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メビウスの恋人
火崎 勇著 / 紺野けい子イラスト
徳間書店
キャラ文庫(2007.3)


一代で大手レストランチェーンを築いた辣腕の青年社長・海門。欲しいものは必ず手に入れてきた男が、今一番執心しているのが、美貌の店員・八重垣だ。
何度も通い詰めて口説いた末、ようやく海門に身体を許してくれた八重垣。けれど「あなたは好きだけど、恋人にはなれない」と告げられてしまう!!
頑なに恋人になることを拒む、その理由とは…!?
海門高雄(かいもんたかお)×八重垣陽(やえがきよう)
フード・チェーン『エクセル』社長×カーテン屋店員
年齢は設定されていませんでした。

一代で大レストランチェーンを築いた海門は、現在新規店舗の出店を目指している最中ですが、粗方買収し終わった土地に建つ古びた洋食屋が立ち退きを拒んでいるため、計画が中断しています。
その洋食屋の店主が、学生時代、海門と勉強、スポーツ、恋、全てにおいて争った木原(きはら)という男。何かにつけて争っていた二人は顔をつき合わせば言い合いになり、交渉はスムーズにいきません。

しかし恋のお相手はこの木原ではありません。
海門が執心なのは、新店舗を考えている場所の最寄の商店街にあるカーテン屋の店員、八重垣。偶然商店街を通りかかって八重垣にひと目ぼれした海門は、店に通いつめ、必要のないクッションなどを買っては、近づきになり、なんとかものにしようとしているところなのですね。
下心を滲ませる海門の会話にも、嫌悪を見せたり腹を立てる様子のない八重垣の反応に、海門は期待で胸をときめかせます。
やがて会話のなりゆきで、引っ越したばかりの海門のマンションのインテリアを八重垣が選んでくれることになり、海門は一気に打つ手に出ますが、八重垣は謎めいた言葉で海門をかわし、「海門が好き」と自分からキスまでしながら「恋人にはなれない」と言います。海門が気づいていない“あること”に気づいた上で、その上で自分をどう想うか聞かせて欲しいという八重垣の謎の言葉に戸惑う海門。

しかし、考えても八重垣の言葉の意味が海門にはわかりません。相変わらず土地買収は進まず、恋も仕事もうまく行かない海門ですが、そんな時、木原の店にトラックが突っ込み木原が怪我をして入院したという報が入ります。店の厨房部分がつぶれそのままでの営業は不可能に。車の運転手は逃げ、犯人がわからないため、疑いは海門の会社に向けられます。
そして木原を見舞おうと病院に向かった海門は、そこで八重垣と、八重垣に泣きながら「妊娠した」と告げる女性を見てしまいます。


優秀で欲しいものは何でも手に入れ思い通りにしてきた海門は、ちょっと傲慢で強引ですが、どことなく子供っぽさを残した可愛げある男でした。有能な秘書につけつけとやり込められて心中でボヤく海門は何だか可愛いし、秘書との会話も面白いです。定番の秘書と社長というカップルでも全然おかしいことはない気がしますね。

しかし秘書は海門の好みではなく(笑)、お相手はカーテン屋さんの店員さん。自分に自信のある海門は、普通なら強引に相手をものにしようとするところですが、店に通っては必要のないものを買い、話をした、名前を覚えてもらった、もっと親しくなれた、と恋する少年のようになっているというギャップが面白いし好感の持てるところでしょう。大人なのでそこにはもちろん下心もあるわけで、大の社長がそっちも含めて「恋にはしゃいでる」感じは、冒頭から視点である海門に好感を持つのに有効だったように思います。。
しかし、仕事にも恋にもつまずいてしまうわけですが、全く関係のない出来事が二つ並行して起きる場合は大抵どこかで繋がっていると考えるのが普通だと思います。木原の店と八重垣との関係は…?事実が知りたくて読み進めていくのは楽しかったです。また、八重垣の思わせぶりな物言いも謎を深めるので、種明かしへの興味は倍増。
わかってみれば驚くようなことではないんだけど、でもそこへたどり着くまで面白く読めました。
八重垣は、ミステリアスで、誘って受け入れるような素振りを見せるかと思えば、海門の求愛はスルスルとかわし、男を翻弄するタイプかと思いましたが、意外にウブで純情な青年だったんですね。しかし、ウブで意識せずに海門を翻弄したとしたら、なかなか一筋縄ではいかないタイプのようにも思えます。ラストでは早速片鱗を見せていた?火崎さんのあとがきでも、ちょっとそんな所が伺えます。海門はこの先もクルクル踊らされてしまいそうです。

木原に妻がいるのは残念ですが(笑)、面白い立場になりましたね。海門は面白くないでしょうが。
大変魅力的な秘書もいるので、このお話の続きが読んでみたくなりました。
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