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4062865173帝都万華鏡 梔子香る夜を束ねて
鳩 かなこ / 今 市子
講談社
X文庫ホワイトハート2008-03-03

by G-Tools

すべては勘違いからはじまった――。
ときは大正。女たちがひしめき合う吉原遊郭で生まれ育った横山春洋は、帝都の一高をやめ、いまは京都で絵画を学ぶ身。
久しぶりの実家で座敷にあがった春洋は、馴染み客の息子・岡野紘彦と出会う。
紘彦からのまっすぐで無垢な求愛に、心惑わされる春洋。
惹かれ合うもすれ違うふたりは――。
岡野紘彦(おかのひろひこ)×横山春洋(よこやまはるみ)
木材屋御曹司×遊郭楼主の次男坊
攻めが16~21歳くらい、受けが20~25歳くらいの間のお話です。

『帝都万華鏡 桜の頃を過ぎても』のスピンオフです。
前作の攻受・京介と琢馬が一高時代に知り合ったのが春洋(はるみ・受)。
京介と琢馬の恋とも、時間が被っていますので、京介の片恋を第三者の目からも眺めることができて、また改めて切なくなってしまいました。

遊郭生まれの春洋は、一高に入学するも、周囲からはその生まれを蔑まれ浮いた存在で、自分でも実家を恥じる思いを抱いていました。
しかし、京介に絵の道を進められ(京介は琢馬の詩の才能も見出しており、そんなことばっかりしてる“世話焼き”だというのがよくわかっておかしい)、春洋は一高を中退して京都の美校へ転校します。
しかし、一高で知り合った京介、琢馬とはずっと友人つきあいを続けてきました。(前作では京介の編集部で出版する琢馬の詩に挿絵をつけたりしています。)

美大へ進み京都で暮らしていた春洋は、春休みを利用して実家の東雲楼(しののめろう)へと帰省します。
そして、父の跡を継いだ忙しい兄の代わりに、客の息子の座敷へ挨拶に上がった春洋は、そこで、紘彦と出会います。
しかし、紘彦は、それから三日間、東雲楼に春洋を指名してやってきます。
自分を色子と勘違いしているのでは?といぶかる春洋ですが、そうではなく、紘彦は春洋自身に惹かれて会いにきているのだと言う。

まだ年若そうな、慣れない様子ながら、一途で無垢な紘彦に求愛され、ほだされていく春洋。
紘彦の想いを受け入れ、やがて春洋も本気で紘彦に惹かれていきます。

しかし、ある日、紘彦が婚約したという話を聞かされます。
だが紘彦は相変わらず態度を変えることなく春洋に会いに訪れ、渡した祝儀もあっさりと受け取ります。
自分とのことは所詮、御曹司の遊びであったと思い知らされる春洋。
春洋は紘彦を避け、春休みが終わるのを機に、東京を去って京都へと帰ります。

「第一章」はここまで。
「第二章」はこの4年後、ある事情で京都から戻ってきた春洋が紘彦と再会し、忘れたはずの恋が再燃することになります。
出逢った当初、紘彦は16歳で、現在は帝大の学生だと知らされる春洋。
まだ結婚はしていないものの、婚約者のいる紘彦への辛い想いに春洋は苦しみます。


前作の、秘めて愛し続ける、忍耐の塊のような京介の一途な思いが、時代色豊かな舞台と文章で彩られていて大好きだったのですが、今回の展開はそんなに目新しいものではなかったと思います。(そのわりには長々とあらすじを書いてしまいましたが)
生まれを卑下しながらもやはりそこから逃げられない自分との葛藤やそれを受け入れていく成長など、恋愛以外も語られていて奥行きは感じますが、肝心の辛い恋は、実は春洋の「勘違い」という、なんともあっけない種明かし。
よくある展開ですし、受け入れやすい妥当なところではありますが。
そしてラストがすごく急いで終わってしまったような感じがして、ちょっと物足りなかったですね。

でも、前作で褒めちぎっていたように、文体も雰囲気も大好きなので、十分楽しんで浸らせてもらいました。
次も絶対買ってしまうと思う。
シリーズを離れても、鳩かなこさんの文章には、今市子さんのイラストでこの先もお願いしたいですね~。
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