![]() | 花嫁は貴族の愛に奪われる 遠野春日著 / 北畠あけ乃イラスト 大洋図書 SHYノベルズ2007-10-26 by G-Tools |
倉光子爵の庶子として生まれた伊深彩人は、避暑に訪れていた別荘の窓越しにひとりの美しい男と出逢った。
言葉もなく、窓越しのみつめあったふたり。それが運命を狂わせることになるなど、そのときの彩人には知る由もなく――。
夏も終わったある日、彩人は父である倉光子爵の命令により、興津伯爵家の次男・孝雅の婚約者のふりをすることになる。
男の身である自分をなぜ孝雅は婚約者として扱うのか?
疑問に思いつつも、ひとときのことと覚悟した彩人だが、真意のわからない孝雅に惹かれながらも翻弄されて……。
言葉もなく、窓越しのみつめあったふたり。それが運命を狂わせることになるなど、そのときの彩人には知る由もなく――。
夏も終わったある日、彩人は父である倉光子爵の命令により、興津伯爵家の次男・孝雅の婚約者のふりをすることになる。
男の身である自分をなぜ孝雅は婚約者として扱うのか?
疑問に思いつつも、ひとときのことと覚悟した彩人だが、真意のわからない孝雅に惹かれながらも翻弄されて……。
興津孝雅(こうづたかまさ・25歳)×伊深彩人(いぶかあやと・16歳)
遠野さんの『貴族シリーズ』です。
もう十冊以上出ているようですが、全然読んだことありません(汗)
今回は北畠さんのイラストにどうしようもなく惹かれてしまったので購入しました。
お話は単純。
時代は明治後半か大正くらいでしょうか?
伯爵家の美貌の次男・孝雅は、避暑に訪れた場所でとある別荘の窓辺に佇む“美女”にひと目ぼれ。しかし、彼女の情報を集めると、実は“美女”は“男”で、ある困窮する子爵の庶子であることが判明します。
しかし、彼に惚れこんでしまった孝雅は、どうしても彼が欲しくてたまりません。「何が何でも自分のものにする」と決意し、なりふりかまわぬ情熱を発揮するというストーリー。
困窮する子爵に援助するかわりに片棒を担がせ、彩人の戸籍を“女”に改ざんし、見た目も女性に仕立て上げて、自分の花嫁にしてしまうのです。
しかし、これは孝雅から見た側のことで、お話は彩人視点で進みますので、何にも知らない彩人は、戸惑い困惑し、翻弄されます。しかし、やはり別荘での出会い(言葉も交わさない、目が合うだけ)で、彩人も孝雅に惹かれていますから、人生ひっくり返っても、孝雅がそばにいると思えばなんか安心。気持ちのベクトルはお互いに向いているのがわかりますし、嫌々ながら無理矢理陵辱される身代わり花嫁・・・という感じではないのですね。
あとがきで遠野さんが仰っていますが「とにかく攻めが受けに最初からめちゃくちゃに惚れている」という話ですので、孝雅の愛故の反則技とも言える大掛かりな仕掛けに、そこまでやるかと思うのと同時に、読んでいる身としては、ちょっと可笑しくもありました。
孝雅は「喋り方が不親切で誤解を生みやすく、何を考えているのかこちらに察せさせない取り澄ました人。対人面に関してはすこぶる不器用」。そんな人が大真面目に、一人の人間を手に入れるためにやってるんだなぁ、ホントに好きなんだなぁと思うと、可愛らしいではないですか。
彩人も、性格的には大人しく慎ましやかで従順なので、逆らったり言い返したり本音を明かすことはまずありません。相手の真意がわからない2人が遠回りするのさえ、微笑ましく可愛らしい。
慎み深い彩人が、戸惑いながらも孝雅の命令(?)に「はい」と答えるのが、ツボだったりしました。強制されているようで、実は強制ではないのですね。ぶきっちょだな~、孝雅、もっと優しく言ってやれよ~とか、このジレジレした2人が萌えでしたね。
こういう時代ものが好きなせいもあるし、『男の花嫁』がこの時代だからなのか違和感なく受け入れられたこともあって、とても楽しんで読めました。現代もので『花嫁』とつくと、まず避ける方なんですが。彩人は十二単に髪型は大垂髪(おすべらかし)、孝雅は衣冠束帯に冠、杓、浅沓で式を挙げてしまうんですよ。仰々しくて、夢みたいでしょう(笑)。
本当は男なのにそれでいいの?という思いもないわけではないですが、「男なのにそこまでしてしまうほど欲しかった」というところに孝雅の愛情の深さ重さがわかる・・・とそちら側を見るお話だと思います。
ウブでしとやかな彩人に対し、閨のレッスンをする孝雅がこれまたいやらしく(笑)、北畠さんのイラストと、性格に反してかなりスケベ、ムッツリ君なところも、「好み」でした(笑)。よく、受けが「昼は貞淑、夜は淫ら」のように言われることがありますが、攻めをそう評し、そこに色気を感じることができるのがいい。この豹変が素敵。
総じて甘くて安心して読める、古式ゆかしくどこか雅やかなお話でした。好きですね~。
ただ、彩人はお話のほとんどを女装だけでなく“女性”として振舞っておりますので、苦手な人は御注意。私も苦手ですよ。でも雰囲気で、自然に受け入れてしまいました。
遠野さんの『貴族シリーズ』です。
もう十冊以上出ているようですが、全然読んだことありません(汗)
今回は北畠さんのイラストにどうしようもなく惹かれてしまったので購入しました。
お話は単純。
時代は明治後半か大正くらいでしょうか?
