fc2ブログ
BL読書感想日記※※※ 詳しくはカテゴリーの「このブログについて」をご覧下さい。

2024/0112345678910111213141516171819202122232425262728292024/03

薄紅に仇花は燃ゆる薄紅に仇花は燃ゆる
神奈木智 / 穂波ゆきね
幻冬舎
ルチル文庫(2008.3)

佳雨は色街屈指の大見世『翠雨楼』の売れっ子男花魁。馴染みであった百目鬼久弥に恋し、今は想いが通い幸せを噛み締める佳雨だが、幸せの深い分だけ不安にも駆られる。
そんな中、楼主から佳雨が可愛がっている梓の水揚げを久弥に頼めないかと言われ、悩みながらも佳雨は久弥に頼むことに。
男花魁として生きる以上は避けられぬ運命に佳雨と久弥は・・・?

百目鬼久弥(どうめきひさや・26歳)×佳雨(かう・19歳)
骨董屋若旦那×男花魁

『群青に仇花の咲く』の続編です。
男花魁の佳雨が魅力的なシリーズ。
穂波さんのイラストも素敵です。

前作で恋する若旦那と恋仲になりますが、他の遊郭シリーズとは違って、佳雨は娼妓を辞めていません。たとえ恋しい人がいようとも、他の男に身を任せるのが仕事です。
素のままの佳雨も、花魁としての佳雨も、両方愛すると誓った久弥は嫉妬を覚えながらもそれに耐え、佳雨も心を殺して仕事をまっとうする。
花魁としての佳雨の矜持を大切にしてのことなのですが、このあたりを理解できるか許容できるかは、本音を言うと実は大変微妙なところです。
花魁と恋をするということはつまりそういうことで、他作品では、そのあたりをぼかして書かなかったり、大金持ちの攻めがず~っと買占めて他に手を出されないようにしたりと苦肉の策(あるいはご都合的)な手段を講じているのですが、現実的にはこっちの方がよほどありそうな状況。

そうは言っても恋人が他の男に抱かれたりする展開は、あんまり見たくないなぁーという気持ちもあるわけです。
他の男に抱かれるシーンがはっきり書いてあるわけではないですが、やっぱり普通なら耐え難い状況だと思うので、わかっていてそれを受け入れることにした二人でも、内心を想像するとキツいなぁと思う。
それでも、折れそうで折れない、自分を叱咤して立つ佳雨が、やはりカッコいいんですけど。
反面「もうさっさと根を上げてしまえ」と思ったりもしてしまうんですよね(笑)。

今回は、佳雨の可愛がっている梓(あずさ)の水揚げを楼主が久弥に頼みたいと言い出すことから、「恋人が他の男と肌を合わせる」ことを、今度は佳雨が耐えなければならなくなるわけです。
前作と同じように、「百目鬼堂」から紛失した五つの曰く付の骨董のひとつの行方探しも絡みます。
そして時を同じくして、遊郭街を囲う鉄漿ドブに河岸見世の女郎の自殺体が次々に浮かぶという事件が起きる。

久弥と佳雨の恋模様
お宝探しと遊女の遺体事件。
なんだかとっても盛りだくさんですが、しかし、それが仇となったのか、なんとなく中途半端な印象。
事件解決やお宝探しに二人が奔走するわけではないので探偵気分も味わえないし、二人の恋は、最初に書いたような状態ですのでね。
事件も勝手に(?)解決してしまうような按配です。
そして骨董はどうやら壊れる運命なのか。
梓の水揚げも久弥は早々に断ってしまい、他の出来事とからんで、最後には落ち着くところへ落ち着きます。

久弥と、佳雨を水揚げして仕込んだ鍋島(なべしま)との対決がちょっと面白かった。
久弥に抱かれて艶やかになっていく佳雨を味わうのが楽しみという鍋島。
このオヤジはもうどう言っていいやら。久弥勝てなそうな気がします。

お宝はあと三個あるので、まだあと三冊はいくんでしょうか。
とりあえず次は決まっています。
五つの骨董品にはなにか因縁があるようなのですが、それが最終的には明かされて「へぇ~」ということになるのかどうか、ちょっと期待してます。
そして久弥と佳雨がどう変化するのかしないのか・・・とても楽しみなシリーズです。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://0hz.blog112.fc2.com/tb.php/887-6de4589b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック