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4576071882老舗旅館に嫁に来い!
小林典雅著 / 藤井咲耶イラスト
二見書房
シャレードパール文庫2007-10

by G-Tools

日本に留学中のアメリカ人のジューナは、旅行代理店に勤める柊一郎と将来を誓い合った恋人同士。しかし突如柊一郎が実家の老舗旅館を継ぐことになり、さらには親同士が決めた許婚まで登場する始末。
突然の事態に困惑するジューナだったが、愛する柊一郎のため妻の座をかけ女将修行をすることに。日本の伝統としきたりに悪戦苦闘しながらも、板長や柊一郎の支えにより奮闘するジューナ。
だが、頭の固い柊一郎の父から恋人同士の営みを禁止されたことにより、ささいな誤解が2人に破局の危機をもたらして……!?
若旦那と金髪美青年の国境を越えた愛に老舗旅館の未来が託される!!
蔦野柊一郎(つたのしゅういちろう・27歳)×ジューナ・アヴリー(24歳)

小林典雅さんて、文庫これで二冊目なんですね。
三年の潜伏期間を経て・・・ということですが、雑誌では拝見してたように思うのに。そちらは文庫化されないんでしょうか。

一冊目のシャレード文庫から出た「棒投げ橋で待ってて」は、庶民の暮らしを知らないお坊ちゃまがやらかす外れた言動が、小林さんの軽快でユーモラスな文章とともに大変面白くてお薦めですが、今回のお話も、老舗旅館で金髪碧眼の美青年が起こすズレた言動が笑える・・・と似た趣向でしたね。
語り口の面白さは健在です。
しかし正直に言いますと、面白さでは「棒投げ橋で待ってて」の方が上だったと思いましたですが…。

柊一郎とシューナは、初めから恋人同士として登場します。
旅行代理店で働く柊一郎が、ジューナの個人旅行を扱ったのが縁で、2人は恋人同士となりました。
しかし、ジューナが夏休みでアメリカに帰っている間に、柊一郎の母と祖母が交通事故に遭い、母は亡くなり祖母は大怪我をして、柊一郎は実家の老舗旅館に帰らなければならなくなってしまいます。
柊一郎からのメールで事態を知ったジューナも、柊一郎を慰めようとアメリカから戻り、旅館を訪ねてきますが、柊一郎の『友人』として滞在するはずが、予期せぬ『女将候補』、つまり親が勝手に決めた柊一郎の許婚の出現で、柊一郎の父や弟の前で「恋人宣言」。そして、若女将に「立候補」してしまいます。

その後は柊一郎の父・龍一郎(りゅういちろう)にイジメ(実際は違います)を受けながらも、老舗旅館の若女将修行に奮闘するジューナの“細腕繁盛記”となります。女将になったわけではないんですが。
厳しい龍一郎に時には涙を零しながらも、一生懸命仕事や習慣、もてなしや心を学ぼうとするジューナ。板長や、柊一郎の弟などもジューナを支えます。
龍一郎も、厳しい頑固親父ではありますが頭は固くても芯から冷淡なわけではなく、柊一郎の許婚・麻衣子(まいこ)もサバサバした気風のいいフェアな女性で、単に女将になりたいだけで柊一郎に恋してるわけではないので、悪役というわけではありません。
そこかしこに情や暖かさが漂ってました。

しかし、肝心な柊一郎は……。
ちょっと頼りなくない?(笑)
恋愛面でのあれこれはお話ではあんまり目立ってないように思います。全然ないわけではないですが、メインはやはりジューナの頑張り。
柊一郎はいいヤツですが、龍一郎との間に立って、もうちょっと代わりに言ってやってもいいような気がしましたが……。周りが強すぎるのか、庇う気はあっても最後までちゃんと言えないんですよね。歯がゆい…。
個性的な面々の中では、ちょっと弱気な男に見えてしまった。

