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4592875451便利屋には愛がある
久万谷淳著 / 佐々木久美子イラスト
白泉社
花丸文庫2008-01

by G-Tools

元エリートサラリーマンでバツイチの大河原悠一郎は、現在は便利屋を営んでいる。ある日、ひょんなことからハジメと名乗る不思議な少年と同居することになった。
明るくて礼儀正しいハジメは、たちまちご近所のお婆ちゃんたちの人気者に。そのせいで大河原たちは、行方不明の少女を捜すハメに・・・。
しかも、実はハジメは「見える人」だった!?

大河原悠一郎(おおかわらゆういちろう・33歳)×巽肇(たつみはじめ・19歳)
便利屋×無職

ほのぼのオカルト。
新人さんだそうです。
あらすじを見て、中身をペラペラっと見て、興味を惹かれたので買ってみました。
わりと好きな感じで、面白かったです。

大河原は元エリートサラリーマンでしたが、会社の裏切りにあい退職。そのとたん妻にも逃げられ、身辺整理で世話になった便利屋の社長の元で修業をして、現在は独立して自ら『便利屋』をしています。
便利屋という職業、BLではよくあるけれど、大河原は闇の組織に関わったような仕事をしているんではなく、『町の便利屋さん』。
掃除や草むしり、粗大ゴミの処分などが主な仕事です。

そんなある日、家財道具の処分を請け負った大河原は、そこで依頼主の少年・ハジメと出会います。髪を長く伸ばし、女の子と見間違うような綺麗な顔をしたハジメと、大河原はひょんななりゆきで同居をすることになります。
ハジメは大河原の仕事を手伝い、家のことにも気が効いてちょこまかと動き、明るく礼儀正しく素直な性格はご近所にも受け入れられて、二人の生活は思いのほか穏やかにすすむ。
ハジメはとても可愛らしいので、大河原もついついほだされ、“ずいぶん年が離れてるぞ”とか思いつつも、惹かれていくわけです。

ハジメはどうも謎めいていて、親のことを訪ねても、どこから来たのか尋ねても、ちゃんとした説明をしません。
時折「物が持ち主のところに帰りたがっている」など、意味不明なことを洩らしたり、とうてい不可能と思われた探し物をあっという間に探し当てる。
大河原が問いただすと、ハジメは「物に付いている持ち主の気配」がわかると言う。
そのことで嫌な思いをしてきたというハジメを大河原は受け入れてやります。
しかしその能力を聞きつけた近所のオバチャンがハジメに行方不明になった少女の捜索を以来してきて、大河原は怒って断りますが、その際少女の父が、少女の靴を大河原の家に置いていったことから、少女の霊が大河原の家に出没するようになってしまいます。
結局二人はこの心霊事件に巻き込まれることになってしまうわけです。


最初表紙を見たときハジメが女の子かと思い、作家さんも聞いたことがなかったので「これはBLではないのかも」と思ったんですよ。中身で「男の子」と確認して買ったわけですが(笑)。
物に残っている持ち主の念のようなものを感じ取り、ある場所を探し当てたり、持ち主を当てたり。自分の素性も明らかにしないハジメは、その素直さや無垢さは天使のようで、それでいて時折老成した顔を見せ、まるで本人こそが空から降りてきた人のようです。
しかし、不思議な能力を持っていることを覗けば、素直で可愛い、ごく普通の青年で、巻き込まれることになる心霊現象もハジメはとても怖がっていて、その能力を生かして探偵ごっこに積極的だとか、そういうところはありません。たまたまそういう能力を持っているけれど、それを駆使して事件解決する・・・ということに中心を置いた心霊探偵的展開ではないんですね。
そして、それが私的には良かったと思う。
年齢差のあるカップルですが、大人の包容力がありながらも隠せぬ戸惑いで接する大河原と、感情に素直に甘えるハジメがとっても良かったし、微笑ましくて暖かくて、二人の関係がとてもいい感じでした。
ハジメを抱き上げて背中を摩ってあげたり・・・年の差ならではのほんわかなシーンがたくさんあって、そういうのも萌えツボを突きました。

仕事や事件がご近所で起きるし、登場してくるお婆ちゃんたちや、大河原の親友・斎木(さいき)など、登場人物も魅力的で、住んでいる場所の情景が浮かんできます。そんな中で起きる心霊現象も親子の情を絡めたもので、ごく日常的な町のイメージからも、浮いていないと思います。
そしてさっきも書いたように、ハジメがエクソシストのような能力を発揮するわけではなく、ごく自然に大河原と協力して解決に導くから、「見える人」と言っても、極端に現実離れしたものにはならずにちゃんと収まっているのですね。

大河原とハジメや、友人などとの会話に、気のきいたユーモアのセンスも時折感じられます。
大河原もハジメもとても魅力的でした。
ただ、大河原の友人の斎木、彼もとても面白そうな人物なのですが、物語に噛んできそうな登場の仕方をしておいて、途中から突然舞台から消えてしまったのがちょっと不自然には感じました。
これ、シリーズになってもよさそうな感じがするんですよねー。
大河原とハジメの話をもっと読んでみたいし、そして、この二人、実は最後までいってない!(笑)。 大河原なんて文字通りイッてさえいない。
幽霊がいたときはともかく、いなくなってからもまだ「少しずつ」なんて・・・ちょっと遠慮しすぎですよ(大河原じゃなくて作者が。) すぐヤる課・・・みたいなのがいいとも思いませんが、そのあたりでもう一本、書いてくれないかしら。
コメント
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。

可愛いお話だと思ったので私も買ってみました。
イラストのハジメはどうみても女の子でしたよねえ。だからゲイでない悠一郎も抵抗がなかったのかも。

初めての文庫本という作者さんですが、まだまだ遠慮がちなとこが見えますよね。Hシーンもまだテレがあるんでしょうか。

>途中から突然舞台から消えてしまったのがちょっと不自然には感じました。

ホント、斎木もねえ、悠一郎に気があるとおもっていたんですが(BLではお決まりですね)、もっと活躍しても面白いんじゃないかと思いましたよ。

これから書かれるお話にも期待できますね。

TB、宜しくお願いしますvv
2008/02/06(水) 20:00 | URL | 桃 #-[ 編集]
>桃さん
こんにちは、桃さん。

表紙だけ見て、最初BLかわからなかったんですよ(笑)
で、一度は素通りしたんだけど、次の日、今度は手に取って確かめて買いました。

こういうご近所ほんわかBL好きなんです。
そこにオカルト風味が加味されてるんだけど、そう非現実的な扱いじゃなく、そんな不思議なこともあるよね、くらいなのもいい感じです。

Hはね、「あれ?イかなくていいの?」と(笑)。
せめてイかせてあげようよ(笑)
そのあたりのお話を、またご近所七不思議でも絡めつつ、次もどうかな~と思うのですが。

TBありがとうございました~!
のちほどお邪魔しますね。
2008/02/07(木) 06:11 | URL | mimu #-[ 編集]
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2008/02/06(水) 19:50:43 | 桃の楽園