![]() | 獣の妻乞い 沙野風結子著 / 実相寺紫子イラスト 幻冬舎コミックス リンクスロマンス2008-01 by G-Tools |
通り魔に襲われた高校生の由原尚季は、狩野飛月という男に助けられる。強引な手口により、飛月と一緒に暮らすことになった尚季は、凶暴そうな見た目に反し、無邪気で優しい男に急速に惹かれていく。
だが、仕事に行くたび尋常さを失う飛月に、尚季は昼夜を問わず、荒々しく抱かれるようになる。
次第に獣じみていく飛月の異変に不安を覚える尚季は、彼が凶悪犯罪者を抹殺するため、秘密裏に造られた「猟獣」だと知り――。
だが、仕事に行くたび尋常さを失う飛月に、尚季は昼夜を問わず、荒々しく抱かれるようになる。
次第に獣じみていく飛月の異変に不安を覚える尚季は、彼が凶悪犯罪者を抹殺するため、秘密裏に造られた「猟獣」だと知り――。
狩野飛月(かのうひづき・26歳)×由原尚季(ゆいはらなおき・17歳)
人外ものです。
『人狼』好きなんですー。
○姦シーンがあります。
“ホンモノ”だったりすると許容範囲外ですが、そこはBLですし、切ない恋というオブラードが美しくかかっておりますので、平気どころか萌えでございました。
実相寺さんのイラストがまた美麗ですし。ダメな人はダメだと思うので、注意した方が良いと思います。
私はこれは全然平気だったけど。
無理矢理させられる拷問とかレイプではないし、人間同士の輪姦やらリンチやらSMに比べたら全然大丈夫。寧ろ好き(笑)。
でも熊とか馬だったらイヤかも(笑)。どういう基準なのか自分でわかりませんけども。
あと、時代設定が、近未来の日本となっております。
死刑制度が廃止されたのち、増え続ける犯罪者を収容する刑務所も飽和状態となり、凶悪犯罪者が短期間で出所させられ、再犯を繰り返す時代。
そんな中、各地では野犬による怪我や死亡事故が相次ぎますが、増え続ける犯罪に手一杯の警察はそれを放置。代わりに自警団が組織され、野犬の殺害が行われています。そして幼い頃、尚季はその自警団に飼い犬を殺されてしまいます。
哀しみに暮れるある日、尚季は車に轢かれて大怪我を負った仔犬を助けます。病院に運び手当てをしてもらい家に連れ帰って、その犬が殺された飼い犬に似ていたため、同じ名前で呼んで可愛がる尚季。
しかし、ある日、その犬も突然姿をくらましてしまいます。
大切なものを再び失い、その悲しさに心を閉ざした尚季は、それ以来他に犬を飼うこともなく、母は亡くなり出張がちの父は不在の一人の家で、頑なに寂しさから目をそらすようにして暮らしてきました。
そして8年後、高校生になった尚季は、近所で頻発している通り魔殺人事件に巻き込まれ、危うく殺されかけたところを一人の男に助けられます。
その男はなんと尚季を助けるため、連続殺人犯を殺害していました。
衝撃を受ける尚季ですが、それ以来その男・狩野飛月は尚季につきまとうようになります。
心配していた殺人は、警察により「野犬の仕業」と片づけられ、飛月から「助けてやった」と半ば脅されるように、尚季は飛月を家に同居させることになってしまいます。
視点が変わるので、飛月側の想いもちゃんとわかるようになっています。
飛月は、その時代なら間違いなく死刑になっただろうに、その制度がなくなったため出所して再犯を繰り返す凶悪犯を抹殺するため、国家のお墨付きで秘密裏の研究によって造られた人造人間、『猟獣』のうちの一人でした。人が人を殺すと大問題ですが、野犬が人を殺しても、それは悲運な事故として片づけることができるからです。
彼らは通常は人の形をしており、任務を果たすときは狼の姿へと変身します。
尚季が小さい頃に交通事故から助けた仔犬が実は飛月で、いなくなったのは研究所に連れ戻されたためなのですが、飛月は、その後再び尚季の元へ戻る自由を得るため「アルファ」と呼ばれる猟獣のトップに上り詰めようと、犯罪者とは言え、殺人を繰り返してその地位を8年かかって手に入れて、尚季の元にやってきたのです。
獣の姿はでっかい狼なのですが、尚季につきまとい、尚季に優しくされて喜ぶ姿はワンコそのもの。