夏休みが終わり、ジューナの修行が身を結ばないままにラストとなってしまったのもちょっと物足りなかったです。「嫁に来い!」ってんですから、嫁に行くまで読みたかったですね。
シャレードパール文庫創刊記念の小冊子がもらえたそうですが、もらってないの…。くすん。どんなお話だったのかな?
それはともかく、こんなに間を置かないで、小林さんがもっと『本』になって読めるといいなと思います。
コメント
この記事へのコメント
こんにちは
またまたお邪魔いたします。小冊子ついてなかったですか。私が買ったお店では挟み込んでありましたよ。こないだのダリア文庫の時と逆ですね(笑)まだまだ配布してるお店もありますし、同時刊行のパール文庫と合同ですからまだ入手可能ではないでしょうか?ちなみに内容は本編では余韻をもって終わった特別室の夜の続きです。
2007/10/24(水) 18:52 | URL | かりんこ #-[ 編集]
こんばんは!mimuさん。
コメント連投で失礼します~。
私は近所の書店に小林さんの作品だけ無かったので、仕方なく都会の大型書店に出向いたら小冊子がついてきました(笑)。
こういう情報は、出来れば事前に告知して欲しいトコロですよね。

この作品は、本当にボーイズラブというよりは奮闘記でしたよね(笑)。
まあ、私はコレはコレで楽しめた口ですが、ロマンスを期待すると当てが外れるかもしれませんね。
いや、でも小林典雅さんにロマンスなんて誰も期待していないかな?
雑誌掲載分のストックが、少なくとも私が知る限り2.5本はあったハズなので、そちらもいずれ文庫になって欲しいですよね。
ではっ!
2007/10/24(水) 22:54 | URL | tatsuki #1AqkR7Yg[ 編集]
それでも目が離せない・・・
おっ! 同時掲載になりましたね。
小林典雅はBL作家になってどうしようっていうんだろうか?っていうくらい方向性が間違ってますよね。
でもこういう人が一人いると楽しい・・・。
私も小冊子はもらえませんでしたが「夜の続き」だったんですね?

2007/10/24(水) 23:10 | URL | ゆきのこ #KD5XUSzs[ 編集]
>かりんこさん
こんにちは~!
小冊子、本に挟んであったんですか!
ホント、この前と逆ですね(笑)
聞いた所によると、他作品と同時掲載の小冊子なんで、他本でももらえるらしいですね。

内容教えてくれてありがとうございます。
ふむふむ、特別室の続きなのですね?
近所の本屋で他の本を買って聞いてみようかしら…。
いやいや、買う前に聞くべきかも、ですね(笑)
2007/10/25(木) 08:32 | URL | mimu #-[ 編集]
>tatsukiさん
こちらにもありがとうございます~!
近所の書店では、この『小冊子』なるもの、ほとんど入手できません。
案内のPOPも立ってないし、今回も買ってから気づいたんですよ。
事前情報がないと、まず偶然でしか手元にはきませんです。

内容ですが、こういうベタな展開でも、面白いですし、小林さんの文章力やユーモアが笑わせてくれるので、非常に楽しめました。
確かにロマンスはアレですが…(笑)

雑誌掲載分ありますよね。
切に文庫化を願います。
2007/10/25(木) 08:40 | URL | mimu #-[ 編集]
>ゆきのこさん
こんにちは!
おっ、ホントだ、一緒ですね(笑)

一応「愛」も「H」もあるのに、主題は“細腕繁盛記”だと私も思います。
でも小林さんに期待してたのは、自分でもこの“笑い”だという気がするので……この人はこれでいいですよね(笑)

ゆきのこさんも小冊子ありませんでしたか。
……この『小冊子』なるもの。
クセモノですよねぇ。
2007/10/25(木) 08:45 | URL | mimu #-[ 編集]
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予定より遅くなってしまいましたが、とっても楽しみにしていた小林典雅さんの新刊を紹介します。文庫化が3年ぶりだそうですが、私がその作品を読んだのは去年だったので久々な感は...
2007/10/24(水) 22:35:02 | la aqua vita