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炎の記憶 (CROSS NOVELS) 炎の記憶 (CROSS NOVELS)
剛 しいら (2003/05)
笠倉出版社

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児童専門の臨床心理士・如月東栄は10歳年下の恋人・佐々木洸太と暮らしている。同居して1ヵ月、初めての恋に戸惑う如月は、佐々木の求愛に答えるのが精一杯で、自分から求めることが出来ずにいた。
些細なすれ違いが蜜月に小さな亀裂を生じさせるが…。
相変わらずアツアツな二人です。
が、夜の生活で、恥じらいが邪魔をしてどうしても素直に快感を覚えることのできない如月に、佐々木が「感じていないのは自分のせいではないか」と悩み、そのことで二人の間が気まずくなってしまいます。
けれど、この二人がよくあるカップルと違うのは、行き違いが起きても決して相手のせいにはせず、変な意地を張ることもなく、相手を思いやってきちんと素直に話をして、すぐに解決するところです。(この時は一週間気まずい想いをしましたが。)
こういう行き違いを、変な意地の張り合いや第三者介入や不自然な出来事で引っ掻き回し、引き伸ばす展開は多いのですが、このお話に関しては一切そういうことはありません。
そこが個人的に凄く好感を持ったところです。
如月が焼もちを妬く場面もあるのですが、その時もいつまでもグズグズマイナー思考で悩む展開ではなく、すぐにきちんとその気持ちを佐々木に伝えています。
ドラマチックがお好みの方は物足りないかもしれませんが、私には、必要のない無駄な意地をはってドツボに嵌まるような話より、ずっと自然だと思えました。

この続編では、嫉妬から佐々木への独占欲を感じたり、佐々木の命が危険に晒されることによって、佐々木の大切さや彼への想いを強く認識して、如月も「人を愛すること」と「佐々木を愛している」ということを、自覚していきます。ちゃんと「愛してる」と言葉にもできるようになり、甘える幸せも実感しています。Hのほうは、如月はホントにウブなおぼこ娘なので、「マグロ」から脱するには時間がかかりそうですが(笑)、でもどんなにゆっくりなペースでも、佐々木は焦れることなく、溢れる愛情と努力でそれを見守ってくれるでしょう。
ホントに幸せなお二人(笑)。

佐々木が、ホントにいい男です。
明るく男らしく若々しく、爽やかで素直で包容力があり、優しさに溢れています。喧嘩をしても相手を思いやることができ、後も引きません。
家事全般も完璧です。
決してただの明るいだけの男ではなく、子供の頃に心に傷を負い、如月に癒してもらった経験があるので、人の痛みにも敏感です。時々チラッと見せる子供っぽい反応も(まだ22だし)、如月にとって可愛くてしょうがないんじゃないでしょうか。時々如月を差し置いて、カウンセラー顔負けの意見もいいます。如月はそこでまた、佐々木が自分にとってどんなに大事な男なのかを確認させられるのでした。
褒めてばっかりですが、ホントに素晴らしい男なんです(笑)。
如月が、佐々木を自分に寄り合わせてくれた神様に感謝するシーンがありますが、そりゃそうだろ、と思います。私だって欲しいよ、こんな男(笑)
如月もまた、仕事以外では、本当に不器用で可愛い男なんですよ。佐々木がほおっておけないのもムリはない…。
ホントにお似合いな二人。私的には「ベストカップル賞」をあげたいですね。

物語は、今回も如月の患者である高校生の「記憶喪失」を軸に展開します。佐々木と如月の二人の関係と微妙に絡み合いながら進みますので、そちらばかりが前面に出ることはありません。
横恋慕する勘違い男・高森(如月の先輩)が出てきますが、如月の気持ちははっきりしていて、きちんと拒否しているので、ジリジリさせられることもありませんでした。
私は攻めに感情移入して読むので(…珍しいですか…?)、受けに横恋慕されるとムカつくんですが(笑。その反対は平気…)

なんのことはない、「水~」に続いてひたすらに甘い二人。
これもまた大好きな1冊となりました。
雪舟先生の表紙の佐々木も、とても素敵です。
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