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チョコレートのように


「死ぬくらいならそのカラダ、俺によこせ」
橋の上で、エリート・京一を引きとめた男。不遜で強引な梶本は、キスもしらない京一に溺れるような快楽を教えた。男の熱い指や舌に溶かされていく体。反発しながらも彼に引かれ…。
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軽い感じで、大変面白く読みました。
信頼していた同僚・永瀬に裏切られた京一と、永瀬に恋人(男)を取られた梶本が、「永瀬に復讐し、恋人を取り返す」ために手を組みます。
京一が永瀬を誘惑し、夢中にさせたあとで手ひどく振る。京一も溜飲が下がるし、梶本も恋人を取り戻せる…というわけなのですが、京一は冴えないし、やぼったいし、男を誘惑することなんてとてもじゃないけどできそうにない。
そこで梶本が男を虜にするためのいろんなことを伝授するのですが、梶本の強引さに京一は反発します。
この梶本は、態度はエラソーだし、強引だし、失礼なことも平気でいうし、それこそ猛禽みたいな男っぽいキャラですが、京一の反発には冷たいことを言っても、京一が傷ついて泣いている時は、子供をあやすように背中をいつまでも撫で擦ってくれたりする、実は大変優しい男です。金様のイラストの梶本は双眸鋭い男臭いイラストなのですが、この梶本が、下戸で甘いものが大好きでいつもマーブルチョコを携帯している…というのには、そのギャップが可笑しくて、凄く可愛く見えました。それだけじゃなく、梶本は結構可愛げのある男なんですね。
男臭いだけのキャラは苦手ですが、こういうのは大好き。そういえば同じひちわゆかさんの「最悪」の攻めも可愛げなある男臭いキャラでしたっけ。
それは兎も角、傷ついた京一が、梶本に反発しながらも、だんだんと変わっていく様子が、良かったですね。今まで仕事場では煙たい存在であったのが、外見が変わり、人の見た印象も変わって、悩みながらでも少しずつ余裕が生まれ、自分自身も変わっていく。やがて永瀬への復讐などどうでも良くなるのに比例して、自分の中で梶本の存在が大きくなっていく。けれど元々二人が手を組んだのは、永瀬への復讐だけでなく、梶本の恋人を取り戻す目的もあったわけですから、京一は梶本のために、自分の気持ちを隠して「永瀬と寝る」と梶本に伝えます。すると、いろんな裏が明らかに!(笑)
梶本は、イケナイ策士だったわけですが、この辺の展開は読んでる途中から、なんとなく見当がつきますね。でもそんなお約束のような展開でも、それだからこそ安定感があるというか、そのあとは安心して、展開に身を委ねられます。
京一にとっては驚くような梶本の真実が明らかになるのですが、硝子窓越しに携帯で話をするシーンは面白いし、萌えでした。

めでたしめでたしで、ホントに嫌なやつの悪人永瀬も、最後はちゃんと然るべき処遇になってるし。
正義は勝つってやつですか。まるで水戸黄門みたいな、すっきり感。

表題作以外に、「ギルティ」も収録されています。名作・・・とのことですが、すみません、私はこちらは駄目でした。
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