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4403521711夢は廃墟をかけめぐる☆
渡海奈穂著 / 依田沙江美イラスト
新書館
ディアプラス文庫2007-10

by G-Tools

撮影に訪れた廃墟の島で、カメラマンの伊原木は一人の男と出会う。周囲の景色に無理なく馴染む様子に、伊原木は理想の“は廃墟の精”を見出した。その彼と町中で再会する。妖精の正体は三島要、妻に離婚され会社からも不当解雇され、人生を捨てかけている元エリートサラリーマンだった。
行き場のない三島を伊原木が連れ帰り共に暮らすうち、自由な伊原木に影響を受け三島も変わり始める――。
伊原木一保(いばらぎかずほ・28歳)×三島要(みしまかなめ・35歳)
フリーカメラマン×元エリートサラリーマン、現在は無職
「夢は廃墟をかけめぐる☆」
「夢は廃墟に運ばれて☆」の二編。

廃墟好きのカメラマン・伊原木は、無人島の元炭鉱の町に廃墟を撮影に来て、三島と出会います。廃墟にあまりに馴染むその姿に、伊原木は三島をまさに“廃墟の妖精”だとビックリ。
話かける伊原木に三島はそっけないのですが、そんな中、三島は倒れて意識を失ってしまいます。
伊原木は病院に三島を運びますが、目覚めた三島は逃亡。
その後、偶然にも、伊原木の住むボロアパートの隣にあるこれまたボロホテルに三島がいて、二人は再会します。どんな偶然だ。

その後、伊原木は三島を自分のアパートに同居させます。
伊原木の方は、くたびれたオッサンを“妖精さん”と言うくらいですから、最初から実は目がくらんでます。三島の方はというと、伊原木は“お節介なヘンなやつ”くらいなのですが、一緒に暮らすうちに・・・というお約束の展開です。

くたびれたオッサン……と書きましたが、実は三島は35とはいえオッサンというイメージとはかけ離れています。確かに出会ったときにはくたびれていましたが。
というか、依田さんのイラスト、35にはとてもじゃないですが見えません。

三島は、学生時代は勉強優先、いい大学に入りいい会社に就職して、同族経営の会社で上司の娘を嫁にしたものの、仕事に没頭しすぎて離婚。同族系なので、それによって会社も首になり、何もかも失くして自棄になって無人島にやってきました。
自分が正しいと信じた道、順調だと思われたレールから脱落してしまった三島は、茫然自失、気力の全てを失くしています。
そこに現れ、執拗に自分を構おうとする伊原木は、三島がそれまで正しいとしていたレールからは尽く逸脱し、自分の好きな廃墟を撮ることを仕事にしている自由人。
いろんなものを失くしてグルグルしている三島を、年下の伊原木が飄々と受け止めていきます。
初めは伊原木の、初対面から馴れ馴れしいところや、三島の無礼な態度があまり好きになれませんでしたが、一緒に暮らしたあたりから、いろんなことがわかってきて馴染んできました。

お話には、廃墟オタクの伊原木の他に、鉄道オタクや特撮オタク等の人たちが登場します。
高価な家、服、車、それらを手に入れることに意味があり、それを持つ自分に価値があると思っていた三島に対して、自分の好きなことが一番で、それ以外のものには価値を見出さないオタクの世界はいわば異世界。
それまで馴染みのなかった価値観の中で、少しずつ変わっていく三島。
伊原木も、世話好きで懐深い男のように見えて、実は自分の好きな世界以外のことに興味が持てず、人付き合いが上手くできないという一面を持っています。伊原木の言動を見ると意外ですが、彼が廃墟以外に初めて執着したのが三島なんですね。
三島と暮らすようになって、「楽しそうだ」と周りの人に言われるようになる伊原木。相変わらず三島以外の人には人見知りが発動するのですが、「人といて楽しい」という思いは、やはり本人の表情を変え、雰囲気を変えると思いますもんね。

朽ちかけた洋館を三島が買い取り、そこにオタクの溜まり場の喫茶店「判茶夢(なんと読むかわかりません)」、三島と伊原木の住まいと伊原木のスタジオが引っ越して、それでもあまった部屋を下宿にして、夢の廃墟パラダイス。楽しそうだ。
あとがきを読むと「おっさん受け」と書いてありますが、ホントの「おっさん」を期待すると外します。喋り方はエリートリーマン風に偉そうですが、35歳(最終的には37歳くらいになってると思われる)の妖精ですから。見た目も綺麗で、ツンデレさん。
結構いい年のカップルなのに、なんだか可愛らしく微笑ましい2人でした。



《拍手お返事》

>kz さん
やはりそれでいいんでしょうか。
ルビがないような気がして確信できなくて。
ありがとうございました!
コメント
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!

何だか、可笑しなお話ですね(笑)
オタクな人たちが登場するのですか?最後は、夢の廃墟パラダイス?!何だかとっても楽しそうなラストではないですか?
オヤジ年齢の二人ですが、可愛いのですね?なら、私でもOKかな?
2007/11/02(金) 04:13 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
>水月さん
こんにちは~!

廃墟オタクの他に、廃線オタクとか特撮オタクとかあと軍オタク?なんだかよくわかりませんが、男性の、濃いオタクの方々なので、ちょっと怖そうな気もしますけどね(笑)
でも下宿となる洋館が、なんだか凄く居心地が良さそうです。

年齢はオヤジでも全然オヤジの香りはしないので、水月さんにもそういう面での抵抗はないと思いますよ~。

結構真面目なお話ですよ(笑)
2007/11/02(金) 06:29 | URL | mimu #-[ 編集]
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