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いとしさを追いかける
杉原 理生著 / 麻々原絵理衣イラスト
幻冬舎コミックス
ルチル文庫(2007.3)


進学のために上京した杜国が、最初に電話したのは高校の先輩・掛井だった。
杜国は高校時代、ある目的で掛井に近づき、そして傷つけてしまった。それ以来連絡せず、1年ぶりの突然の電話で「テレビの配線わかります?」と言った杜国に、掛井は高校時代と同じように優しくて……。
掛井貴彦(かけいたかひこ)×杜国弥浩(もりくにやひろ)
大学二年生×大学一年生、高校の元先輩後輩同士。
「テレビの夜」小説b-BOY掲載を加筆修正
「いとしさを追いかける」書き下ろしの二編。


掛井(攻)の父が、杜国(受)の母のパトロンという複雑な関係が二人の間にはありました。
高校入学時、同じ高校に母の愛人の息子・掛井貴彦がいると知った杜国は、掛井に興味本位で近づいていきます。
何も知らずにいる掛井に杜国は甘えて懐き、掛井は優しく可愛がってくれて、杜国は奇妙な優越感と劣等感を同時に抱いていました。
そんな時、掛井の友人から、掛井がゲイであること、杜国のことが好きだということを聞かされます。

初めは悪趣味な興味以外の何ものでもなかったのに、掛井に優しくされるうちに杜国も掛井を慕うようになっていました。しかし、母と掛井の父の関係を知られてしまえば、掛井は失望し怒り、自分を嫌悪するに違いありません。
掛井が全てを知る前に、掛井に好きだと言わせて掛井を失わずにすむようにしたい。しかし、実際に掛井の告白を聞くと、杜国は罪悪感でいっぱいになります。そしてそこへ母と掛井の父が現れ、真実が掛井に知られてしまうのです。
全てを知っていて掛井に近づいたと打ち明けた杜国は、「おまえの顔は見たくない」と掛井に言われてしまいます。

しかし、母が亡くなり、大学進学を機に杜国は掛井を追って東京の大学に進学します。
掛井の住むマンションを調べ、歩いて5分のところに住み…。
テレビの配線が自分でできずに思わず掛井に連絡してしまった杜国に、掛井は何も問わずにまた優しく接してくれるようになります。

罪悪感や、もう一度掛井を取り戻したいという思いや、掛井が何を考えているかわからない不安で杜国の中はグチャグチャで、切なさはもちろん、ズルさも臆病さも隠すことなく繊細に書かれていました。
掛井の友人が杜国のしたことを責めるのは当たり前で、確かに杜国の行動は褒められたものではないんだけど、そういう負の部分も含めて、どこにでもいる普通の人の感覚で、結構リアルだと思います。人を好きになったら、実際そんな奇麗事ばかりではいられないですもんね。

書き下ろしは恋人になった二人ですが、今度は掛井に嫌われたら、掛井を失ったらと考えて素直に振舞えなくなってしまい、ギクシャクしてしまう杜国のお話です。
掛井が一途に杜国を想っていたと知る掛井の友人にも杜国のしたことはバレていて、「性悪」と言われてしまい、罪悪感に襲われ、掛井は自分のどこが好きなんだろうと、自分を信じられなくなってしまいます。

しかし、掛井は杜国が何をしようと何を言おうと、ただただ杜国が好きなんですね。この人凄いと思う(笑) 全てを許して、受け入れ、煮詰まっている杜国を待つこともできる。
掛井の話し方がちょっと独特な話し方なんですよね。どうって説明するのは難しいんですけど。言葉尻とかが優しくて、女々しいわけじゃないんだけど、すごく柔らかい話し方。態度も概ねそんな雰囲気で、実は裏で何かたくらんでる?とか疑ったりしましたが、掛井はまんま「優しい人」でした(笑)
ホントに杜国にメロメロなんだなぁ・・・。

視点が杜国側なので、掛井側だったら凄く切ない話になってたかもしれないです。振り回され続けてましたもんね。それでも、どこまでも懐深いんだよね。
掛井が怒らない代わりに、掛井の二人の友人が杜国にビシバシきつく突っ込んでますので、結構すっきりしました(笑) 
これからは掛井を大事にしてあげて欲しいな。
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