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舞踏会の夜に華は綻ぶ
橘 かおる著 / 小山田あみイラスト
海王社
ガッシュ文庫(2007.7)


子爵家の正嫡ながら、義母に虐げられてきた真。
ある時、不審者に狙われる謎の男・臣を匿う。
臣と触れ合い初めて恋を知った真に、突然の知らせが届く。 真と義弟のどちらがより子爵の正嫡に相応しいか検分する舞踏会が開かれると決まったのだ。
すると臣は華族としての教育を受ける手筈を整え、真を迎えに来てくれた。 臣の正体に謎を深めながらも、真は恋心を抑えられず、臣に想いを打ち明ける。
だが、子供の戯言と相手にしない臣に、真は無垢な身体を差し出し、最奥で臣が熱く滾るほどに恋心は溢れ…。
北城嵩臣(きたしろたかおみ・29歳)×山岐真(やまぎまこと・17歳)

明治時代設定です。
元は山岐子爵家の正等な嫡男だった真は、母の死後やってきた義母に戸籍を改ざんされ、庶子として屋敷の離れに押し込められ、使用人のような扱いを受けています。

そんな日々に耐える真の前に、ある晩怪我をした男が現れます。風来坊のような着流しのその男は臣(おみ)と名乗り、真は離れに臣を匿い傷の手当てをしてやります。
真のためにもらえる微々たる食事を二人で分け合い、台所から傷薬をこっそり盗んで、臣の回復に尽くしてやる真。やがて傷も癒えてきた臣は、今度はこっそりと真に言いつけられた仕事を手伝ってやったりします。

味方のいない屋敷でこっそり臣と暮らす日々は楽しく幸せで、やがて真は臣に恋をします。
しかしそんなある日、臣は突然離れを出て行ってしまいます。
そして哀しむ真の元へ、突然、真と義弟のどちらが正嫡に相応しいかを検分する舞踏会が開かれるとの知らせが届きます。
そして、突然いなくなった臣が、真を教育する手はずを整えて真を迎えにきてくれるのです。

あとがきにもありますが、真の境遇は「シンデレラ」そのもの。そして臣の友人の男爵・都築(つづき)の別荘で教育を受ける場面は、「マイフェアレディ」です。
臣がなぜ、真の境遇を助けてくれようとするのか・・・。臣の正体は隠されているのですが、只者ではないことは匂ってきます。そして最後は「遠山の○さん」になるわけですね(笑)

虐げられている真ですが、しおしおと頼りない弱々しいタイプではないんです。そこがいいですね。恵まれない境遇にいても、一生懸命で健気だし、芯がしっかりして明るい性格なのが伝わってきます。
それに比べると、自分から真に素○タまでしておきながら、真の恋心に迷ってちょっと逃げ腰な臣はいけません(笑) いろいろ事情があって真の恋心をすぐに受け止められずに迷っているんですが、気持や行動は抑えられなくて、請われるまま抱いてしまったり、真が他の男とひっつくとアカラサマに嫉妬したりして、わかりやすいけど、ちょっとズルイです。
でも、そんなヘタレな大人の態度に切なくなりながらも、全身で臣への想いをあらわす真は、とても可愛くて真っ直ぐだと思います。「仔犬受け」風でしたね。

どのくらいの期間教育したのかわからないんですが、そんなに早く外国語が話せるようになるかい?とか、そんなに何ヶ月も諮問舞踏会が待ってくれるのかい、とか、仕事はあっさりやめたんかいとか、だったらそんなに迷わなくてもとか、いろいろ思うところはあります。
ラストがなんか切れてるような感じがして物足りないようにも思いました。
でもそれなりに面白くは読めました。
臣の友人・都築がなかなか味あるキャラなので、スピンオフなどありそうですね。
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