![]() | 神の右手を持つ男 春原いずみ著 / 有馬かつみイラスト 徳間書店 キャラ文庫2007-07-25 by G-Tools |
大学病院に所属する御影貴和は「神の御子」と呼ばれる天才脳血管内科医。ところがある日、医療過誤を巡って大学側と対立!設備も整わない病院に左遷されてしまう。
さらに追い討ちをかけたのは、脳神経外科医の大信田穣。幼馴染で恋人の穣は、なぜか突然態度を豹変。「もう来ないでくれ」と貴和を冷たく拒絶して…?
さらに追い討ちをかけたのは、脳神経外科医の大信田穣。幼馴染で恋人の穣は、なぜか突然態度を豹変。「もう来ないでくれ」と貴和を冷たく拒絶して…?
大信田穣(おおしだゆたか)×御影貴和(みかげたかかず)
年齢はわかりません。幼馴染で恋人同士。
春原さん得意の専門分野、シリアスな医療ものです。
そういった仕事に関しては、わかりやすく書いたとは言っても専門用語満載で、わからない言葉も多々でてきます。大筋には影響ないし何となくわかるのでOKですけど。
脳神経外科医というのはよく聞きますが、脳血管内科医というのは知りませんでした。外科医が切って開けて患部を治療するなら、脳血管内科はMRI等の写真を見て、患部や病名を把握し、切らずにカテーテルなどを使って治療する・・・と簡単に言えばそんな感じでしょうか。
相当繊細な技術が必要なわけで、今回の受けは「神の御子」と呼ばれるほど卓越した技能を持った、脳血管内科医です。
貴和には同じ大学病院に勤める、幼馴染で恋人の穣(脳神経外科医)がいます。産院で三日違いで生まれた二人は、その時から医者になるまでずっと一緒で、大学時代にその関係は恋人となりました。
まだまだ医師としては若手である二人ですが、将来を嘱望される腕を持ち、幸せな日々を過ごしています。
ところが、救急患者の診断を巡って、貴和と、脳神経外科教授の息子・松永(まつなが)の意見が食い違ったことから、貴和は松永の報復を受けて、最先端医療からは大きく遅れた病院へ左遷されてしまうのです。
「神の御子」とまで言われた天才的医療技術を全く使うことのできない病院で、貴和は半ば心神喪失状態になります。さらに、恋人の穣の態度までが豹変し、電話をしても冷たく切られてしまったうえに、会いにいった貴和は「もう来ないでくれ」と門前払いされてしまいます。
心の壊れかけてしまった貴和は、派遣先の心療内科医・観月(みづき)の優しさで少しずつ癒されていきます。やがて二人は抱き合い“恋人”のような関係に。
心の底では穣の存在を消すことができない貴和ですが、表面的には平穏を取り戻したある日、穣の名を騙った松永に騙され呼び出された貴和は、松永に無理矢乱暴されてしまいます。
貴和と穣はこのまま壊れてしまうのか、貴和は元の仕事に戻れるのか・・・というわけですけど、貴和に襲い掛かる試練の連続が読んでてちょっと辛かったです。
穣の裏切りには理由があるのは早々に明かされるので、貴和を守るため、「愛するゆえに」なのだというのはわかるようになっています。
でも、この理由がなんか弱い気がしたんですよね。
天才と謳われる自分の恋人が医療の場から締め出されないように・・・と考えてのことなんですが、二人ともそれだけ優秀だったら、論文でも書いて日本を捨てて一緒に外国に行ったらいいんじゃないかと思うんですが(笑)。
そう簡単じゃないかもしれないですが、ネタバレですけど最後にはそういう道を選んでますから、最初からそうすればいいんじゃないかと思ってしまう。
穣が貴和を守ろうとしてしたことが、結果的に貴和をものすごく傷つけましたから、どうもやってることが間違ってるような気がしてしかたないんですね。だからと言ってはなんですが、穣があんまり魅力的に見えませんでした。
しかし、知識に裏打ちされた医療世界はやはりリアルだし、切ないお話に仕上げて、結構読み応えあったと思います。
医者モノは好きだし、「ちゃんとしたお医者さん」は、読んでてやはりいいなと思いました。
年齢はわかりません。幼馴染で恋人同士。
春原さん得意の専門分野、シリアスな医療ものです。
そういった仕事に関しては、わかりやすく書いたとは言っても専門用語満載で、わからない言葉も多々でてきます。大筋には影響ないし何となくわかるのでOKですけど。
脳神経外科医というのはよく聞きますが、脳血管内科医というのは知りませんでした。外科医が切って開けて患部を治療するなら、脳血管内科はMRI等の写真を見て、患部や病名を把握し、切らずにカテーテルなどを使って治療する・・・と簡単に言えばそんな感じでしょうか。
相当繊細な技術が必要なわけで、今回の受けは「神の御子」と呼ばれるほど卓越した技能を持った、脳血管内科医です。
貴和には同じ大学病院に勤める、幼馴染で恋人の穣(脳神経外科医)がいます。産院で三日違いで生まれた二人は、その時から医者になるまでずっと一緒で、大学時代にその関係は恋人となりました。
まだまだ医師としては若手である二人ですが、将来を嘱望される腕を持ち、幸せな日々を過ごしています。
ところが、救急患者の診断を巡って、貴和と、脳神経外科教授の息子・松永(まつなが)の意見が食い違ったことから、貴和は松永の報復を受けて、最先端医療からは大きく遅れた病院へ左遷されてしまうのです。
「神の御子」とまで言われた天才的医療技術を全く使うことのできない病院で、貴和は半ば心神喪失状態になります。さらに、恋人の穣の態度までが豹変し、電話をしても冷たく切られてしまったうえに、会いにいった貴和は「もう来ないでくれ」と門前払いされてしまいます。
心の壊れかけてしまった貴和は、派遣先の心療内科医・観月(みづき)の優しさで少しずつ癒されていきます。やがて二人は抱き合い“恋人”のような関係に。
心の底では穣の存在を消すことができない貴和ですが、表面的には平穏を取り戻したある日、穣の名を騙った松永に騙され呼び出された貴和は、松永に無理矢乱暴されてしまいます。
貴和と穣はこのまま壊れてしまうのか、貴和は元の仕事に戻れるのか・・・というわけですけど、貴和に襲い掛かる試練の連続が読んでてちょっと辛かったです。
穣の裏切りには理由があるのは早々に明かされるので、貴和を守るため、「愛するゆえに」なのだというのはわかるようになっています。
でも、この理由がなんか弱い気がしたんですよね。
天才と謳われる自分の恋人が医療の場から締め出されないように・・・と考えてのことなんですが、二人ともそれだけ優秀だったら、論文でも書いて日本を捨てて一緒に外国に行ったらいいんじゃないかと思うんですが(笑)。
そう簡単じゃないかもしれないですが、ネタバレですけど最後にはそういう道を選んでますから、最初からそうすればいいんじゃないかと思ってしまう。
穣が貴和を守ろうとしてしたことが、結果的に貴和をものすごく傷つけましたから、どうもやってることが間違ってるような気がしてしかたないんですね。だからと言ってはなんですが、穣があんまり魅力的に見えませんでした。
しかし、知識に裏打ちされた医療世界はやはりリアルだし、切ないお話に仕上げて、結構読み応えあったと思います。
医者モノは好きだし、「ちゃんとしたお医者さん」は、読んでてやはりいいなと思いました。
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