イラスト:西崎祥(ビーボーイノベルス)
ほんの冗談で書いた手紙をきっかけに、高校生の浩一は
十も年上の男とつきあうことになってしまった。
男が名乗る名前も職業も偽りだと知っていたし、他に
好きな女の子もいたけれど、男があまりに純粋で―。
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里見浩一(17歳)×高橋誠人(まこと・27歳) 年下攻め。
「眠る兎」
「冬日」(表題作の8年後) の二編収録されています。
木原さんは、これが初めてです。
興味はありましたが、評判を聞いて怖くて手がだせなかったからです(笑)。
でもこの「眠る兎」はずっと読みたいと思っていて探し回り、
やっと手に入れてからしばらく熟成ののち、今回読んでみました。
木原さんのデビュー作だそうです。
拾ったゲイ雑誌の文通コーナーに名前の載っていたある男へ
友人がふざけて浩一の名で手紙を送ってしまいます。
しかも相手から返事が来て、「会いたい」と書いてくる。
行かない方がいいと親友に忠告されたのに、
浩一はその時好きだった女の子の誘いに負けて、
待ち合わせの場所に相手の顔を見にいってしまいます。
そしてそこにいたのが、自分の学校の現国の教師、高橋誠人でした。
一度はその場を去ったものの、4時間ほどのち再び戻った浩一は
まだ自分を待ち続けている高橋を見て、思わず店へと入ってしまいます。
広大な敷地を持つ学校内で会う可能性が極めて少ない二人は、
お互いの名前や職業を偽ったまま会話を交わしますが、
浩一は会ったとたんに後悔していたにも関わらず、
「また会いたい」という高橋を断ることができず、意に反してそれを
受け入れてしまいます。
次は断ろうと思いながらも言い出せず、浩一はズルズルと高橋と
会うことを続けていくのですが…。
というようなストーリーです。
切ないと聞いていたんですが、ホントに切なかったです。
誰の中にもある、人にはあまり話さない心の負の部分までが
書かれているような感じがしました。
浩一の優柔不断も、高橋の卑屈さも、
相手を傷つけたいという怒りも自分を守りたいというずるさも、
人の中にみんなあるものだけど普通は他人には話さないもので、
それを取り出して見せられるから、余計に切なさが際立つのかもしれません。
だからこそどうしようもなく相手に惹かれてしまう気持ちも、
痛々しいくらいに伝わってきました。
浩一の親友は、こういう場合によくある物分りのいい応援してくれる友達では
ありません。
気持ち悪いし信じられないし、馬鹿なことはよせと思っている。
浩一の同級生の女の子も、浩一にこの関係についてひどいことを言っていますが、
彼女が浩一を好きだと考えれば、これもまた人を好きになることによって
産まれる、負の感情だと思います。
だからと言って彼らがひどい人たちなのではなくて、
これもごく普通の反応なんですよね、考えてみれば。
登場人物たちは普通の感情を持ったひとたちで、その普通が時には
見たくないものになってしまう場合もあるかもしれません。
この作品がいいなと思うのは、そういう綺麗なだけじゃないものも
感じさせてくれるからかなと思います。。
人には見せたくないカッコ悪いところもちゃんと書いてあるから、
いろんな感情がよりリアルに感じられたんだと思います。
「眠る兎」は、木原さんの作品の中では読みやすいものだそうです。
初心者向きだとか(笑)
確かに恐れていたほどのものではないけれど、十分に切ないです。
「冬日」は木原さんにしては「ラブラブ」だということで。(あとがきより)
浩一と高橋の8年後です。
私は甘ちゃんなヘタレ読者なので、こういう未来で「ああよかったな」と
やっぱり安心してしまうのです。
里見浩一(17歳)×高橋誠人(まこと・27歳) 年下攻め。
「眠る兎」
「冬日」(表題作の8年後) の二編収録されています。
木原さんは、これが初めてです。
興味はありましたが、評判を聞いて怖くて手がだせなかったからです(笑)。
でもこの「眠る兎」はずっと読みたいと思っていて探し回り、
やっと手に入れてからしばらく熟成ののち、今回読んでみました。
木原さんのデビュー作だそうです。
拾ったゲイ雑誌の文通コーナーに名前の載っていたある男へ
友人がふざけて浩一の名で手紙を送ってしまいます。
しかも相手から返事が来て、「会いたい」と書いてくる。
行かない方がいいと親友に忠告されたのに、
浩一はその時好きだった女の子の誘いに負けて、
待ち合わせの場所に相手の顔を見にいってしまいます。
そしてそこにいたのが、自分の学校の現国の教師、高橋誠人でした。
一度はその場を去ったものの、4時間ほどのち再び戻った浩一は
まだ自分を待ち続けている高橋を見て、思わず店へと入ってしまいます。
広大な敷地を持つ学校内で会う可能性が極めて少ない二人は、
お互いの名前や職業を偽ったまま会話を交わしますが、
浩一は会ったとたんに後悔していたにも関わらず、
「また会いたい」という高橋を断ることができず、意に反してそれを
受け入れてしまいます。
次は断ろうと思いながらも言い出せず、浩一はズルズルと高橋と
会うことを続けていくのですが…。
というようなストーリーです。
切ないと聞いていたんですが、ホントに切なかったです。
誰の中にもある、人にはあまり話さない心の負の部分までが
書かれているような感じがしました。
浩一の優柔不断も、高橋の卑屈さも、
相手を傷つけたいという怒りも自分を守りたいというずるさも、
人の中にみんなあるものだけど普通は他人には話さないもので、
それを取り出して見せられるから、余計に切なさが際立つのかもしれません。
だからこそどうしようもなく相手に惹かれてしまう気持ちも、
痛々しいくらいに伝わってきました。
浩一の親友は、こういう場合によくある物分りのいい応援してくれる友達では
ありません。
気持ち悪いし信じられないし、馬鹿なことはよせと思っている。
浩一の同級生の女の子も、浩一にこの関係についてひどいことを言っていますが、
彼女が浩一を好きだと考えれば、これもまた人を好きになることによって
産まれる、負の感情だと思います。
だからと言って彼らがひどい人たちなのではなくて、
これもごく普通の反応なんですよね、考えてみれば。
登場人物たちは普通の感情を持ったひとたちで、その普通が時には
見たくないものになってしまう場合もあるかもしれません。
この作品がいいなと思うのは、そういう綺麗なだけじゃないものも
感じさせてくれるからかなと思います。。
人には見せたくないカッコ悪いところもちゃんと書いてあるから、
いろんな感情がよりリアルに感じられたんだと思います。
「眠る兎」は、木原さんの作品の中では読みやすいものだそうです。
初心者向きだとか(笑)
確かに恐れていたほどのものではないけれど、十分に切ないです。
「冬日」は木原さんにしては「ラブラブ」だということで。(あとがきより)
浩一と高橋の8年後です。
私は甘ちゃんなヘタレ読者なので、こういう未来で「ああよかったな」と
やっぱり安心してしまうのです。
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