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4344812115白雨
真崎ひかる著 / 陵クミコイラスト
幻冬舎コミックス
ルチル文庫2008-01

by G-Tools

水沢那智の焼き菓子店を、夜ひとりで訪れる男の子。閉店間際にやってきては必ず「全部」買っていくその子の保護者として現われたのは、水沢のかつての恋人・加賀有隆だった。
激しい雷雨にも似たあの日々、いとしさと不安をぶつけ合い、最後には水沢が裏切った恋人――八年前の面影を残しつつ穏やかに微笑む加賀の真意が見えず、心惑う水沢だったが・・・!?
加賀有隆(かがゆたか)×水沢那智(みずさわなち)
26歳、元同級生、再会もの。

以前、リーフノベルズで出版された『淡雪』のリンク作品だったんですね。
読み始めるまで知りませんでした。
読み出したら、あれ?ってすぐに思い出しましたけども。
「発表する場がなくなって・・・」って、そうか、リーフで出るはずだったのですね。
『淡雪』の感想はコチラ
『淡雪』でも、那智の恋についてはちょっと匂わされていました。


『Pommes(ポム)』というタルト専門店を経営している那智。
ある日の店の閉店間際、小さな男の子が現れ、残っているタルトを全部買っていきます。
それは1日だけのことではなく、男の子は何度も現れる。
小さな男の子がひとりきりで買い物に来ることが気になった那智は、「今度はお父さんかお母さんと一緒においで」とその子に伝えますが、男の子の保護者として次に一緒にやってきたのは、八年前の高校生の時、お互い恋をして、しかし離れなければならずに捨ててきた相手・加賀有隆でした。
水沢の記憶は、一挙に昔に遡っていきます。

冒頭の再会から時は遡って、お話の中心は、有隆と那智の高校時代の恋の顛末。
どちらかというと優等生に見られていた那智は、家庭に複雑な事情を抱えており、学校で禁止されているアルバイトをして、自分の生活を支えているような状態でした。
対して、有隆は有名企業の御曹司。しかしその素行は褒められたものではなく、悪い意味で目立つ存在でした。
接点の全くなかった二人ですが、那智のアルバイトが学校に見つかり、那智は夏休みの間二週間、病院で“社会奉仕”として水巻きや掃除をさせられることになります。そして、そこへ同じようにペナルティを科された有隆がやってくる。
はじめはぎこちなかった二人の関係は、作業を一緒にするうちに、本当のお互いを知り合うことになり、少しずつ近づいていく。
そして、ある雷雨の日、二人はとうとう関係を持ってしまいます。

父のわからない私生児で母からも省みられず、ほとんどひとりきりで暮らしている那智と、家は裕福でもそこに愛情はなく、やはりひとりである有隆は、急速にお互いに溺れていきます。
しかし、二人の関係はやがて有隆の父に知られることになる。
そして、那智の母は有隆の父から勝手に手切れ金を受け取り失踪してしまいます。
有隆はふたりでどこか遠くへ行こうと那智を誘うのですが、那智はそれを裏切りひとり姿を消してしまいます。

二人の環境の違いからくる価値観や感覚の違いもそうですが、愛情はなくても金銭的にはやはり恵まれて育った有隆の未熟さや、どんなに相手を想っていても、自分たちだけではどうにもできない18になるかならないかという年齢、そこに生まれる不安を乗り越えられず、那智は別れを選ぶわけですが、そのあたりを丁寧に書いてるから、八年間の時間が必要だった・・・ということが実感として感じられてきます。
“若さ”というのは怖いもの知らずでもあるけれど、もうちょっと年を取ってたら、もっと楽に越えられるものってあるものなぁ。
お話のメインは二人の幼い恋で、再会後のエピソードは比重としては少なめなので、幼い酸っぱい恋に浸るのにいいと思います。

母親さえ捨てていった那智を支えてくれる50代の教師がいるのですが、病院に入院した彼の元を訪れる“元刑事”との関係が実は気になりました(笑)。
お互い既婚だし良い夫婦のようなので期待はハズレましたが。
・・・というか、何かあった末の結婚だったりしたら、それはそれでイヤだけど。
『ブロークバック・マウンテン』みたいなのは切ないし。
コメント
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!

思い出しました~!!
はいはい、「淡雪」ありましたね!
そのリンク作なのですね~?
再会編でも、お話は高校時代の物が多いのですね~!
あらら・・・好きかもです(笑)
2008/01/27(日) 02:46 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
>水月さん
こんにちは、水月さん。

水月さんも「淡雪」読んでいらっしゃいましたよね。
あの二人がバイトしているタルト屋さんの店長さん(受)の話です。

再会して、そこから過去に遡って、きっかけから恋になって別れまでを丁寧に追って、また現在・・・と戻ってくるので、高校時代の話の方が分量は多いですね。
「淡雪」の二人も出てきますので・・・ちゃんと脇役に徹してますけど。
そうそう、「淡雪」も書き下ろしをつけてルチルで再販されるそうですよ。
2008/01/28(月) 06:37 | URL | mimu #-[ 編集]
こんばんは、mimuさん。
真崎さんの作品は、私実はmimuさんのレビューで気になってポツポツ読み始めたのですが、本作は今まで読んだ中で一番フィーリングに合ってました。
青春時代の一瞬の“恋”と、時間をおいて互いの人生に余裕が生まれたときに再び始まる穏やかな関係が、とても堪らなく好きです♪
特に、加賀が(おバカで)カッコよかったなあ…。

この萌えに出会えたのはmimuさんの記事がきっかけなので、久しぶりにTB頂きにあがりました。
よろしくお願いします!

そうそう、私も先生と元教師の関係が気になって仕方ないです…。
私が伏線読み落としたのかな?いきなり、登場してきた印象があるのですが。

ではでは!
2008/08/05(火) 18:51 | URL | tatsuki #1AqkR7Yg[ 編集]
>tatsukiさん
こんにちは、tatsukiさん。

真崎さんを読み始められたのはココがきっかけですか。
恐縮です(^^ゞ
ありがとうございますv

若い頃に失った恋が大人になって再燃する展開はいろいろありますが、若さ故の未熟さや、大人になってからわかることや、そういう『時間』が齎す成長がちゃんと書かれていて私もこれは好きです。

>先生と元教師の関係
何かありそうでしたよね?
私も伏線には気づきませんでしたが、絶対事情がありそうな…(笑)

TBありがとうございます~!vv

2008/08/06(水) 08:31 | URL | mimu #-[ 編集]
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2008/08/05(火) 18:38:33 | la aqua vita