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4877249001健気なオトコ
伊郷ルウ著 / 羽根田実イラスト
海王社
ガッシュ文庫2007-11

by G-Tools

「俺のために朝食を作ってくれるか?」
料理屋を営む那幹は、昼にはオフィス街の出張弁当屋もやっている。客で偏食家の津多夏彦が気になり、なんとか美味しいものを食べさせてあげたいと料理の工夫をしていたところ、いきなり告白されてしまった・・・!
こんなに尽くそうと思うのは、自分も彼のことが好き――?
勢いで申し出を受け入れてしまった那幹。
実直だけど突飛なところもある津多と、たどたどしくも同棲生活をスタートさせるけれど、熱い告白とはうらはらに、津多は一向に手を出してくなくて・・・?
津多夏彦(つだなつひこ・38歳)×佐久良那幹(さくらなみき・26歳)
人材派遣会社社長×板前

小さな小料理屋を営みながら、週3日、オフィス会の公園で出張弁当屋を開いている那幹(受)。ある日の昼時、常連の一人、手塚(てづか)に連れられて、津多(攻)がやってきます。
数種類の和風のおかずの中から好きなものを弁当に詰めて売る那幹の店。しかし津多はなんと魚は駄目で、野菜はキャベツとキュウリしか食べられないと言う。
なぜか超偏食の津多が気にかかり、那幹は津多が食べられそうな料理を工夫して店に出し、彼を待つようになります。

津多のために作った料理を美味しそうに食べてくれることに嬉しさを感じる那幹。経営する小料理屋「大樹」のことを伝えると、津多は早速週末に店にも訪ねてきてくれます。
しかし、何とか食べてもらおうと工夫して出した魚料理を食べた津多が突然蕁麻疹を起こしてしまうという事態に。
慌てた那幹は病院へ津多を連れていき点滴を打って貰ったあと、自分の部屋へ連れ帰るのですが、ひたすら謝り甲斐甲斐しく世話を焼く那幹に、津多は「俺の朝食を作ってくれないか?」と突然言い出します。
まるでプロポーズのような誘いを受けて部屋を見に来いといわれ津多の住む『億ション』へ行くと、キスされて「好きだと言ったら迷惑?」と囁かれ、胸がドキドキする自分に、津多が好きなんだと気がついて同居を承諾する那幹。

そこまではよくある話なんですけど、なんかそのあとがちょっと変でした。
視点が津多に変わると、その告白は嘘で、確かに美味しい朝食は食べたいけれど、那幹を好きというわけではなくて、さあどうしよう?と悩んでるんですよ。キスはできたけど、セックスなんかできるのか?と。
ちょっと随分なオトコじゃありませんか(笑)。
元々は手塚が那幹を狙っていて、津多もそれを聞かされており、「男」を相手にする手塚のことを、どちらかというと胡乱な目で見ていたんですよね。
なのに一人でぷらっと弁当屋や小料理屋に現れたかと思えば突然同居を持ちかけ、受け入れられると「困ったな」とは・・・?
何がしたいのか。

那幹が一生懸命料理を作ったり甲斐甲斐しく働く様子や、素直で元気な“和服の板前さん”という風情はとても可愛くて料理も美味しそうなんですが、心理面はほとんどおきざりだったように思います。
だから、二人が惹かれる過程はものすごく唐突。
実は自覚がないのに同居を申し出ておいて、それが那幹にバレたら大事なのに、結局津多もいつのまにか(ホントにいつのまにか)気持ちを自覚してるので、最初から相思相愛みたいに那幹にもバレることなく落ち着いてしまいますし。
友人の想い人を横取りしても「しかたないだろう」「悪かったとは思ってるよ」とあんまり悪びれてないし、それを知った手塚が怒って実力行使に出ると、「人のものに手を出すほど見境のない男」呼ばわりしてしまうのですから・・・それって自分のことだから。
結局、この手塚と津多の中も、うやむやに仲直りしてしまうので、なんか中途半端ですね。

「色事に疎い実直な社長」というほどでもなく、遊び慣れてないわけでもなし、書き込みが足りないのであんまり素敵な人に見えません。残念。たぶん「和風」を書きたかったんだろうと思います。メインはそっちなので、恋愛はおいていかれちゃったような。
「尽くし型」」のちょっと天然な板前さん・那幹は可愛いかったです。料理も美味しそう。
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