![]() | 恋は甘いかソースの味か 久我有加 / 街子マドカイラスト 新書館 ディアプラス文庫2007-08 by G-Tools |
上司のパワハラが原因で人の視線が気になり始め、勤め先を休職していた亘。だが大のたこ焼き好きの亘は、その日勇気を出して評判のたこ焼き屋に足を運んだ。
そこで再会したのがかつて通勤電車の中で知り合い、たこ焼き談義を交わしていた徳田。彼は脱サラし、たこ焼き屋の店主となっていたのだ。
徳田の視線にはなぜか緊張を覚えない。亘はリハビリを兼ね、彼の店を手伝うことになるが……?
そこで再会したのがかつて通勤電車の中で知り合い、たこ焼き談義を交わしていた徳田。彼は脱サラし、たこ焼き屋の店主となっていたのだ。
徳田の視線にはなぜか緊張を覚えない。亘はリハビリを兼ね、彼の店を手伝うことになるが……?
徳田昭馬(とくだしょうま・27歳)×円野亘(えんのわたる・24歳)
脱サラのたこ焼き屋店主×休職中の高校教師
「恋は甘いかソースの味か」雑誌掲載
「丸い卵も切りようで四角」雑誌掲載
「桃栗三年柿八年」書き下ろし の三編。
表題作だけ雑誌で読んでました。ディアプラスは雑誌も買ってるはずなのに、なんで続きは読んでなかったのか不明。たまたま買わなかった?
それはともかく、表題作はけっこう好きだったんですよ。
徳田と亘が初めて言葉を交わしたのは電車の中。
その頃亘は学校でのパワーハラスメントが原因で「視線恐怖」という対人恐怖症を患っていました。それなのに徳田だけは初めから大丈夫だったのです。それは、彼の着ていたコートからたこ焼きの匂いがしていたから。亘は大のたこ焼き好きで、その香りに気を取られていたんですね。
三ヶ月ほどの間、同じ電車に乗り合わせると、二人はたこ焼き談義に花を咲かせていました。しかし、ある日徳田は勤めていた会社を辞め、同じ電車に乗らなくなってしまいます。
その後、症状がますます悪化した亘は、学校を休職せざるを得なくなります。しかし、1ヵ月ほどしたある日、亘は上手いと評判のたこ焼き屋に思い切って食べに出かけます。そのたこ焼き屋「幸たこ」の店主が、なんと脱サラした徳田だったのです。
亘の「視線恐怖」に気づいてくれた徳田に誘われ、亘は徳田の店を手伝いながらリハビリをすることになります。徳田は亘に無理をさせず、亘の状態に合わせて暖かく見守ってくれて、大好きなたこ焼きの傍ということもあって、亘の症状は少しずつ回復していきます。
そんな中で、亘は徳田にも心に傷を負う出来事があったことを知る。
表題作はそんな二人が恋人同士になるまでのお話で、抱える問題は解決されないんですが、始終暖かく優しい視線で書かれていて、またこのカップルは恋人になる前から甘々なので、ほんわかした感じがします。そんなところが好きだったんですけどね。
「丸い~」は、亘の学校の問題、徳田の心の傷の問題などがクローズアップされます。でも、二人の仲はホントに甘いです。そんな二人で切り盛りするたこ焼き屋は楽しくて幸せそうだなぁと思いますが、彼らの抱えている心の問題はシリアスですよね。その点はきっちり解決されないので、ちょっと心残りな感じはします。こういうメンタルな問題って、中でも書かれているように、本人がいくらわかっていても頑張っても治るものではないので致し方ないかもしれないですが。
ただ二人でたこ焼き屋を・・・というのはホントに幸せそうなんだけど、第三者の目からは、亘にとってはちょっと残念な気はしてしまうんですよね。余計なお世話ですが。
でも、あとがきにあるように、久我さん作品の中でも、この二人は本を通してラブ度高いです。そういう点では安心して読めました。たぶんこの二人は一緒にいることが何よりで、他は瑣末なことなんだと思います。
それにしても、たこ焼きが無性に食べたくなるお話でした。
脱サラのたこ焼き屋店主×休職中の高校教師
「恋は甘いかソースの味か」雑誌掲載
「丸い卵も切りようで四角」雑誌掲載
「桃栗三年柿八年」書き下ろし の三編。
表題作だけ雑誌で読んでました。ディアプラスは雑誌も買ってるはずなのに、なんで続きは読んでなかったのか不明。たまたま買わなかった?
