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「キスと手錠」たけうちりうと/北畠あけ乃
キスと手錠(Shy novels 97)
たけうちりうと著

宝石商を営む友人・椎野から宝石の移送を頼まれた和貴は、左手首とアタッシュケースを手錠で繋がれたまま警備会社の車に乗り込んだ。それは警察に着くまでのほんの十数分のはずだった。ところが宝石を狙うテロリストたちに和貴は身体ごと誘拐されてしまうはめに…!!
そこで和貴は手錠をはずすために呼ばれた、鉄を愛する職人気質の男・漣(れん)と出遭い、反発を感じながらも惹かれていくのだが…。
(2004.1)
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跡部漣(あとべれん・跡部製作所社長)×由比和貴(ゆいかずたか・教師)

左手を手錠とアタッシュケースに繋がれたまま…という非日常の設定が
なかなか面白かったです。
誘拐犯はテロリストというよりは、「正義の泥棒さん」。
チーフは、優しく穏やかで仲間もみんないいひとばかり。
宝石を奪った目的も私利私欲のためではなく、公共、はては国のため…。
そのへんありえない話ではありますが、まあ面白さではいいのかなと。

漣は泥棒仲間ではなく、普段は工場の社長です。
この事件を企てたチームのチーフと昔デキていて、今は別れているけれど、錠前を開けたりする必要があるときだけ、何度か仕事を手伝っています。
和貴は、不登校児を集めて指導する市の教育委員会の特設教室で教師を
しています。
物を頼まれると嫌といえない性格で、友人に頼まれて宝石の運搬を引き受け、事件に巻き込まれる。
泥棒さんは宝石を奪ったらすぐに和貴を解放するはずだったのに、特殊なアタッシュケースと手錠を開けることが出来ず、そこへ漣が呼ばれて二人は出会います。

なかなか開かないアタッシュケースを抱えて、結局5日間を一緒に過ごすうちにお互い惹かれあうんですが、それが無理のない感じでなかなか良かったです。
まだ意識する前に、お互いの寝顔を盗み見ながら、同じように顔に触れてみるシーンがありますが、二人の気持ちが動く瞬間のようで、このシーンは好きでした。
噛みあわない会話が一緒にいるうちにだんだんと通じ合っていくのがわかって、とてもよかったです。

脇の泥棒さんたちも、なかなか面白い人たちばかり。
チーフと今の恋人なんかは、別編がありそうな感じです。

宝石泥棒とその結末は、ご都合主義です(笑)。ありえない。
ですが、漣と和貴の二人の恋は唐突な展開もなく、とても自然です。

ユーモアのある文章で、読みやすい。
ちょっと変わった舞台ってことで、こういうのもいいんじゃないかなと思います。
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