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4086010879挑発のルポライター
あさぎり夕著 / 山田ユギイラスト
集英社
コバルト文庫2007-11-01

by G-Tools

出版社に勤める新見友哉は入社二年目。きっちりのスーツを着込んだ外見とは対照的な記事ばかりを扱っている、男性週刊誌の編集者だ。
そんな新見が再会した学生時代の憧れの存在、波多野は、すっかり変わってしまっていた。大手新聞社を辞め、妻子にも逃げられたという。おまけに新見の家に転がり込み、家賃代わりに身体を提供すると言い出した。
強引に迫られ、受け入れてしまう新見だが!?
波多野猛(はたのたけし・27歳)×新見友哉(にいみともや・24歳)
フリーライター×男性週刊誌編集者

再会ものです。
新見が高校1年生のとき、家庭教師をしてくれたのが波多野。
傲岸不遜、大胆不敵、勇猛無比で、身の程知らずな広言を叩いてもそれを軽々と実行してしまう、向かうところ敵なしの熱い男・波多野に、新見は憧れを抱き、それはいつしか恋心へと変わっていました。
しかし波多野は新見が17歳のとき、大学二年でできちゃった結婚をしてしまいます。
波多野に憧れ同じ大学を目指し入学はしたものの、1年間だけ同じキャンパスで過ごし波多野が大手新聞社に就職したあとは、この不毛で辛い想いを絶つべく、距離を置いていました。
二年前、風の噂で波多野の妻子が家を出て、別居状態にあるということを聞きますが、波多野に恋心があるからこそ、そんな時に付けこむように連絡することなど尚更できない。

その後、新見も大学を卒業出版社に入社。
そんなある日、繁華街で若者グループから暴力を受ける男を発見します。新見が防犯ベルで若者を蹴散らし駆け寄ってみると、殴られていたのはなんと波多野で、新見は波多野を自分の部屋へと連れて帰ります。
しかし波多野は、自分が好きだった頃の面影はなく、覇気のないフヌケ男へと変貌してしまっていました。

妻子に逃げられ、出版社も辞め、輝いていたころの勢いもなくして、細々と小さな記事を書いては食いつないでいるような波多野に新見は失望します。
こんな男は自分の好きな男じゃない、失望して幻滅して、これですっかり忘れてしまえる・・・と思うところですが、見た目には以前と変わらない精悍な面影を残す波多野に、くすぶっている恋心はなかなか鎮火しません。
しかも家賃代わりに・・・と強引に迫られ、断りきれずに受け入れてしまう。
フヌケ!と腹立ちながらも、なんとかもう1度前のような波多野に戻ってほしいという願いも捨てられない。
そんなとき、2人はある大物政治家と人材派遣会社社長が会う場面を偶然目撃します。それは、波多野が新聞社を辞める前に追っていた、収賄疑惑の関係者でした。
このネタを追うことで、再び以前の波多野に戻って欲しい、と新見は波多野と共に事件を追うことになります。


波多野の妻が、波多野に不満を告げる場面があるんですが、この不満がすごくリアル。こういう人、私も一人知ってます。
けれどこれだけが夫婦仲が壊れた原因では面白くない。波多野が、飛ぶ鳥を落す勢いの、周りのものや人全てを追い越して前進していく、世界が自分中心に回っていて、それを周囲も認め憧憬せざるを得ない何でもできる男だったからこそ、家庭を壊してしまった・・・というところにオチているのが面白いと思う。
昔デキる男だったのに、フヌケになって再登場したからには、また元のような男に戻って欲しいと思うのは当然、読者も期待するしまたそういう展開が多いと思うんだけど、これはそうじゃない。
一般道路を限界までの猛スピードで疾走していく車と、余裕を持った安全運転の車と、自分の側を通っていくとしたら、どっちがいいか(笑)
波多野は、苦渋を舐めた末に変化した。
そういう裏が見えてくると、波多野への見方が変わってきます。「フヌケ」という言い方もちょっとあれなんだけど。

政治家の汚職事件を追い、それを大々的に発表してヒーローになって大団円という終わり方もしないんですよね。
仕事自体は成功するけれど大きな壁に阻まれてしまう。
しかし、そういうことがあったり、人生に影が射したりしても、一生懸命足掻きながらもがきながら仕事をして生きている男たちという感じがして、締めもいいなと思いました。

山田さんのイラストとあらすじに惹かれて買ってみたんですけど、なかなか面白かったです。
ちょっと理屈っぽかったり説教臭い文章まわしな部分もあるんですが、ユーモアまじりなので読みやすかったと思います。
コメント
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!

あれ?何だか・・どっかで読んだ事のある設定な気がしますが・・。
家庭教師に初恋とか・・家賃代わりに身体を・・とか、波多野の妻の登場とか?(笑)
でも、本のタイトル、いいですね!イラストもユギさんか。なかなかそそりますね(笑)
2007/11/29(木) 04:16 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
>水月さん
こんにちは~!

素材が似た感じのはたくさんありますね。
これはなかなか面白くて私は好きでした。
300ページちょっとあって読みでもあるし、柔らか過ぎず硬すぎず、あさぎりさんはベテランだから話作りも上手いですね。
このかた、少女漫画を描いて、小説も沢山書いてますが、イラストもご自分で描いてることが多いです。
でも今回は山田ユギさんのイラストで正解じゃないでしょうか。
ご本人の絵だとイメージ違うから、違和感あったかも(笑)
わりとお薦めですよ。
2007/11/29(木) 06:34 | URL | mimu #-[ 編集]
オススメですか?
ユギ様のイラストを見ると欲しくなっちゃいますが、私にとってあさぎりさんて、まだ「なかよし」のイメージが強すぎて敬遠してるんですが…。そうか、そろそろ解禁しても大丈夫かしら?(^^;)
2007/11/29(木) 23:50 | URL | かりんこ #-[ 編集]
>かりんこさん
こんにちは!

あさぎり夕さんは、私もご自身のイラストの本はほとんど読んでいないと思います。
イラスト自体、そんなに好みではないので・・・(あはは)
この本は、満を持して、ユギさんにお願いしたみたいですよ。
そして2人のイメージにも、ご本人の絵よりユギさんの方が合っていると思います。
内容も、お手軽なBLを買うくらいなら、私ならこちらをお薦めします(笑)
2007/11/30(金) 13:59 | URL | mimu #-[ 編集]
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