それはともかく、表題作はけっこう好きだったんですよ。
徳田と亘が初めて言葉を交わしたのは電車の中。
その頃亘は学校でのパワーハラスメントが原因で「視線恐怖」という対人恐怖症を患っていました。それなのに徳田だけは初めから大丈夫だったのです。それは、彼の着ていたコートからたこ焼きの匂いがしていたから。亘は大のたこ焼き好きで、その香りに気を取られていたんですね。
三ヶ月ほどの間、同じ電車に乗り合わせると、二人はたこ焼き談義に花を咲かせていました。しかし、ある日徳田は勤めていた会社を辞め、同じ電車に乗らなくなってしまいます。
その後、症状がますます悪化した亘は、学校を休職せざるを得なくなります。しかし、1ヵ月ほどしたある日、亘は上手いと評判のたこ焼き屋に思い切って食べに出かけます。そのたこ焼き屋「幸たこ」の店主が、なんと脱サラした徳田だったのです。
亘の「視線恐怖」に気づいてくれた徳田に誘われ、亘は徳田の店を手伝いながらリハビリをすることになります。徳田は亘に無理をさせず、亘の状態に合わせて暖かく見守ってくれて、大好きなたこ焼きの傍ということもあって、亘の症状は少しずつ回復していきます。
そんな中で、亘は徳田にも心に傷を負う出来事があったことを知る。
表題作はそんな二人が恋人同士になるまでのお話で、抱える問題は解決されないんですが、始終暖かく優しい視線で書かれていて、またこのカップルは恋人になる前から甘々なので、ほんわかした感じがします。そんなところが好きだったんですけどね。
「丸い~」は、亘の学校の問題、徳田の心の傷の問題などがクローズアップされます。でも、二人の仲はホントに甘いです。そんな二人で切り盛りするたこ焼き屋は楽しくて幸せそうだなぁと思いますが、彼らの抱えている心の問題はシリアスですよね。その点はきっちり解決されないので、ちょっと心残りな感じはします。こういうメンタルな問題って、中でも書かれているように、本人がいくらわかっていても頑張っても治るものではないので致し方ないかもしれないですが。
ただ二人でたこ焼き屋を・・・というのはホントに幸せそうなんだけど、第三者の目からは、亘にとってはちょっと残念な気はしてしまうんですよね。余計なお世話ですが。
でも、あとがきにあるように、久我さん作品の中でも、この二人は本を通してラブ度高いです。そういう点では安心して読めました。たぶんこの二人は一緒にいることが何よりで、他は瑣末なことなんだと思います。
それにしても、たこ焼きが無性に食べたくなるお話でした。
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!
これは久我さんということで、購入済みです。
でも、いつ読めるのかな?
ここの所、ちょっと涼しくなってきたせいか、いくら寝ても眠くて。ま、いつもの様に夜中は頭がさえてくるんですけど(笑)
「たこ焼き」か・・・
我家の近くには美味しいたこ焼き屋がないんですよね。これを読んで食べたくなったらどうしましょ?(笑)
二人とも心を病んでるのですか?
心の問題はなかなか簡単には解決できないものですからね。でも、二人で「たこ焼き」を焼きながら、心の方も癒されるといいですよね。メンタルな問題は、抱える人じゃないと解らないものですからね~。(実感・笑)
これは久我さんということで、購入済みです。
でも、いつ読めるのかな?
ここの所、ちょっと涼しくなってきたせいか、いくら寝ても眠くて。ま、いつもの様に夜中は頭がさえてくるんですけど(笑)
「たこ焼き」か・・・
我家の近くには美味しいたこ焼き屋がないんですよね。これを読んで食べたくなったらどうしましょ?(笑)
二人とも心を病んでるのですか?
心の問題はなかなか簡単には解決できないものですからね。でも、二人で「たこ焼き」を焼きながら、心の方も癒されるといいですよね。メンタルな問題は、抱える人じゃないと解らないものですからね~。(実感・笑)
2007/09/01(土) 03:41 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
>水月さん、こんにちは~。
私も久我さんなのでチェックしてました。
表題作は雑誌でも読んでいたんですが。
心の問題が関わってるので諸手を上げてラブラブ~という気分にはなれないんですけど、「たこ焼」というアイテムのせいで、ほんわか美味しそうな雰囲気も同時に流れてます。
「心」のことって、自分にしかわからないし、一朝一夕にすぐ治るという明快なものでもないので…。
ただ、この二人は一緒にいれば大丈夫という気はします。
でもちょっと、受けの仕事のことが個人的には残念でした。
私も久我さんなのでチェックしてました。
表題作は雑誌でも読んでいたんですが。
心の問題が関わってるので諸手を上げてラブラブ~という気分にはなれないんですけど、「たこ焼」というアイテムのせいで、ほんわか美味しそうな雰囲気も同時に流れてます。
「心」のことって、自分にしかわからないし、一朝一夕にすぐ治るという明快なものでもないので…。
ただ、この二人は一緒にいれば大丈夫という気はします。
でもちょっと、受けの仕事のことが個人的には残念でした。
2007/09/01(土) 05:58 | URL | mimu #-[ 編集]
この記事のトラックバックURL
http://0hz.blog112.fc2.com/tb.php/744-1c84384f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック