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囚われた欲望


いつになったら、この行為から解放されるのだろう。岩城誠は年下の高校生・熊川憲二に、毎晩のように抱かれていた。愛ではなく贖罪として・・・。ある日突然バイト先に現れた憲二―昔、誠に恋して死んだ級友にそっくりな彼は、実はその弟だったのだ。「兄貴への償いがしたいなら俺に抱かせろ」けれど体を重ねるごとに、なぜか憲二の瞳は苦しげになってゆき?!
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超有名大型古本屋で105円だったのと、イラストで買ってみました。あらすじを読んでもわかるように、内容はよくある感じで結末も想像どおりです。ですが亡くなった級友の真実がわかるまでがちょっと辛いです。誠がバイト先の喫茶店のマスターに過去のことや憲二のことを打ち明ける場面では、ちょっとウルウルしてしまいました。
誠視点で書かれていますが、とても丁寧に書いてあると思います。誠、亡くなった級友、憲二のそれぞれの苦しみもよくわかりますし。
全体的に「雨」が印象的に使われています。「彼は傘をもっているだろうか」という締めが2度使われていた(と思う)んですが、旨いなあと思いました。最後は青空で締められていて、これからの二人を暗示するような終わりも良かったし。全体的には暗くて重いお話だと思いますが、救われるっていうか。
ただ級友の熊川のキャラがちょっと掴みにくかったですね。頭がよく容姿もよく、性格もよくて人気もあり親や近所の評判も文句なし。非の打ち所のない彼を、彼の弟である憲二は「ただのかっこつけの臆病者」と、非情で冷たい人間のように言う。それが大好きだった兄に省みられなかったことへの寂しさからだということはだんだんとわかってくるのですが、そのへんがあとの方までわかりにくいんです。誠を強姦してしまったことに対して、熊川は本当に悔いていたのかいないのか。憲二のいう熊川像とそれ以外の熊川像には相容れないところがあって、いったいどういう人なのかよくわからないんです。最後の方になると熊川の日記や憲二の心情も語られるので、彼も悩んでいたということがわかるのですが。
それと。
強姦というかたちで熊川兄、脅しで熊川弟(憲二)と関係をもってしまう誠ですが、彼はもともと男に対してそういう気持ちのない人なので、ものすごくショックを受けて傷ついて、吐き気をもよおすほどそういうことに嫌悪を感じているわけです。
BLの場合、相手が男であることに特にこだわっていないならいいのですが、男同士であることを作品の中で問題にしてる場合、それを乗り越える過程には、個人的に、ものすごく納得させられる理由がないと、不満が残ります。
男同士という以外にもたとえばレイプで無理矢理関係を持たされた場合や何度も強要されている場合もそうなんですが。
誠は最初は強姦、次は脅しで関係を持っています。傷つき方は半端じゃありません。不能になってしまっているくらいですし。それが憲二に心を開いていくのなら、相当の理由がないと納得できません(笑)。
その点残念ながら、完全に納得できたとは言えませんでした。
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