける魅力に魅せられながらも、いい後輩という立場を
自分なりに誇りに思っていました。
ところがある日、部室で風間と後輩の石川(男)が抱き合っているのを
目撃したことで、相沢は自分の風間への想いが恋心だったことに気づきます。
気づいたところで石川という恋人のいる風間に告白する勇気はなく、想いを
抑えて風間に接する相沢ですが、三ヶ月もすると風間の隣には別の
女性があらわれ、石川とはあっさり別れたことがわかります。
風間に必要とされている「後輩」の立場なら、ずっと風間の傍にいられても、
もし告白し寝てしまったら、いつか捨てられて今の信頼される立場さえ
失ってしまう。
石川に自分を重ね合わせ、そう思った相沢は風間には告白しないと決め、
卒業間近の風間に誘われたときも、平静を装ってそれを断ります。
同じ職場に就職してからも、相沢の想いは絶えることはありませんでしたが
相変わらず頼りになる参謀として風間を助け、表面上はうまく装うことが
できていました。
ところが社員旅行をきっかけに、風間の言動にまるで誘うような気配が漂い始め、
相沢はだんだんと精神的に追い詰められていきます。
恋人という立場よりも「いい後輩(先輩)」「親友」「同僚」という
立場でずっとそばにいることを選ぶ…そしてそれがだんだんと苦痛になって…
というのはよくあるパターンですが、
今回これがなかなか面白くて引き込まれて読みました。
視点は相沢で、相沢の想いはとても辛く切ないです。
ですが相沢は辛いからといってよよ…と泣き崩れているばかりではなく、
負けまいとする強さや気概のようなものも感じ取れて、
その心理描写は好印象でした。
風間の隣にいても、見劣りすることのないデキる男であるところもよかったですね。
風間は人を惹き付けるカリスマを持った男で、仕事はもちろんずば抜けて出来、
恋人は次々に変わる。
そんな風間を間近で見続けてきた相沢の忸怩たる想いが伝わってきます。
風間も大学時代から相沢に想いを寄せていただろうことはわかりますが
こんなに長い間お互いに想いを隠し通してきて、実はその後更に拗れてしまうので
いったいどうするんだ、と先が気になる展開です。
と言ってもその後も定番どおりなんですが、それで面白さが損なわれるわけでも
ありませんでした。
欲を言えば、相沢は決して弱いキャラではないと思うのに、
風間の前ではなし崩し的に流されてしまうのがちょっと物足りない。
もうちょっとバシッと風間を拒否し、風間が慌てて縋ってくれでもしたら
更に萌えられたんですが。
辞表をあっさり取り下げるなんて、ちょっとだらしないぞ。
風間が何を思っていたのかはラスト近くでわかりますが、
相沢にとって長い長い10年の間、風間も全く同じ想いでいたという
告白には、やっぱりホッとしてしまいましたね。
玩具メーカーでの二人の仕事ぶりもいい具合に書かれていて
働く二人も十分楽しめます。
意味ありげだった仕事上の問題がイヤにあっさり片づけられたのは
ちょっと肩透かし。
たぶん風間の見せ場のためだったんでしょう。
定番でもなかなか楽しめた一冊でした。
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