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ひそやかに熱っぽく
柊平 ハルモ
幻冬舎コミックス (2005.4)
通常24時間以内に発送します。
イラスト:小路龍流(リンクスロマンス)

緊張に震えながらも、一途に自分を求めてくれた青年―。
人材派遣会社を経営する相野(そうの)は、一晩を共にし、
一年後に再び会うことを約束して別れた青年・幸(みゆき)の
ことが忘れられずにいた。
そんな中、相野は幸と偶然に再会するが、彼のよそよそしい
態度に疑問を抱く。相野を避け何かに脅えているような眼差しを
見せる幸。
彼がライバル企業の秘書で、社長の愛人であると知った相野は…。
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相野晴臣(そうのはるおみ)×羽住幸(はずみみゆき) 
社会人。年齢ははっきり書いてありませんでしたが、30代初めと
20代初めの10余歳年の差もの。

「ひそやかに熱っぽく」
「ひめやかに激しく」の二編収録されています。


一晩でお互いに愛が芽生え再会を待ち望んでいたのに、
偶然再会した相手は他人の物になっているとか、
幸が愛人になった理由とか、設定がメロドラマしてます。
復讐のために愛人になった幸と、それを助ける(支える?)相野。

幸が酷い目にあわないうちに相野が助けてあげられれば、ご都合主義な
展開でも、よかったよかったと言うところなんでしょうが、
そこはメロドラマ、幸はさんざん酷い目にあってしまってます。可哀相。
その場面が実際に出てくるわけではないんですが、想像すると
とても痛々しい。

一見すると大人しそうで、虐げられたひ弱な青年のような幸ですが、
芯にはなかなか強い面があります。
一人で思いつめて突っ走ってしまうような部分も。

相野は、海よりも深くて広い包容力で幸の何もかもを包み込んでしまう男。
一人で全部抱え込み悩んでしまう幸を、その過去も何もかもを全て
あたたかく包んで見守っています。
すごく大人のいい男です。
ただ出来すぎなせいかなんとなくアクがなく、他の個性的なメンバーに比べると
霞んでしまうような感も否めませんでした。
でも秘書とのやりとりでは可愛らしさも感じさせて、魅力は伝わってきます。

復讐はずいぶんあっさり…。甘かったような気がしました。
このままだと今後も問題ありそうな感じです。
また関係は切れていないので、終わり方としてはちょっとすっきりしないですね。

「ひめやかに激しく」はその後の二人ですが、
幸が、汚れてしまった自分が相野の傍にいることで、相野にまで迷惑を
かけてしまうんじゃないか…と悩んでしまうお話です。
愛人だったことは会社はもちろん業界の噂になっていて、
そんな自分が傍にいると「次は相野か」と、相野まで蔑みの白い目で見られて
しまう。
けれども、先に書いたように「包容力の相野」ですから、
幸の心配も全て暖かく包み込んでしまいますので、何か波風が立つとかいう
ことはありません。
幸の気持ちが変わるのではと自分も不安だ・・・というようなことを相野がいいますが、
それを抑えて幸を信じて待つほどのできた人物です。
幸の気持ちは切なくてよくわかりますが、どういうわけか読んでいる間中、
目いっぱいノロケられているような気がしました。


薄倖の幸とそれを助ける王子様のような相野。
こんなふうに相野みたいないい男に何もかも包んでもらいたいですなぁ。
安心して読める甘いお話です。
そういえば、幸の落とした万年筆がシンデレラのガラスの靴に
例えられてましたっけ。

六月に、相野の秘書と同会社役員の別カップル編が出るそうです。
こっちの二人の方はアクが強そうですので、丁々発止のやりとりを期待(笑)。
相野と幸のその後も垣間見ることができるかもしれません。
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