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4877249052この愛、売ります
妃川螢著 / 一馬友巳イラスト
海王社
ガッシュ文庫2008-01-25

by G-Tools

哉都の前に札束を積んで「俺がお前を買う」と言う男――今では大企業の副社長を務める汐崎は、哉都が学生時代に淡い恋心を抱いた相手。
「俺は優良物件だろう。家族もないから頻繁に通える」朴念仁のくせに傲慢な態度の汐崎に、契約愛人としてプライドを刺激された哉都は、からかうつもりで汐崎と愛人契約を結んだ。
けれどまるで新婚のような汐崎との生活も、予想外に情熱的で優しい汐崎の愛撫も、哉都には落ち着かない。
愛を売ることに慣れた心と身体が溶かされる・・・契約ロマンス。
汐崎秀之(しおざきひでゆき)×相葉哉都(あいばなおと)
副社長×契約愛人 29歳、大学時代の同級生。
「この愛、売ります」
「afterwards」
「温泉の効能」の三編。

15歳で両親を交通事故で亡くし、その後誰の庇護を受けることもできずに『契約愛人』をなりわいとして高校大学まで出た哉都。
ある日、大学時代密かに淡い想いを抱いていた汐崎が現れ、目の前に大金を積んで「兄と別れてくれ」とのたまう。
汐崎は兄と哉都の不倫を疑っているのですが、それは誤解。
しかし全く信じない汐崎は哉都を見張るのに都合がいいと、「俺がお前を買う」とまで言い出します。
押し問答の末、哉都は汐崎の『契約愛人』として、汐崎の用意したマンションに住まわされてしまいます。

視点が変わるのですぐにわかるのですが、大学時代、遠くから汐崎を眺めていた哉都と同じように、汐崎も哉都の姿を見つめ、同じような想いを抱いていました。
真面目で優秀で大企業の御曹司だった汐崎と、両親もなく身体を売って生活している哉都とでは立場も性格も違っていたため接点は全くなく、声もかけられず・・・純情だったのですねぇ。
再会してみれば、汐崎は哉都が愛人として暮らしていることに嫉妬と憤りを感じるし、哉都は憧れていた男に頭ごなしに罵倒されてやはり腹を立てています。
それでも根本的に相手を憎からず想っていますから、二人にはそこかしこに甘い雰囲気が漂います。
しかし、誤解から始まった関係はさらに誤解に誤解を生み、ややこしいことに。
哉都は意地っ張りのツンデレなので、誤解に拍車をかけるようなことになります。

哉都が気が強いタイプなので、本心が伝わらずに切ないというよりは、「素直になりゃいいのに」という話。
15から愛人をしているのでソッチは熟練ですが、“愛人”という立場に甘んじ、そこから踏み出すことがないようにと一線を引いてきた哉都は、実は恋愛ベタ。そんなところが可愛い?
自分を買ってくれたお金持ちから株を教えてもらい、それを元手に今では愛人などしなくても株とコンサルティングの仕事だけで生活できる。ちょっとデキ過ぎに作りすぎてる感じがしますね。
15でひとりで生きていくのは相当大変でしょうが、仕事に愛人を選んでしまうのはどうなんだか。究極の美貌があってこそですが、そんなに綺麗ならモデルとか芸能関係に売り込んでみるとか、他にもなんかありそうだけど・・・。
ツンデレは好きだけど、哉都に共感は感じにくかったです。

汐崎はただの勘違い男なので、それはそれでよろしいと思います(笑)。
でも同じ朴念仁なら、汐崎の義弟と部下のカップルの“部下”の方が私のツボに嵌まりそうです。汐崎と哉都の恋と同時進行で語られるのですが、この部下は相当な朴念仁攻めだとみた(笑)。こっちの話の方が興味あるな。
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