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まだ愛に届かない火崎勇/麻生海(ルビー文庫)

酔った勢いで会社の後輩・千谷(ちや)と一夜の過ちを犯してしまった
鷺沼(さぎぬま)。それから数ヶ月。「好きだから抱きたい」という千谷に
「遊びならかまわない」と応え、身体だけの関係を続けている。
抱かれるたびに千谷に溺れていく自分を自覚しつつも、鷺沼には
決して千谷に「好き」と告げることができない理由があった。
そんなある日、自分とは正反対の可愛くて素直な男が千谷を好きだと
言い出して…。
(2005.5)
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千谷立志(ちやりゅうじ・24歳)×鷺沼和(さぎぬまかずい・27歳)
年下丁寧語攻め、会社の後輩と先輩です。

出会いは鷺沼が入社2年目のとき、アルバイトとしてやってきた千谷が
自分の下で仕事をすることになったのが始まりです。
千谷は、鷺沼の会社の重要取引先の息子。
大会社の息子なんてどうせ使い物にならない馬鹿息子だろうと思っていた
鷺沼ですが、千谷は明るく素直で礼儀正しく、仕事も一生懸命やる、
どこから見ても悲の打ち所のない好青年でした。
身体は自分より大きいのに、大きな目を輝かせて自分の後をついてまわる
素直で可愛い千谷を、鷺沼は弟のように可愛がり気に入っていました。
千谷のアルバイト期間が終わり一旦は離れるものの、
正社員として入社してきた千谷に再会すると、可愛い大型犬がかっこいい
大人の男に変身していて、鷺沼の千谷への気持ちは弟への親愛ではなく、
恋に変わってしまいます。

そしてそこから鷺沼の苦悩が始まります。

千谷は鷺沼と初めて一線を越える夜に、「ずっと好きでした」と
鷺沼への気持ちを告白しています。
鷺沼は、信じられないほど嬉しい思いでその告白を聴きますが、
千谷が大会社の社長の息子であり、やがては跡を継ぎ、結婚して
子供をつくらなければならない立場であることを知っています。
そんな彼を男との恋愛に引き込むわけには行かない。
千谷の告白を拒絶しなければならないとわかっているのに、
それでも千谷のことが好きでたまらず、拒否することがどうしてもできずに
鷺沼は「セックスフレンドだったらなってもいい」と言ってしまいます。

自分の気持ちを打ち明けることは絶対にできないのに、
千谷のことがどんどん好きになってしまい、嫉妬や独占欲、諦め、激情、
様々な感情の板ばさみになる鷺沼が、とにかく切なくて泣けてきそう。
見事なまでの抑制で、どんなに心が乱れていても表向きは先輩の顔を
崩していない鷺沼ですが、相反する心の中がしっかり書きこまれているので
まるで身を引き裂かれるような心の叫びが聞こえてくるようです。

対する千谷の方も、たとえセックスフレンドでもいいから
鷺沼のそばにいたい、だから愚かな振る舞いは絶対にしないと心に
決めて、「好きだ」と何度も口にはするものの、
鷺沼が許してくれる範囲を踏み出さないように必死の努力をしています。
視点は鷺沼なので鷺沼はもちろんなんですが、ところどころで見せる
千谷の傷ついた表情や泣き笑いの笑顔など、彼の切なさもまたこちらに
伝わってくるので切なさ2倍。
なんだか胸が苦しくなってきて時々休みながらでないと読めませんでした。
疲れちゃって(笑)。

ルビー文庫で、それほど厚みがないわりに中身が濃かったです。
好きで好きでたまらない、泣きたいくらい好き、という気持ちが、
ありったけ伝わってきました。

あとがきで作者様が書いているようにオチは最初から
決まっているようなもんですし、いつもなら私も「最初に聞いておけば
よかったのにねぇ」と言うところですが、今回は言いません。
オチがわかりきってても、おつりがきましたので(笑)

この二人のその後を読みたいなんていったら無粋かもしれませんが
二人ともとっても苦しんだから、ベタ甘で幸せで蕩けそうな二人が
読んでみたいです。
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