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凍花
柊平 ハルモ著 / 織田涼歌イラスト
幻冬舎コミックス
リンクスロマンス(2007.3)


昭和初期──事故死した両親の通夜で幼なじみだった寿弘 と八年ぶりに再会した瑞希。自分を捨て、村を出ていった 寿弘を瑞希はずっと憎んでいたが、後見人を名乗る寿弘は、 強引に瑞希の家に住み込んでしまう。
両親の死に不審を抱 いた瑞希は、誰一人として信じることが出来ず、寿弘のこ とも疑っていた。
しかし、眠っている間に誰かから催淫剤 を打たれた瑞希は、狂おしいほど熱くなる身体を抑えきれ ず、寿弘に助けを求めてしまい──!?
幡多寿弘(はたとしひろ)×篠岡瑞希(しのおかみずき・16歳)
10歳くらいの年の差のようです。
弁護士×村の大地主跡取り。事件仕立ての再会もの。

時代は昭和30年代のころです。
瑞希の家は、北陸地方の山間にある村を代々納める長であり大地主でした。“本家”と言われる瑞希の家を頂点に、村内には近い者から遠い者まで縁戚者が数多く住み、婚姻を結ぶ場合も村内の縁者間で行うという閉塞的な村です。
瑞希は東京の高校の寮で生活していますが、寮の建て直しが行われる春休み、実家に帰ってきて、村や両親の様子に違和感を感じます。数多くいた使用人は一人もいなくなっており、両親は何かに怯えて生活しているようでした。両親の様子から、命を狙われることを危惧しているらしいということがわかりますが、原因は瑞希にはわかりません。
しかし、ある日、両親は崖下で死体となって発見されます。

警察は事故と殺人の両方で捜査を始めますが、瑞希は事情徴収で、村にダム建設の話が持ち上がっていたことを知ります。瑞希の両親はダム建設に賛成していましたが、村の住人たちは反対しており、両親は村人の説得にあたっていたというのです。
ダムが建設されれば、村は水の底に沈むことになります。篠岡本家の存在は村では絶対で、両親の考えひとつで村を水に沈めることができます。しかし両親はそうはせずに説得する道を選んだと思われるのですが、両親の考えが固いことを知った誰かが殺したのではないかという疑いが瑞希の心にも浮かびます。

両親が亡くなった今、ダム建設に賛成するものは村にはいなくなり、ひとり息子の瑞希は本家の跡取りという立場と莫大な財産を受け継ぐことになります。
ダム建設に反対の立場で、本家の財産を狙う叔父が瑞希を懐柔しようと早々に近づいてきますが、そんな時、両親から瑞希の後見人を任されたと、10年ほど前村を出て行った寿弘が突然現れます。

寿弘と瑞希は遠縁に当ります。しかし幼い頃の瑞希には理由はわかりませんでしたが、寿弘の母は村中から蔑まれており、寿弘母子は瑞希の家の広い庭にある、昔は罪人を閉じ込めておいたという流刑小屋に住まわされていました。
しかし、何も知らない瑞希は寿弘にとてもよく懐き、その頃は寿弘も瑞希をとても可愛がってくれていました。
ところが、寿弘の母が亡くなった直後、寿弘は突然村を出て行ってしまったのでした。

両親の死は殺人ではないかという疑惑や、財産目当ての叔父、村に漂う緊迫感の中で一人心細い思いをする瑞希は、無意識に寿弘のことを思い出し、「ここにいてくれればいいのに」と思います。ところが、実際に現われた寿弘は以前とは違い、冷たく皮肉な物言いの弁護士となっていて、瑞希に冷淡に接します。
やがて寿弘は遺産を狙っているのではないかという疑いも出てきます。
そして寿弘が抱く村への強い憎悪のわけは?
変わってしまった寿弘と瑞希の関係や瑞希の両親の事件に加え、寿弘母子のこと、閉鎖的な村の真実の顔は?というミステリアスタッチのお話でした。
でも、あんまりドロドロした感じはしませんでした。かなり暗い題材なんですけど、瑞希の寿弘への想いが話を引っ張る形だったからでしょうか。イラストは可愛らしいですけど、瑞希はけっこう気の強いタイプで、ツンデレさんなので素直に切なさを噛み締めたりしないのですね(笑)。事件に自ら首を突っ込んで、ドロドロした渦中に巻き込まれていくということもないです。
そして寿弘も冷淡に見えますが、これまたツンデレさんなんですよね。口では冷たく接しながら、遠まわしにわかりにくい優しさを発揮してるタイプです。
閉鎖的な村の因習に翻弄されてしまった寿弘や彼の両親のことが、悲しかったですねぇ。

昭和30年代ごろ設定ですが、時代色はほとんど出ていません。“東京オリンピック”とか“同潤会アパート”とか、“カラーテレビを買った”とかいうところに多少時代を感じはしますが、それ以外は香りさえ漂ってませんでしたね。
柊平さんも「あまり時代色は出していない」と書かれていましたが、では何故この時代を選んだのか?
この頃は柊平さんは産まれておらず、ご両親の子供時代?とか仰ってましたが・・・・。へー・・・(-_-)
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