こんなところにもワンコ好きの萌えが隠れていました(笑)。
しかし、野性的な外見とは裏腹に気の優しい飛月は、尚季の側にいるようになって、それまでは「尚季に会う」という目的のために抑えていた人を殺す罪悪感に再び囚われるようになってしまいます。
自分のしていることや真の姿が尚季に知られたらという不安、凶悪犯と対峙する危険やストレスは飛月を蝕み、躊躇いは自身の怪我を呼び、度重なる変身は身体や脳に負担をかけ、やがて人でいることが困難をきたすギリギリの状態へと追い込まれてしまいます。
獣になったまま人に戻れなくなってしまうと、やがて記憶は薄れ、人としての意識はなくなって、完全に獣化してしまいます。訓練を受けた猟獣をそのままにしておくことは危険極まりなく、そうなった猟獣は、組織によって抹殺される。
尚季を苦しめることを恐れ、飛月は姿を消し、ある山奥で狼の姿となったまま、元に戻れなくなってしまいます。
そして真実を知った尚季が飛月を追いかけ、一人と一匹、傷ついたまま、自警団から身を隠し潜伏するのですが、とうとう追っ手に見つかってしまい・・・・。
そこで数時間の猶予をもらい、「人間に戻れなくなった飛月が誰かに殺されるくらいなら、自分が殺して、そして自分も・・・」と二人(一人と一匹)決意しての問題の○姦シーンとなるわけですね。
確かに行為事態は衝撃的ですが、そういうことより、話せない狼の姿になった飛月の仕草から伝わる想いや、尚季の切ない想い、そういうシーンが前置きされていて、実はわたくし、尚季の決意とそれを受け入れる狼・飛月に泣いてしまいました(笑)。
そのあとのシーンだったので、キワモノとかゲッとか、そういう気分には全然ならなかったなぁ。むしろ愛情の深さが切なかった。挿入はちょっと辛そうだったけど・・・(笑)。
一応ラストでは飛月と組織の関係はなんとか上手く行き幸せそうな二人ではあるのですが、その影で飛月の獣化の危険が去ることは永遠にないので、ちょっと不安要素が残る終わりかたでもあります。
ストレスがよくないそうなので、喧嘩なんかしたら覿面にヤバイんじゃないでしょうか。尚季を怒らせた、嫌われたと思い込んだだけで、海馬が縮んでしまいそうです(笑)。
猟獣同士ではありますが、カップルがもう一組います。
こちらは本文では匂わせているだけ、あとがきにSSがありますが、リクエスト次第とかそういうやつなんでしょうか?
それはともかく、野性的でありながら、どこか庇護したくなるような可愛らしさや一途さを持つ飛月もとっても○でしたし、頑張る尚季も良かったです。
展開はご都合的な部分もありましたが、個人的には面白かった。
人外ものです。
『人狼』好きなんですー。
○姦シーンがあります。
“ホンモノ”だったりすると許容範囲外ですが、そこはBLですし、切ない恋というオブラードが美しくかかっておりますので、平気どころか萌えでございました。
実相寺さんのイラストがまた美麗ですし。ダメな人はダメだと思うので、注意した方が良いと思います。
私はこれは全然平気だったけど。
無理矢理させられる拷問とかレイプではないし、人間同士の輪姦やらリンチやらSMに比べたら全然大丈夫。寧ろ好き(笑)。
でも熊とか馬だったらイヤかも(笑)。どういう基準なのか自分でわかりませんけども。
あと、時代設定が、近未来の日本となっております。
死刑制度が廃止されたのち、増え続ける犯罪者を収容する刑務所も飽和状態となり、凶悪犯罪者が短期間で出所させられ、再犯を繰り返す時代。
そんな中、各地では野犬による怪我や死亡事故が相次ぎますが、増え続ける犯罪に手一杯の警察はそれを放置。代わりに自警団が組織され、野犬の殺害が行われています。そして幼い頃、尚季はその自警団に飼い犬を殺されてしまいます。
哀しみに暮れるある日、尚季は車に轢かれて大怪我を負った仔犬を助けます。病院に運び手当てをしてもらい家に連れ帰って、その犬が殺された飼い犬に似ていたため、同じ名前で呼んで可愛がる尚季。
しかし、ある日、その犬も突然姿をくらましてしまいます。
大切なものを再び失い、その悲しさに心を閉ざした尚季は、それ以来他に犬を飼うこともなく、母は亡くなり出張がちの父は不在の一人の家で、頑なに寂しさから目をそらすようにして暮らしてきました。
そして8年後、高校生になった尚季は、近所で頻発している通り魔殺人事件に巻き込まれ、危うく殺されかけたところを一人の男に助けられます。
その男はなんと尚季を助けるため、連続殺人犯を殺害していました。
衝撃を受ける尚季ですが、それ以来その男・狩野飛月は尚季につきまとうようになります。
心配していた殺人は、警察により「野犬の仕業」と片づけられ、飛月から「助けてやった」と半ば脅されるように、尚季は飛月を家に同居させることになってしまいます。
視点が変わるので、飛月側の想いもちゃんとわかるようになっています。
飛月は、その時代なら間違いなく死刑になっただろうに、その制度がなくなったため出所して再犯を繰り返す凶悪犯を抹殺するため、国家のお墨付きで秘密裏の研究によって造られた人造人間、『猟獣』のうちの一人でした。人が人を殺すと大問題ですが、野犬が人を殺しても、それは悲運な事故として片づけることができるからです。
彼らは通常は人の形をしており、任務を果たすときは狼の姿へと変身します。
尚季が小さい頃に交通事故から助けた仔犬が実は飛月で、いなくなったのは研究所に連れ戻されたためなのですが、飛月は、その後再び尚季の元へ戻る自由を得るため「アルファ」と呼ばれる猟獣のトップに上り詰めようと、犯罪者とは言え、殺人を繰り返してその地位を8年かかって手に入れて、尚季の元にやってきたのです。
獣の姿はでっかい狼なのですが、尚季につきまとい、尚季に優しくされて喜ぶ姿はワンコそのもの。
こんなところにもワンコ好きの萌えが隠れていました(笑)。
しかし、野性的な外見とは裏腹に気の優しい飛月は、尚季の側にいるようになって、それまでは「尚季に会う」という目的のために抑えていた人を殺す罪悪感に再び囚われるようになってしまいます。
自分のしていることや真の姿が尚季に知られたらという不安、凶悪犯と対峙する危険やストレスは飛月を蝕み、躊躇いは自身の怪我を呼び、度重なる変身は身体や脳に負担をかけ、やがて人でいることが困難をきたすギリギリの状態へと追い込まれてしまいます。
獣になったまま人に戻れなくなってしまうと、やがて記憶は薄れ、人としての意識はなくなって、完全に獣化してしまいます。訓練を受けた猟獣をそのままにしておくことは危険極まりなく、そうなった猟獣は、組織によって抹殺される。
尚季を苦しめることを恐れ、飛月は姿を消し、ある山奥で狼の姿となったまま、元に戻れなくなってしまいます。
そして真実を知った尚季が飛月を追いかけ、一人と一匹、傷ついたまま、自警団から身を隠し潜伏するのですが、とうとう追っ手に見つかってしまい・・・・。
そこで数時間の猶予をもらい、「人間に戻れなくなった飛月が誰かに殺されるくらいなら、自分が殺して、そして自分も・・・」と二人(一人と一匹)決意しての問題の○姦シーンとなるわけですね。
確かに行為事態は衝撃的ですが、そういうことより、話せない狼の姿になった飛月の仕草から伝わる想いや、尚季の切ない想い、そういうシーンが前置きされていて、実はわたくし、尚季の決意とそれを受け入れる狼・飛月に泣いてしまいました(笑)。
そのあとのシーンだったので、キワモノとかゲッとか、そういう気分には全然ならなかったなぁ。むしろ愛情の深さが切なかった。挿入はちょっと辛そうだったけど・・・(笑)。
一応ラストでは飛月と組織の関係はなんとか上手く行き幸せそうな二人ではあるのですが、その影で飛月の獣化の危険が去ることは永遠にないので、ちょっと不安要素が残る終わりかたでもあります。
ストレスがよくないそうなので、喧嘩なんかしたら覿面にヤバイんじゃないでしょうか。尚季を怒らせた、嫌われたと思い込んだだけで、海馬が縮んでしまいそうです(笑)。
猟獣同士ではありますが、カップルがもう一組います。
こちらは本文では匂わせているだけ、あとがきにSSがありますが、リクエスト次第とかそういうやつなんでしょうか?
それはともかく、野性的でありながら、どこか庇護したくなるような可愛らしさや一途さを持つ飛月もとっても○でしたし、頑張る尚季も良かったです。
展開はご都合的な部分もありましたが、個人的には面白かった。
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。
大好きな沙野風結子さんのお話なので買おうと思ったのですが、受け君が高校生・・・。
私の中では高校生はショタなので、どうしても手が出ませんでした。
でも、mimuさんの感想を読むと面白そうですね。なんか萌えツボに刺さるかも。
・・・悩みます。もう少し考えてから、買うかもしれません。
・・・高校生かあ~←まだ、悩んでる(笑)
大好きな沙野風結子さんのお話なので買おうと思ったのですが、受け君が高校生・・・。
私の中では高校生はショタなので、どうしても手が出ませんでした。
でも、mimuさんの感想を読むと面白そうですね。なんか萌えツボに刺さるかも。
・・・悩みます。もう少し考えてから、買うかもしれません。
・・・高校生かあ~←まだ、悩んでる(笑)
こんにちは、桃さん。
年齢的に抵抗があると躊躇するというのはわかります。
私の中ではショタは中学生以下ですねー(笑)
年齢だけじゃなくて、ちょっと読むのに躊躇する職業もあったりします。
こちらは内容的にも受の性格的にも、そんなに『高校生』を意識させるような話ではなかったです。
私はかなり好きで、萌えでした。
獣○シーンも全然・・・。
もし買うのは躊躇うようでしたら・・・よかったら読みます?(笑)
年齢的に抵抗があると躊躇するというのはわかります。
私の中ではショタは中学生以下ですねー(笑)
年齢だけじゃなくて、ちょっと読むのに躊躇する職業もあったりします。
こちらは内容的にも受の性格的にも、そんなに『高校生』を意識させるような話ではなかったです。
私はかなり好きで、萌えでした。
獣○シーンも全然・・・。
もし買うのは躊躇うようでしたら・・・よかったら読みます?(笑)
2008/02/05(火) 06:11 | URL | mimu #-[ 編集]
こんにちは、mimuさん。
貸していただいてありがとうごさいました。
読みました。
いや、よかったです。読み応え、バッチリでした。
何より、飛月と尚季の結びつきの深さに○姦も崇高な感じさえしました。
>切ない恋というオブラードが美しくかかっておりますので、平気どころか萌えでございました。
そうなんですね。
引くどころか、私も萌えてしまいました。
尚季もガキっぽくなくて、しっかりした大人びた少年でしたね。これならOKでした。
食わず嫌いしないでよかったですvv
貸していただいてありがとうごさいました。
読みました。
いや、よかったです。読み応え、バッチリでした。
何より、飛月と尚季の結びつきの深さに○姦も崇高な感じさえしました。
>切ない恋というオブラードが美しくかかっておりますので、平気どころか萌えでございました。
そうなんですね。
引くどころか、私も萌えてしまいました。
尚季もガキっぽくなくて、しっかりした大人びた少年でしたね。これならOKでした。
食わず嫌いしないでよかったですvv
こんにちは、桃さん~。
楽しんでいただけたみたいで、良かったです♪
たぶん「高校生のピュアな青春と恋」みたいなのは桃さんは駄目だろうけど(笑)、こういう内容ならむしろお好きじゃないかな~と思ったんです。
獣○シーン、はっきり言うと「良かった」ですよね(笑)
桃さんが感想で書いていらしたけど、確かにお父さんが帰ってきたら困りますよね(笑)。
飛月が同居してるのを知って「これは安心だ!」なんて言って、またどっかに飛んでいく、すっとぼけたオヤジかもしれません(笑)
楽しんでいただけたみたいで、良かったです♪
たぶん「高校生のピュアな青春と恋」みたいなのは桃さんは駄目だろうけど(笑)、こういう内容ならむしろお好きじゃないかな~と思ったんです。
獣○シーン、はっきり言うと「良かった」ですよね(笑)
桃さんが感想で書いていらしたけど、確かにお父さんが帰ってきたら困りますよね(笑)。
飛月が同居してるのを知って「これは安心だ!」なんて言って、またどっかに飛んでいく、すっとぼけたオヤジかもしれません(笑)
2008/02/13(水) 06:26 | URL | mimu #-[ 編集]
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獣の妻乞い (リンクスロマンス)沙野風結子/著 リンクスロマンスタイトルからして好み!あらすじを読むと内容はもっと好み~~なのに手が出なかったのは、受け君が17歳と幼いからでした。私の中では未成年はショタなんですよね。読みたい!でも、ショタはイヤ~、カ....
2008/02/12(火) 19:45:20 | 桃の楽園