伊月倖弥、二十四歳。線の細い美貌ながら、生来の人間嫌いのため他人をよせつけない。シビアな皮肉屋で、大学院で一生の天職と志す鉱物の研究に打ち込んでいる。人呼んで「地質学教室のアイスドール」。
奥田篤大、十七歳。超高校級の才能と体格に恵まれたアイスホッケー選手。倖弥に出会って一目惚れ。持ち前の明るさと体力と打たれ強さで果敢にアタックするが…?
奥田篤大、十七歳。超高校級の才能と体格に恵まれたアイスホッケー選手。倖弥に出会って一目惚れ。持ち前の明るさと体力と打たれ強さで果敢にアタックするが…?
奥田篤大(おくだあつひろ・17歳)×伊月倖弥(いづきゆきや・24歳)
高校二年生、アイスホッケー選手×大学院生
何も考えずに新刊の中から手に取ったら年下ワンコ攻めが続き、ひとりワンコ祭りになってます。三月の新刊は年下攻め多いですね。
こちらは17歳。
デカくて逞しい、アイスホッケー選手、体育会系ワンコです。性格はいいですが、“コマンド”はほとんど覚えてないです。
躾けのできてない大型犬に手加減全くなしに飛びつかれてひっくり返ったり、ぐいぐいリードを引っ張られて引き摺られている心地がしてきます。
大学の図書室で重いカートを押しながら本を探していた倖弥に、篤大が司書と間違えて声をかけたのが知り合うきっかけです。
篤大は高校生ですが、アイスホッケーの腕を買われて大学のアイスホッケー部の練習に特別に参加させてもらっていて、大学内をウロウロしていたのでした。
その後、倖弥は、人懐こい篤大に何故か懐かれ、聴く耳持たない篤大の猪突猛進的なアタックにぐいぐい押されることになります。
倖弥は幼い頃から可愛い顔をしているわりに、ひどく愛想が悪く、扱いにくい子供と言われてきました。無理して周囲に合わせようとした結果疲弊してしまい、それからは「可愛げのない子」というレッテルを有難くいただき、周囲に迷惑をかけない代わりに自分もそっとしておいてほしいというスタンスでずっとやってきました。
幸い大学で地質学という地味だけれど打ち込めるものを見つけ、大学院で研究に従事することができて、静かで平穏な日常の中で、孤独だけれど平和に暮らして満足していたんですね。
そんな倖弥には、学問を通じて知り合った、40代の身体の関係だけの教授・植田(うえだ)がいます。幼い頃から自分を上手く表現できず誰ともあまり関わらないようにしてきた不器用な倖弥を、追いつめることなく上手に愛してくれる植田といるのは楽で心地よく、自分が植田の数いるセックスフレンドのうちの一人でも、自分が植田を愛していなくても、植田の存在は、確かに倖弥の安息の場所でもあったわけです。
ところが17歳の篤弥は、その真っ直ぐさと明るさと若さと力強さと遠慮のなさで倖弥の静かな世界に足音を立てて入り込んできます。もちろん倖弥は抵抗し冷たく突き放すのですが、追い払っても追い払っても纏わりついてくる大型犬のように篤大はちっとも堪えません。
静かな日常は篤大がいると一変し、倖弥の心はかき乱されますが、頑なな倖弥もいつしか篤大に惹かれていくんですね。
倖弥と“セックスフレンド”だという植田は、スマートで感情的になることのない手馴れた大人の男として出てきます。篤大のように暑苦しく愛情をぶつけたり押し付けたりしません。身体だけで、感情のない関係と倖弥は受け止めていますが、植田も決して倖弥を愛していないわけではないのが後半でわかります。
が、力押しで倖弥の感情を引き出した『動』の若者と、時期を見てゆっくり倖弥を変えていこうと構えていた『静』の大人、軍配は若者に上がるのですね。
アイスドールと言われてきた倖弥が、篤大の前ではとてもそんな風には見えず、感情の起伏が激しくなります。そんなやりとりはちょっとコメディタッチで面白かったです。
篤大はまだ高校二年生ですが、アスリートとしての彼は実力も考え方も頼もしさや逞しさを感じさせます。が、さすがにヤりたい盛りで、恋愛面では引きも考えも足りません。人の話を聞け…という部分もあるんですが、その愛情は疑いも計算も全くなく、やはり「可愛いねぇ」とオバサンは目を細めてしまいます。これがハタチ過ぎてたら手放しでは受け入れられませんが、ひねくれた知ったかぶりの10代よりもこの方が私にはずっと好みなのです。
相手に対して感情を素直に表せるというのは結構大事だと思います。篤大に対して倖弥はそれこそ遠慮なく嫌味を言ったり怒ったりしますが、そういうことを言える相手というのは貴重ですよ。
篤大は鬱陶しいタイプではありますが、何を言ってもめげない(聞かない)から、こっちも気を回す必要はなく、小突いたりパシリにしたり時には愛でたりと、好きに可愛がれると思います。「可愛がられたい」んじゃなくて「可愛がりたい」あたりに、自分の年齢を感じます…。
篤大も成長しますが、成長ぶりは倖弥の方が顕著です。
お互い初めての恋に、不器用に、でも一生懸命に悩むお話、かなり好きでした。
アイスホッケーというスポーツを全然知らず、TVでやっててもチラッと見るだけの興味しかなく、かなり激しい格闘系のスポーツ…と感じているだけでしたが、『男のスポーツ』として、なかなかよろしいですねぇ(笑)。
