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4773006005恋の眠る夜
火崎勇 / 麻生海
笠倉出版社
クロスノベルズ2008-03

by G-Tools

ベストセラー作家として成功をおさめていた北園貴文は、十数年前に手酷い裏切りを経験した。狂おしい恋を封じ、新しい土地での生活にようやく慣れてきた頃、彼の前に出版社の社長として現われたのは、かつての恋人・松平紅也だった。
思いがけない再会に戸惑い動揺する北園に、松平は「話をしたい」と告げる。
忘れたい過去に触れられることを頑なに拒んだ北園は、激情に駆られた松平によって強引に組み伏せられてしまい――!?
松平紅也(まつだいらこうや)×北園貴文(きたぞのたかふみ)
同い年、推定30くらいかな?
出版社の社長×作家、再会ものです。

大学時代に知り合い親しくなって、友人から恋人とその関係は深まり、就職後は同棲生活を送り幸せな日々を過ごしていた二人。
ところが松平の出張中、弁護士が突然現れて、松平には結婚を前提につきあっている女性がいて妊娠もしており、北園に別れてほしいと告げてくる。

松平が自分を欺いていたというショックから、北園は本人に会うことなく姿を消し、それから数年。そこそこ名の知れた作家となった北園の元へ仕事の依頼に松平が出版社の社長として現れます。
強硬に松平を突っぱねて追い返す北園ですが、それから松平は諦めずに何度も通ってくるようになります。

松平の裏切りに対する怒りと同時に、事実を聞かされて本人の口からハッキリと「別れ」を言い渡される怖さに北園は話すことを拒みます。それでもと何度も訪ねてくる松平。
ある日とうとう言い争いになった上に激情に駆られた松平に無理矢理抱かれてしまいます。

学生時代、いい感じの恋人同士だったのに、突然第三者がやってきて「別れてくれ」と言われて黙って身を引いてしまうというのはよくあるパターンです。
横槍を入れてくるのは家族や親族だったり、大会社の息子だったりすると父親が手を廻してとか。

その辺りは読めるし、再会したあとの攻の態度を見ても、そもそもの別れの原因に何かがあるというのはわかります。
母子手帳やホテルに入る攻と女性の写真など、受がたやすく信じてしまいそうな証拠も出てきて、いったい誰の差し金で真実は?と先が気になる展開でした。

伏線の張り方というか匂わせ方があんまり上手いとは言えないというか、「これが伏線」とすぐわかってしまうのが何とも言えない気持ちになるのですが、それでも早くネタを知ってすっきりしたいという気持ちにはなりますね。
「もっと早く問いただしてれば・・・」というテンプレからは抜けていませんが、そのあたりの興味で読まされます。

隠されていた事実は思ったよりもドロドロした愛憎含みの陰謀で、二時間ドラマか昼ドラか、という感じでした。たった一人でここまで・・・というのも凄い憎しみだと思うけれど、騙された周囲も数年の人生が変わってしまったわけですから、大変なことですね。
ハッピーエンドで安心できましたが、傷ついた兄妹のことがちょっと気になります。

もし読むなら一気に時間のある時に読むのをオススメします。
火崎さんは、一人称の畳み掛けるような連なる文章で感情を盛り上げていくのですが、超忙しい時に細切れで読んだんでは、こっちの気持ちが全然盛り上がらないのです。
すみません、そんな読み方をしたのは私です。
これでは火崎さんに申し訳ない。


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※明日より一週間ほど、感想お休みいたします。

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