![]() | こんな、せつない嘘 松幸かほ著 / 実相寺紫子イラスト ワンツーマガジン社 アルルノベルス2006-09-22 by G-Tools |
天涯孤独の安藤夏は双子のようにそっくりな親友・一条寺拓実の身代わりとして、拓実の異母兄で一条寺財閥後継者・恭一と同居することに。高校時代の夏休みに一度だけ会った恭一を思い続けていた夏は「拓実としてでもいいから一目会いたい」と胸を高鳴らせていた。
しかし一条寺邸に着いた夏を待っていたのは、端麗な容姿に侮蔑を浮かべる恭一で……。
そして夏は力ずくで押し倒され恭一に無垢な身体を陵辱されてしまう。
「拓実」への憎しみを叩きつけるように執拗な愛撫に夏は――!?
しかし一条寺邸に着いた夏を待っていたのは、端麗な容姿に侮蔑を浮かべる恭一で……。
そして夏は力ずくで押し倒され恭一に無垢な身体を陵辱されてしまう。
「拓実」への憎しみを叩きつけるように執拗な愛撫に夏は――!?
一条寺恭一(いちじょうじきょういち・31歳)×安藤夏(あんどうなつ・25歳くらい)
財閥後継者×手描き友禅職人
今気づいたんですけど、受けの名前「あんどうなつ」って…また美味しそうな名前だったんですね(笑)
京都で友禅職人として仕事をする夏と、高校、そして美大時代の親友で東京で画家をしている一条寺拓実(いちじょうじたくみ)は、全く血の繋がりがないのに、その容姿は双子のようにそっくり。
学生時代はそれで友人たちを騙して楽しんだりしていましたが、ある日拓実からの電話で、拓実のふりをして彼の異母兄・恭一と期間限定で一緒に暮らして欲しいと頼まれます。
一条寺の妾腹である拓実は、父には分け隔てなく可愛がられていました。しかしその父が癌になり、自分の死後の拓実を案じた父が、少しでも拓実が一条寺家に馴染むように・・・と考え、拓実に恭一との同居を提案してきたのです。
しかし拓実は大事な個展を控えていて、そんな環境で過ごしたくない。そこで、夏に身代わりを…ということなのです。
夏は恭一とはほとんど会ったこともないので疑われる心配はありません。
高校時代、拓実に誘われて遊びに行った一条寺家の別荘で、偶然に一度だけ恭一に会っていて、その時にかけられた言葉が忘れられず、夏は恭一に会いたいという気持ちが募り、身代わりを引き受けます。
ところが一条寺家を訪れたその夜、遅く帰った恭一の部屋へ挨拶に訪ねた夏は、「拓実」への憎しみをぶつけられ、侮蔑され、強姦されてしまいます。
「拓実」ではないのに、拓実の代わりに恭一の憎しみを受け、しかし何も言えない状況も切ないものです。
でも、健気で控えめで心優しい夏に、恭一は“弟”と知りながら惹かれていき、やがて、心が通じ合うようになる二人。
しかし、嘘をついて恭一を騙していることが辛くてしかたがない夏。もともと同居は期間限定で、家を出て行かなければならないし、最悪、「嘘」もバレる。
なのに恭一からは、ずっと一緒に住みたいと言われ、夏は嬉しいのに受け入れられない。
そして恭一を騙していることに耐えられなくなり、夏は謝罪の手紙を書いて家を出ようとするんですが、その前に、恭一が本物の拓実に会い、嘘がばれてしまいます。
激怒する恭一。
家から叩き出された夏は、ひとり京都へ帰るのですが…。
優しく健気な夏と、初めこそ暴力的ですが本当は真っ直ぐな恭一に好感が持てるし、なかなか似合いの2人だと思いました。
状況は切ないですけど、執事の遠野(とおの)がいい人で夏に優しくしてくれるし、可愛い仔猫もでてきて、切ないなかにも何となく癒し系な感じがします。妾の子が陰湿ないじめを受け…というやつではないんですよね。そこがよかったと思う。
視点は夏が中心ですが、時々恭一に代わります。恭一が考えてることもわかるので安心して読めた。
執事の遠野は恭一とは幼馴染で、恭一より3つ上の34歳。若い、これまたいい男な執事さんです。普段はもちろん敬語ですが、恭一が夏の嘘にショックを受けクサッてる(笑)時に、まるで兄のように恭一を叱りつけました。これがカッコ良くてですね~。
恭一は、確かに父の愛人の子に対して嫌悪を持っていましたが、それは普通の感情だし、夏の性格に惹かれて恋をしていると認めてからは、ストレートだし正直です。直情型だけどいいひと。
執事の遠野は、そんな恭一に仕えながらも、兄のように叱るときちゃんと叱り、恭一もそれを受け入れる。
まるで兄と弟のようで、この2人の関係がちょっと萌えでしたね。
で、この遠野と、夏に身代わりをしてもらった拓実のお話が、最近出た「こんな、はかない恋。」です。別題「こんな、あくどい執事。」だそうで(笑)
そっちを読む前にこっちもちゃんと読んでおこうと思って読みました。
「こんな、はかない恋。」の感想は明日書きます。
財閥後継者×手描き友禅職人
今気づいたんですけど、受けの名前「あんどうなつ」って…また美味しそうな名前だったんですね(笑)
京都で友禅職人として仕事をする夏と、高校、そして美大時代の親友で東京で画家をしている一条寺拓実(いちじょうじたくみ)は、全く血の繋がりがないのに、その容姿は双子のようにそっくり。
学生時代はそれで友人たちを騙して楽しんだりしていましたが、ある日拓実からの電話で、拓実のふりをして彼の異母兄・恭一と期間限定で一緒に暮らして欲しいと頼まれます。
一条寺の妾腹である拓実は、父には分け隔てなく可愛がられていました。しかしその父が癌になり、自分の死後の拓実を案じた父が、少しでも拓実が一条寺家に馴染むように・・・と考え、拓実に恭一との同居を提案してきたのです。
しかし拓実は大事な個展を控えていて、そんな環境で過ごしたくない。そこで、夏に身代わりを…ということなのです。
夏は恭一とはほとんど会ったこともないので疑われる心配はありません。
高校時代、拓実に誘われて遊びに行った一条寺家の別荘で、偶然に一度だけ恭一に会っていて、その時にかけられた言葉が忘れられず、夏は恭一に会いたいという気持ちが募り、身代わりを引き受けます。
ところが一条寺家を訪れたその夜、遅く帰った恭一の部屋へ挨拶に訪ねた夏は、「拓実」への憎しみをぶつけられ、侮蔑され、強姦されてしまいます。
「拓実」ではないのに、拓実の代わりに恭一の憎しみを受け、しかし何も言えない状況も切ないものです。
でも、健気で控えめで心優しい夏に、恭一は“弟”と知りながら惹かれていき、やがて、心が通じ合うようになる二人。
しかし、嘘をついて恭一を騙していることが辛くてしかたがない夏。もともと同居は期間限定で、家を出て行かなければならないし、最悪、「嘘」もバレる。
なのに恭一からは、ずっと一緒に住みたいと言われ、夏は嬉しいのに受け入れられない。
そして恭一を騙していることに耐えられなくなり、夏は謝罪の手紙を書いて家を出ようとするんですが、その前に、恭一が本物の拓実に会い、嘘がばれてしまいます。
激怒する恭一。
家から叩き出された夏は、ひとり京都へ帰るのですが…。
優しく健気な夏と、初めこそ暴力的ですが本当は真っ直ぐな恭一に好感が持てるし、なかなか似合いの2人だと思いました。
状況は切ないですけど、執事の遠野(とおの)がいい人で夏に優しくしてくれるし、可愛い仔猫もでてきて、切ないなかにも何となく癒し系な感じがします。妾の子が陰湿ないじめを受け…というやつではないんですよね。そこがよかったと思う。
視点は夏が中心ですが、時々恭一に代わります。恭一が考えてることもわかるので安心して読めた。
執事の遠野は恭一とは幼馴染で、恭一より3つ上の34歳。若い、これまたいい男な執事さんです。普段はもちろん敬語ですが、恭一が夏の嘘にショックを受けクサッてる(笑)時に、まるで兄のように恭一を叱りつけました。これがカッコ良くてですね~。
恭一は、確かに父の愛人の子に対して嫌悪を持っていましたが、それは普通の感情だし、夏の性格に惹かれて恋をしていると認めてからは、ストレートだし正直です。直情型だけどいいひと。
執事の遠野は、そんな恭一に仕えながらも、兄のように叱るときちゃんと叱り、恭一もそれを受け入れる。
まるで兄と弟のようで、この2人の関係がちょっと萌えでしたね。
で、この遠野と、夏に身代わりをしてもらった拓実のお話が、最近出た「こんな、はかない恋。」です。別題「こんな、あくどい執事。」だそうで(笑)
そっちを読む前にこっちもちゃんと読んでおこうと思って読みました。
「こんな、はかない恋。」の感想は明日書きます。
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