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恋人は不機嫌な絵本作家
遠野 春日著 / あさとえいりイラスト
リブレ出版
ビーボーイノベルズ(2007.3)


瀟洒な住宅地に建つ萩森邸に、家政婦として派遣された淑真。彼を出迎えたのは、一分の隙もない服装に恐ろしく不機嫌そうな顔をした主の延行だった。
印象に残るような端正な容貌を持ちながら、無愛想で威圧的な延行の雰囲気に圧倒されていた淑真だったが、不器用そうな彼の視線に出逢うたびに、熱く疼く気持ちを抱いてしまい…!?
萩森延行(はぎもりのぶゆき・27歳)×市木淑真(いちきよしまさ・25歳)
絵本作家×派遣家政婦
「恋人は不機嫌な絵本作家」雑誌掲載
「絵本作家の嫉妬(ジェラシー)」書き下ろしの二編。

リストラで無職になった淑真は、家事好きを生かして急場凌ぎに家政婦派遣会社に登録します。
仕事がもらえて家を訪ねてみると、現われたのが仏頂面の延行。どうやら延行本人が依頼したわけではないようなんですが、事態を察した延行が家に上げてくれ、週二回の家事の仕事をすることになります。

延行は、快楽主義で来るもの拒まずという節操なし。親の再婚で戸籍上兄弟となった弟の主税(ちから)に誘われて肉体関係を持っています。家政婦派遣は、延行のだらしなさを心配した主税が頼んだものでしたが、現われたのが若い男と知って、主税は初対面から淑真に敵意をむき出しにします。
延行は別に主税に特別な感情を抱いているわけではありません。断るのがメンドクサイから受け入れているといった感じ。
甘やかされたお坊ちゃまで小悪魔のような主税とは違い、淑真の品のある顔立ちは延行の好み。素直で表情がクルクル変わり、イキイキと仕事をする淑真を見て、仏頂面なため外には出ませんが、初対面から我知らず延行は淑真に好印象を抱き、やがて惹かれていきます。そして最初は無愛想で怖いと思った延行が、ただ口下手で不器用なだけだと知った淑真も、言葉はなくとも一緒に過ごす日々に暖かいものを感じて、恋心を抱くようになります。

しかし、薄々とそんな気配を感じ取った主税が黙っているはずはなく、「延行は迷惑している」と嘘を吹き込まれた淑真は家政婦を辞めてしまい・・・というのが雑誌掲載分で、読み始めてすぐ雑誌で読んでたのを思い出しました。

書き下ろし「絵本作家の嫉妬」は、淑真に横恋慕するお邪魔虫登場?と思わせておいて、じつはこっちが当て馬になっているのでした(笑)。延行が嫉妬に狂って二人は大喧嘩…にはなりませんが、恋人がいかにも派手目で社交的なライバルにこれ見よがしに構われていたら、そりゃ気になりますよね。顔には出さないけど独占欲だらけな延行が可愛らしい。
お騒がせのカップルには、いったい何があったんでしょうか? ラストには丸く収まったみたいでしたが経緯が気になりますね。リンク作ありですか。
それから、ホントに小憎らしい(笑)主税もこのままほおっておかれるタイプではなさそうです。
今後いろいろ広がっていくかもしれませんね。

遠野さんには珍しい、受けが元気系の普通の青年でした。
主税にイジワル言われて可哀相だけど、両方の視点で書かれているので、延行の気持ちはきちんとわかり、ハラハラしないで安心して読めました。
甘いお話でした。
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