伯爵家の美貌の次男・孝雅は、避暑に訪れた場所でとある別荘の窓辺に佇む“美女”にひと目ぼれ。しかし、彼女の情報を集めると、実は“美女”は“男”で、ある困窮する子爵の庶子であることが判明します。
しかし、彼に惚れこんでしまった孝雅は、どうしても彼が欲しくてたまりません。「何が何でも自分のものにする」と決意し、なりふりかまわぬ情熱を発揮するというストーリー。
困窮する子爵に援助するかわりに片棒を担がせ、彩人の戸籍を“女”に改ざんし、見た目も女性に仕立て上げて、自分の花嫁にしてしまうのです。
しかし、これは孝雅から見た側のことで、お話は彩人視点で進みますので、何にも知らない彩人は、戸惑い困惑し、翻弄されます。しかし、やはり別荘での出会い(言葉も交わさない、目が合うだけ)で、彩人も孝雅に惹かれていますから、人生ひっくり返っても、孝雅がそばにいると思えばなんか安心。気持ちのベクトルはお互いに向いているのがわかりますし、嫌々ながら無理矢理陵辱される身代わり花嫁・・・という感じではないのですね。
あとがきで遠野さんが仰っていますが「とにかく攻めが受けに最初からめちゃくちゃに惚れている」という話ですので、孝雅の愛故の反則技とも言える大掛かりな仕掛けに、そこまでやるかと思うのと同時に、読んでいる身としては、ちょっと可笑しくもありました。
孝雅は「喋り方が不親切で誤解を生みやすく、何を考えているのかこちらに察せさせない取り澄ました人。対人面に関してはすこぶる不器用」。そんな人が大真面目に、一人の人間を手に入れるためにやってるんだなぁ、ホントに好きなんだなぁと思うと、可愛らしいではないですか。
彩人も、性格的には大人しく慎ましやかで従順なので、逆らったり言い返したり本音を明かすことはまずありません。相手の真意がわからない2人が遠回りするのさえ、微笑ましく可愛らしい。
慎み深い彩人が、戸惑いながらも孝雅の命令(?)に「はい」と答えるのが、ツボだったりしました。強制されているようで、実は強制ではないのですね。ぶきっちょだな~、孝雅、もっと優しく言ってやれよ~とか、このジレジレした2人が萌えでしたね。
こういう時代ものが好きなせいもあるし、『男の花嫁』がこの時代だからなのか違和感なく受け入れられたこともあって、とても楽しんで読めました。現代もので『花嫁』とつくと、まず避ける方なんですが。彩人は十二単に髪型は大垂髪(おすべらかし)、孝雅は衣冠束帯に冠、杓、浅沓で式を挙げてしまうんですよ。仰々しくて、夢みたいでしょう(笑)。
本当は男なのにそれでいいの?という思いもないわけではないですが、「男なのにそこまでしてしまうほど欲しかった」というところに孝雅の愛情の深さ重さがわかる・・・とそちら側を見るお話だと思います。
ウブでしとやかな彩人に対し、閨のレッスンをする孝雅がこれまたいやらしく(笑)、北畠さんのイラストと、性格に反してかなりスケベ、ムッツリ君なところも、「好み」でした(笑)。よく、受けが「昼は貞淑、夜は淫ら」のように言われることがありますが、攻めをそう評し、そこに色気を感じることができるのがいい。この豹変が素敵。
総じて甘くて安心して読める、古式ゆかしくどこか雅やかなお話でした。好きですね~。
ただ、彩人はお話のほとんどを女装だけでなく“女性”として振舞っておりますので、苦手な人は御注意。私も苦手ですよ。でも雰囲気で、自然に受け入れてしまいました。
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!
遠野先生は結構、好きなのですけど・・・「貴族シリーズ」は読んでないかも・・・。そう言えば・・どうも、タイトルに「花嫁」とかつくと、それだけで敬遠してしまうのですよ。(笑)
これは、時代物だし、余計、私には受け入れられないかも(笑)
遠野先生は結構、好きなのですけど・・・「貴族シリーズ」は読んでないかも・・・。そう言えば・・どうも、タイトルに「花嫁」とかつくと、それだけで敬遠してしまうのですよ。(笑)
これは、時代物だし、余計、私には受け入れられないかも(笑)
2007/11/21(水) 04:03 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
こんにちは~!
私も「貴族シリーズ」は読んでません。
今まではあまりそそられなかったし・・・。
「花嫁」も普段なら回避してるところなので、買わない理由が二つも揃ってるのにね(笑)
北畠さんのイラストが好きだし、やはり時代設定のせいで「花嫁」への違和感も薄れて、思ったよりずっと楽しめました。
水月さんとは反対に、私は時代もの大好きですしね(笑)
これがウエディングドレスを着た男花嫁だったりしたら、ものすごい抵抗感なんだけどな~(笑)
私も「貴族シリーズ」は読んでません。
今まではあまりそそられなかったし・・・。
「花嫁」も普段なら回避してるところなので、買わない理由が二つも揃ってるのにね(笑)
北畠さんのイラストが好きだし、やはり時代設定のせいで「花嫁」への違和感も薄れて、思ったよりずっと楽しめました。
水月さんとは反対に、私は時代もの大好きですしね(笑)
これがウエディングドレスを着た男花嫁だったりしたら、ものすごい抵抗感なんだけどな~(笑)
2007/11/21(水) 14:12 | URL | mimu #-[ 編集]
この記事のトラックバックURL
http://0hz.blog112.fc2.com/tb.php/815-e0507648
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック