![]() | 恋になるなら 渡海奈穂著 / 富士山ひょうたイラスト 新書館 ディアプラス文庫2007-12-10 by G-Tools |
勤め先で中学の先輩・伴瀬と再会した上村。女顔で人から誤解されやすく、人付き合いの苦手な上村だが、俺様な伴瀬とはすぐに親しくなる。
さらに悪戯でキスをされ、意地でやり返し、なし崩しに身体を探り合うようになるまで、さほど時間はかからなかった。
自分は伴瀬を好きなのか?伴瀬は自分を好きなのか?
答えの出ないまま身体をつなげた翌日、上村を待っていたのは……。
さらに悪戯でキスをされ、意地でやり返し、なし崩しに身体を探り合うようになるまで、さほど時間はかからなかった。
自分は伴瀬を好きなのか?伴瀬は自分を好きなのか?
答えの出ないまま身体をつなげた翌日、上村を待っていたのは……。
伴瀬朋憲(ばんせとものり・25歳くらい)×上村結紀(かみむらゆうき・23歳くらい)
中学時代のバスケ部先輩後輩。現在は同じ会社の先輩と後輩。
上村は、入社した会社で中学時代のバスケ部の先輩・伴瀬と偶然に再会します。
昔から女顔でからかわれやすい上に、生真面目で無愛想、人付き合いが苦手で学生の頃から友人が多いとは言えなかった上村は、入社してからも希望の部署でなかったことへの不満に加え、変わらない人付き合いヘタクソが災いして、社でも浮いた存在となっていました。
伴瀬にも、“偉そうな先輩だった”という記憶はあるものの、そう親しかったわけではなく、再会しても、相変わらず俺様な人だ・・・という印象しかありません。
しかし、退社が一緒になり夕飯の誘われたのをきっかけに、それからも伴瀬と一緒に食事に行くことが増え、母校のバスケット部の練習の手伝いに行くなど、週末も一緒に過ごすようになり・・・と二人の親密度は増していきます。
偉そうで強引で、昔と変わらない先輩面でからかってくる伴瀬に上村も無愛想な態度で接しますが、伴瀬はそれを嫌がることもなく、上村に対する態度は変わりません。それがかえって、上村にとっては素のままでいられて居心地がいい。
そんなある日、伴瀬とともに行った温泉で、ひょんなことから二人はキスをしてしまいます。
「どうして?」とうろたえる上村ですが、伴瀬は何も言いません。しかし二人の触れ合いはやがて、キスから手での触れ合いへとエスカレートしていく。
それでも伴瀬は、何も言わないし、そんな伴瀬に上村も何も聞けない。男から好きだと言われたら困るし、遊びだと言われたらさらに困る・・・そんな複雑な気持ちを抱えながら、抑えようとしても上村は伴瀬へと惹かれていきます。
中盤過ぎくらいまでは、最後は「言わなくたって俺の気持ちくらいわかるだろ」なことを攻めが言ってめでたしめでたし・・・なパターンかなと思っていました。
中学時代の、偉そうな先輩と生意気な後輩という関係そのままのような二人のつきあいかたや会話も、いかにも、って感じで良いし、そんな中に友情とは別の感情が混じり出して、ときめいたり怒ったり、そういう変化もどきどきします。相手も多分好きなんじゃないかな~と思いながら、上村の戸惑いを楽しく読みました。
ところが、すでに中盤も過ぎたころ、少し様相が変わります。
曖昧な関係のまま、二人はSEXにまで及んでしまうのですが、その翌日から伴瀬は用事があると言って会社を休んでしまう。用が終わったら連絡するとは言われていたものの、やがて上村が知らないうちに伴瀬が退社してしまったことがわかります。
待ち続けても連絡は一向に来ない。伴瀬の家に電話をしても、口止めされているのか家族は伴瀬の居所を教えてくれない。
しかし、ひょんなことから真相が明らかになります。
ネタバレです。
このお話は、「病もの」でありました。
伴瀬は、助かる人ももちろんいますが、場合によっては命を落す病気でした。
大学時代、その病気にかかり手術をして回復しましたが、ちょうど上村と親密になってきた今になって、定期的な検診で再発が肺に発見されたのです。
伴瀬が上村に何も言わなかった理由は、「言わなくたってわかるだろ」というわけではなかったんですね。
視点が上村なので、伴瀬の想いは彼の口で語られている部分しかわかりませんが、そこから推測するだけでも、彼の逡巡がよくわかりました。
しかしこういうお話とは思いませんでしたね(笑)。
渡海さんの、普通のリーマン同士のお話は結構好き。
長生きしてください。
中学時代のバスケ部先輩後輩。現在は同じ会社の先輩と後輩。
上村は、入社した会社で中学時代のバスケ部の先輩・伴瀬と偶然に再会します。
昔から女顔でからかわれやすい上に、生真面目で無愛想、人付き合いが苦手で学生の頃から友人が多いとは言えなかった上村は、入社してからも希望の部署でなかったことへの不満に加え、変わらない人付き合いヘタクソが災いして、社でも浮いた存在となっていました。
