「愛ときどき混戦」たけうちりうと/真生るいす
資産家の家に生まれ、美貌に恵まれ、ゆえに勝気でときに冷淡でさえあるエリートサラリーマン・門脇周(かどわきしゅう)。
男らしい外見に、センスのよい家で塾を開いて自分らしさを大切に暮らし大人の男の余裕を感じさせる三日月広司(みかづきひろし)。
生まれた環境も違えば、価値観も違うこの二人が、あるアクシデントによって、恋人以上に親密な関係に?!
(2004.4)
![]() | 愛ときどき混戦(講談社X文庫) たけうちりうと〔著〕 |
資産家の家に生まれ、美貌に恵まれ、ゆえに勝気でときに冷淡でさえあるエリートサラリーマン・門脇周(かどわきしゅう)。
男らしい外見に、センスのよい家で塾を開いて自分らしさを大切に暮らし大人の男の余裕を感じさせる三日月広司(みかづきひろし)。
生まれた環境も違えば、価値観も違うこの二人が、あるアクシデントによって、恋人以上に親密な関係に?!
(2004.4)
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三日月広司(27歳)×門脇周(24歳)
表紙を見て、リーマンものかなと思ったんです。
あらすじを見てもあとがきを読んでもまったく中身の推測はできなかったのですが、表紙の素敵な二人を見て買いました。
性格や環境の違う二人が出会って、反発しながらも惹かれあっていくよくあるお話かと思いました。
これを買ったときは、なんとなく普通の大人のお話が読みたい気分だったのでこれは普通っぽいと思ったんですけど…。
…がっ!!
読んですぐ、とんでもない勘違いをしていたことに気づきました。
勘違いというより勝手な思い込みですが。
普通どころの話じゃありませんでした。
身近設定の親しみやすいBLかと思ったら、これ、二人の中身が
入れ替わってしまうという話だったんです。
「えっ?! 嘘っ!」ってなもんです。
普通のリーマンからパラレルワールドへ、急いで読むための心構えを
入れ替えねばなりませんでした、はい。
まったく予備知識がなかったものでお恥ずかしい。
もし最初からこんな話だと知っていたら、多分買わなかったと思うのです。
あまりにも現実離れしすぎていて…。
どちらかといえば、普通の設定が好きですし。
…ですが、読んでみたらこれ…思いのほか面白かったんです。
中身が入れ替わってからの二人は、緊急事態に二人で対策を練るため
一緒に過ごすのですが、眼に見えるのは自分の顔なのに、正反対の人格が入っている為、自分の知らなかった表情を、目の前に見ることになります。
そして、穏やかに笑っている自分や、背筋を伸ばして颯爽としている自分をみて、おたがいに「俺ってそんなふうにできるんだ」と、自分を見つめなおします。
中身が変わって態度が変わると、、他人の反応までそれまでと違う。
そして、そうさせている相手に惹かれていくんですね。
入れ替わらなければ、気づくことの無かった様々なことに気づかされていく。
その心理が絶妙です。
惹かれているとお互い自覚して欲情しても、目の前にあるのは自分の顔と身体で、その辺のジレンマはコミカルで面白いけれど切実です。
変にドタバタしていないのと、二人の気持ちがよく理解できるので、設定は突拍子もないのに、なかなか素敵なお話に仕上がってました。
軽妙な文章もいいですね。
こういう設定なので、多少の荒業はもう仕方ありません。
ちょっと変わっているけれど、いいお話でした。
作品で重要な役割を果たす「時計の音」が、不思議なファンタジーを読んだ気分にさせてくれます。
三日月広司(27歳)×門脇周(24歳)
表紙を見て、リーマンものかなと思ったんです。
あらすじを見てもあとがきを読んでもまったく中身の推測はできなかったのですが、表紙の素敵な二人を見て買いました。
性格や環境の違う二人が出会って、反発しながらも惹かれあっていくよくあるお話かと思いました。
これを買ったときは、なんとなく普通の大人のお話が読みたい気分だったのでこれは普通っぽいと思ったんですけど…。
…がっ!!
読んですぐ、とんでもない勘違いをしていたことに気づきました。
勘違いというより勝手な思い込みですが。
普通どころの話じゃありませんでした。
身近設定の親しみやすいBLかと思ったら、これ、二人の中身が
入れ替わってしまうという話だったんです。
「えっ?! 嘘っ!」ってなもんです。
普通のリーマンからパラレルワールドへ、急いで読むための心構えを
入れ替えねばなりませんでした、はい。
まったく予備知識がなかったものでお恥ずかしい。
もし最初からこんな話だと知っていたら、多分買わなかったと思うのです。
あまりにも現実離れしすぎていて…。
どちらかといえば、普通の設定が好きですし。
…ですが、読んでみたらこれ…思いのほか面白かったんです。
中身が入れ替わってからの二人は、緊急事態に二人で対策を練るため
一緒に過ごすのですが、眼に見えるのは自分の顔なのに、正反対の人格が入っている為、自分の知らなかった表情を、目の前に見ることになります。
そして、穏やかに笑っている自分や、背筋を伸ばして颯爽としている自分をみて、おたがいに「俺ってそんなふうにできるんだ」と、自分を見つめなおします。
中身が変わって態度が変わると、、他人の反応までそれまでと違う。
そして、そうさせている相手に惹かれていくんですね。
入れ替わらなければ、気づくことの無かった様々なことに気づかされていく。
その心理が絶妙です。
惹かれているとお互い自覚して欲情しても、目の前にあるのは自分の顔と身体で、その辺のジレンマはコミカルで面白いけれど切実です。
変にドタバタしていないのと、二人の気持ちがよく理解できるので、設定は突拍子もないのに、なかなか素敵なお話に仕上がってました。
軽妙な文章もいいですね。
こういう設定なので、多少の荒業はもう仕方ありません。
ちょっと変わっているけれど、いいお話でした。
作品で重要な役割を果たす「時計の音」が、不思議なファンタジーを読んだ気分にさせてくれます。
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