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ヘヴン
ヘヴン
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.17
桜木 知沙子
新書館 (2001.2)
通常1~3週間以内に発送します。
イラスト:麻々原絵里依(ディアプラス文庫)


紀宏(のりひろ)は、高三の頃身体の関係をもっていた小栗(おぐり)と雪の舞う札幌の街で七年ぶりに再会した。昔と変わらぬ小栗に翻弄されるうち、紀宏は自分の本当の気持ち―ずっと小栗を忘れられなかったことに気づく。けれど、長年つきあった薫子と婚約したばかりだった紀宏は…?!
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小栗英俊(おぐりひでとし)×松山紀宏(まつやまのりひろ)
25歳、同級生、再会愛。

「HEAVEN」
「PARADISE LOST」
「ETERNITY」の三編収録されています。
泣ける…と噂の作品です。

「HEAVEN」は紀宏の視点から、高校時代に小栗との間にあった
出来事の顛末や、再会してからの揺れる気持ちが書かれています。

小栗との仲は、どう贔屓目に見ても一方的に振り回されているようにしか思えなくて、正直言えば何故紀宏がここまで小栗に囚われているのかはどうもよくわかりませんでした。
「勝手で気紛れで残酷で傲慢で―そんなところにさえ惹かれている。
(中略)どこがどうしてだとかそんな言葉では説明のつかない部分で
小栗に惹かれている。(中略)生まれたときから身体にそうなることが
組み込まれているように」
そう言われちゃ返す言葉もありませんが、
再会してからの小栗も相当にひどい男のような印象しかないので…。

私が抱いたような疑問をぜ~んぶ、紀宏は自分でもわかっています。
わかった上で、それでも小栗への想いはどうしようもないことで、
理不尽な恋に囚われてしまった紀宏の切なさが、痛いほど伝わってきます。
もがいても、もがいても八方塞り。

どうにもならない想いというのは、本当に苦しくて切ないですよね。
でも、残念ながら私にはこの紀宏の恋が理解できなかったんです。
たとえ遺伝子にそうなるように組み込まれてるとしても、
第三者であるこちらには、小栗について後半になるまで、まったく
何もわからないから…。
どうしても、なんでこんな男にそこまで?という思いが先にたって
お話の一番切ない部分を紀宏に共感できずに読むことに…。

「PARADISE LOST」は小栗視点で高校時代、紀宏とつきあうようになるいきさつと別れまでが語られていて、私は「HEAVEN」よりこっちの方が素直に泣けました。
小栗が何を考えていたのか、こちらでは全てわかります。
小栗が紀宏に惹かれていく様子も、何故ひどい態度を取っていたのかも、どうしてあっさり別れたのかも。
「HEAVEN」で小栗についてこの辺が書かれていたら印象は全然違ってたと思います。

でも「HEAVEN」は理屈では語れない恋のお話。
頭で考えちゃ駄目なのね。
この理不尽さに身を委ねないと…。
紀宏にとって小栗は身体に悪いとわかっていてもやめられない煙草みたいなもん…。

「ETERNITY」は「HEAVEN」のその後、友人たちとも仲良くやってる様子の二人。
紀宏の元婚約者も別の幸せを掴んで、さてこれから自分たちも…というお話で、ごく短いものです。
高校時代も一匹狼だった小栗が友人の結婚式の発起人を紀宏とともに
努めたり、プーで家にもよりつかなかったのに、お父さんの会社で仕事を始めたり、小栗のイメージがずいぶん変わります。
「PARADISE LOST」でそのへんはもう払拭されていますが。

三つのお話のタイトルも、読み終わるとちゃんと意味がわかって、いいタイトルだなーと思います。

読み終わったあとにいろんなものがジワジワと来た感じです。
いろいろ掴み損ねていた気がするので(笑)、気分を新たに、忘れた頃にもう1回読み直してみたいなと思いました。
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