伴瀬にも、“偉そうな先輩だった”という記憶はあるものの、そう親しかったわけではなく、再会しても、相変わらず俺様な人だ・・・という印象しかありません。
しかし、退社が一緒になり夕飯の誘われたのをきっかけに、それからも伴瀬と一緒に食事に行くことが増え、母校のバスケット部の練習の手伝いに行くなど、週末も一緒に過ごすようになり・・・と二人の親密度は増していきます。
偉そうで強引で、昔と変わらない先輩面でからかってくる伴瀬に上村も無愛想な態度で接しますが、伴瀬はそれを嫌がることもなく、上村に対する態度は変わりません。それがかえって、上村にとっては素のままでいられて居心地がいい。
そんなある日、伴瀬とともに行った温泉で、ひょんなことから二人はキスをしてしまいます。
「どうして?」とうろたえる上村ですが、伴瀬は何も言いません。しかし二人の触れ合いはやがて、キスから手での触れ合いへとエスカレートしていく。
それでも伴瀬は、何も言わないし、そんな伴瀬に上村も何も聞けない。男から好きだと言われたら困るし、遊びだと言われたらさらに困る・・・そんな複雑な気持ちを抱えながら、抑えようとしても上村は伴瀬へと惹かれていきます。
中盤過ぎくらいまでは、最後は「言わなくたって俺の気持ちくらいわかるだろ」なことを攻めが言ってめでたしめでたし・・・なパターンかなと思っていました。
中学時代の、偉そうな先輩と生意気な後輩という関係そのままのような二人のつきあいかたや会話も、いかにも、って感じで良いし、そんな中に友情とは別の感情が混じり出して、ときめいたり怒ったり、そういう変化もどきどきします。相手も多分好きなんじゃないかな~と思いながら、上村の戸惑いを楽しく読みました。
ところが、すでに中盤も過ぎたころ、少し様相が変わります。
曖昧な関係のまま、二人はSEXにまで及んでしまうのですが、その翌日から伴瀬は用事があると言って会社を休んでしまう。用が終わったら連絡するとは言われていたものの、やがて上村が知らないうちに伴瀬が退社してしまったことがわかります。
待ち続けても連絡は一向に来ない。伴瀬の家に電話をしても、口止めされているのか家族は伴瀬の居所を教えてくれない。
しかし、ひょんなことから真相が明らかになります。
ネタバレです。
このお話は、「病もの」でありました。
伴瀬は、助かる人ももちろんいますが、場合によっては命を落す病気でした。
大学時代、その病気にかかり手術をして回復しましたが、ちょうど上村と親密になってきた今になって、定期的な検診で再発が肺に発見されたのです。
伴瀬が上村に何も言わなかった理由は、「言わなくたってわかるだろ」というわけではなかったんですね。
視点が上村なので、伴瀬の想いは彼の口で語られている部分しかわかりませんが、そこから推測するだけでも、彼の逡巡がよくわかりました。
しかしこういうお話とは思いませんでしたね(笑)。
渡海さんの、普通のリーマン同士のお話は結構好き。
長生きしてください。
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!
これ、手元にあります~!!
何となくタイトルに惹かれて予約したみたいです(笑)
あら?どんな病気なんでしょう?
でも、病気を克服して、二人で幸せに生きていって欲しいな~!
これ、手元にあります~!!
何となくタイトルに惹かれて予約したみたいです(笑)
あら?どんな病気なんでしょう?
でも、病気を克服して、二人で幸せに生きていって欲しいな~!
2008/01/09(水) 03:10 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
こんにちは~!
俺様な先輩と生意気な後輩の、いかにも男の子同士っぽいつきあいかたや、友達以上恋愛未満の微妙な感じがいいなと思って読んでたんですけど、後半になって様子が変わって驚きました。
「病」とは思わなくて、「え、そっちに行くのか~。」(笑)
病は、「転移する」と言ったらアレですよ、ほら(笑)
でも死にネタではないし、そういう想像をさせるラストでもないので、大丈夫です~。
俺様な先輩と生意気な後輩の、いかにも男の子同士っぽいつきあいかたや、友達以上恋愛未満の微妙な感じがいいなと思って読んでたんですけど、後半になって様子が変わって驚きました。
「病」とは思わなくて、「え、そっちに行くのか~。」(笑)
病は、「転移する」と言ったらアレですよ、ほら(笑)
でも死にネタではないし、そういう想像をさせるラストでもないので、大丈夫です~。
2008/01/09(水) 06:21 | URL | mimu #-[ 編集]
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