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419900470X幸村殿、艶にて候2
秋月 こお / 九號
徳間書店
キャラ文庫2008-02-23

by G-Tools

関白秀吉の命を受け、九州攻めの探索行に出た智将・真田幸村。ところがその道中、誰かに尾けられているらしい!?
一計を案じて幸村が捕らえた曲者は、なんと秀吉の密書を携えた越後領主・上杉景勝だった!!
幸村に懸想する景勝は「来世まで待てぬ」と強引に一行に加わるが…!?
主への恋を自覚した猿飛び佐助や、横恋慕を企む霧隠れ才三ら、十勇士率いる幸村の波乱万丈な旅は続く――。
上杉景勝(うえすぎかげかつ・31歳)×真田幸村(さなだゆきむら・20歳)

BL時代劇続編です。
前回の感想で、幸村の相手がまだ誰だかハッキリわからないと書きましたが、やはり上杉景勝でした。

関白秀吉の九州征伐の地ならしのため旅に出た幸村一行は、前回助けることになった宗像(むなかた)の神に仕える幼巫女と少年祝(ほうり・神官)兄妹を船に乗せるため、君津の湊に留まっています。
無事、兄妹を船に乗せて送りだし再び旅に出立する一行ですが、道中、尾行があることに気づく。
しかし捕らえてみればそれは越後で別れたはずの上杉景勝とそのお付の者たち。
景勝は、なんと幸村の跡を追ってきてしまい、「同行する」と言い出します。

一国を治める領主の無謀に幸村は激怒しますが、景勝は聞き入れようとしません。
ならばと覚悟を決めた幸村は自分を抱かせることを条件に追い返そうとしますが、邪魔が入り結局同行を許すことになってしまう。
それでもまさか九州までは連れていけないと、「大三島まで」と約束して幸村、景勝一行は一路大三島を目指します。

「love」の相手であるはずの景勝とは別れてしまうし、仲間集めと言った感の前作は序章といった趣でもあったのですが、景勝が幸村を追ってきたことで、今回はラブ度が増しました。
上杉景勝の元に、真田家からの人質として預けられている幸村は、本来景勝に逆らえる立場ではありません。主が「抱かせろ」と言えば従わなければならないし、実際景勝の相手をすることで褒章を期待したり戴いたりした者も大勢いるはずです。
しかし幸村の矜持はそれを良しとせず、また景勝も無理押しはしなかったので、そういう事態にはなりませんでした。

しかし、離れたことで、景勝は、戦乱の世に生きてまた会えるとは限らないと恋情に突き動かされて幸村を追ってきます。
そして、景勝が、主の力を持ってして幸村を組み敷こうとしているのではなく、幸村個人、その心だけを純粋に求めているのだと知って、幸村の心も急速に景勝に傾いていきます。
旅路を共にすることによって、豪放磊落な景勝の良さや、懐の深さ、愛情深さを知り、景勝を好きになっていくんですね。
男を追って国を放ってくるなどどんなバカ殿かと思いますが、景勝の人となりや、抱える寂しさなどが垣間見えたのは良かったですね。

そんな二人の恋に、幸村の小姓の初恋(こちらも男同士)や、心を通わせていく景勝と幸村を見つめる猿飛び佐助の主(幸村)への切ない想いも絡みます。佐助の忠義の心や、生真面目なところをからかって面白がる、ちょっと人の悪い幸村なのですが、幸村的には『幸村×佐助』なのに、佐助的には『佐助×幸村』なのが面白いですね。

途中、敵の襲撃を受けるなど適度なアクションもあって面白かったです。
だけどやっぱり「love」もなくっちゃね~と思ったら、せっかく心が通じ合った幸村と景勝は、大三島に到着して再びお別れです・・・!
しかも、想いをとげようとしたところに再び邪魔が入り、二人の仲は寸止めのまま(笑)。ス股が今生の別れじゃ、死んでも死に切れないと思います。
ということで、「生きて再び」と誓い合っての「さようなら」となるわけですが・・・。

まだお話は続くのですが、次回はまた色気なしなのかしら・・・(笑)
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