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上海金魚
上海金魚
posted with 簡単リンクくん at 2005. 6.13
かわい ゆみこ
笠倉出版社 (2003.5)
通常2~3日以内に発送します。
イラスト:花本案嗣(クロスノベルス)

しっとりした花のような色香を持つ水端佑季(みずはしゆうき)の
恋は、初めて訪れた異国の地・上海で終わりを告げた。
男の狡さに気づきながら嘘を信じていた佑季は突然の別れに
傷つき、旅先で出会った男・滝乃(たきの)と身体を重ねてしまう。
滝乃の包み込むような優しさに、つかの間の関係だとわかっていても
心惹かれることを止められない佑季だったが・・・。
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滝乃史宥(たきのふみひろ・31~2歳)×水端佑季(みずはしゆうき・28歳)


不倫の恋人・伊藤と初めての海外旅行で上海に来た佑季ですが、
伊藤は妻からの電話に突然帰国を決め、優しいけれど不実な伊藤の
嘘に傷ついた佑季は一人で上海に残ることを決めます。
伊藤は佑季のために、丁度上海に滞在していた取引先の滝乃に
佑季の観光案内を頼み、佑季と滝乃は上海の短い休日を
二人で過ごすことになります。

上海の街をあちこち歩き回るうちに、少しずつお互いに惹かれあって
いくんですが、視点は佑季、滝乃それぞれに変わるので
その変化は読み手にはよくわかります。
が、滝乃は飄々としていて、佑季は表に感情を表さないので
二人の間にはなんとなく居心地のいい空気が漂う・・・というくらいで
表面上は変化がなく、展開が大きく盛り上がることはありません。

始終淡々とお話が続いていますが、この雰囲気は悪くないと
思いました。
賑やかな上海というよりも、都会から少し離れた上海の田舎町の
どこか懐かしい、大陸のゆっくりした空気、そんなものが漂う感じ。
佑季の住む町ものんびりした田舎町なので、よけいにそんな感じが
します。

あまりに静かな展開で、初めて身体を重ねたときも
お互いに気持ちを打ち明けあったわけではないし、いい感じの二人ではあるけれど、
勢い、というほどの盛り上がりもないのですが
このしっとりとした良さはなんなんでしょう。

派手な展開はまったくありませんし、キャラも特別個性的というわけでもないですが
たとえばハリウッドではなくヨーロッパの質のいい映画を見たときのような、
しみじみとした読後感がとてもいいなと思える作品でした。
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