TVで見ることがあったら、ちょっと真剣に(多分に色眼鏡で)見てみたいと思いました。「フェイス・オフ」とは、センターラインで向き合って笛が鳴る、試合開始のことだそうです。
高校二年生、アイスホッケー選手×大学院生
何も考えずに新刊の中から手に取ったら年下ワンコ攻めが続き、ひとりワンコ祭りになってます。三月の新刊は年下攻め多いですね。
こちらは17歳。
デカくて逞しい、アイスホッケー選手、体育会系ワンコです。性格はいいですが、“コマンド”はほとんど覚えてないです。
躾けのできてない大型犬に手加減全くなしに飛びつかれてひっくり返ったり、ぐいぐいリードを引っ張られて引き摺られている心地がしてきます。
大学の図書室で重いカートを押しながら本を探していた倖弥に、篤大が司書と間違えて声をかけたのが知り合うきっかけです。
篤大は高校生ですが、アイスホッケーの腕を買われて大学のアイスホッケー部の練習に特別に参加させてもらっていて、大学内をウロウロしていたのでした。
その後、倖弥は、人懐こい篤大に何故か懐かれ、聴く耳持たない篤大の猪突猛進的なアタックにぐいぐい押されることになります。
倖弥は幼い頃から可愛い顔をしているわりに、ひどく愛想が悪く、扱いにくい子供と言われてきました。無理して周囲に合わせようとした結果疲弊してしまい、それからは「可愛げのない子」というレッテルを有難くいただき、周囲に迷惑をかけない代わりに自分もそっとしておいてほしいというスタンスでずっとやってきました。
幸い大学で地質学という地味だけれど打ち込めるものを見つけ、大学院で研究に従事することができて、静かで平穏な日常の中で、孤独だけれど平和に暮らして満足していたんですね。
そんな倖弥には、学問を通じて知り合った、40代の身体の関係だけの教授・植田(うえだ)がいます。幼い頃から自分を上手く表現できず誰ともあまり関わらないようにしてきた不器用な倖弥を、追いつめることなく上手に愛してくれる植田といるのは楽で心地よく、自分が植田の数いるセックスフレンドのうちの一人でも、自分が植田を愛していなくても、植田の存在は、確かに倖弥の安息の場所でもあったわけです。
ところが17歳の篤弥は、その真っ直ぐさと明るさと若さと力強さと遠慮のなさで倖弥の静かな世界に足音を立てて入り込んできます。もちろん倖弥は抵抗し冷たく突き放すのですが、追い払っても追い払っても纏わりついてくる大型犬のように篤大はちっとも堪えません。
静かな日常は篤大がいると一変し、倖弥の心はかき乱されますが、頑なな倖弥もいつしか篤大に惹かれていくんですね。
倖弥と“セックスフレンド”だという植田は、スマートで感情的になることのない手馴れた大人の男として出てきます。篤大のように暑苦しく愛情をぶつけたり押し付けたりしません。身体だけで、感情のない関係と倖弥は受け止めていますが、植田も決して倖弥を愛していないわけではないのが後半でわかります。
が、力押しで倖弥の感情を引き出した『動』の若者と、時期を見てゆっくり倖弥を変えていこうと構えていた『静』の大人、軍配は若者に上がるのですね。
アイスドールと言われてきた倖弥が、篤大の前ではとてもそんな風には見えず、感情の起伏が激しくなります。そんなやりとりはちょっとコメディタッチで面白かったです。
篤大はまだ高校二年生ですが、アスリートとしての彼は実力も考え方も頼もしさや逞しさを感じさせます。が、さすがにヤりたい盛りで、恋愛面では引きも考えも足りません。人の話を聞け…という部分もあるんですが、その愛情は疑いも計算も全くなく、やはり「可愛いねぇ」とオバサンは目を細めてしまいます。これがハタチ過ぎてたら手放しでは受け入れられませんが、ひねくれた知ったかぶりの10代よりもこの方が私にはずっと好みなのです。
相手に対して感情を素直に表せるというのは結構大事だと思います。篤大に対して倖弥はそれこそ遠慮なく嫌味を言ったり怒ったりしますが、そういうことを言える相手というのは貴重ですよ。
篤大は鬱陶しいタイプではありますが、何を言ってもめげない(聞かない)から、こっちも気を回す必要はなく、小突いたりパシリにしたり時には愛でたりと、好きに可愛がれると思います。「可愛がられたい」んじゃなくて「可愛がりたい」あたりに、自分の年齢を感じます…。
篤大も成長しますが、成長ぶりは倖弥の方が顕著です。
お互い初めての恋に、不器用に、でも一生懸命に悩むお話、かなり好きでした。
アイスホッケーというスポーツを全然知らず、TVでやっててもチラッと見るだけの興味しかなく、かなり激しい格闘系のスポーツ…と感じているだけでしたが、『男のスポーツ』として、なかなかよろしいですねぇ(笑)。
TVで見ることがあったら、ちょっと真剣に(多分に色眼鏡で)見てみたいと思いました。「フェイス・オフ」とは、センターラインで向き合って笛が鳴る、試合開始のことだそうです。
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