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4344812921水面に睡る月
和泉 桂 / あかつきようこ
幻冬舎コミックス
ルチル文庫 2008-03-17

by G-Tools

記憶喪失の凪は、助けてくれた鷹田暁邦の屋敷で暮らすことに。しかし凪はその屋敷に、昔から慣れ親しんできたような感覚を覚えていた。
ある日、働かずにいることが苦しく、暁邦に「働きたい」と申し出た凪は反対された挙げ句、犯されてしまう。
穏やかだった暁邦の変貌にショックを受ける凪。しかも「愛人」として夜伽するよう命ぜられ……!?
鷹田暁邦(たかだあきくに)×凪(なぎ)
地主、20代後半くらい?×記憶喪失の青年10代後半くらい?


海で溺れた凪は、目覚めるとその地の地主・鷹田暁邦の屋敷に寝かされていましたが、自分に関する一切の記憶を失くしてしまっていました。
暁邦は優しく、凪の体調はだんだんと回復していきますが、記憶は一切戻りません。
屋敷の使用人たちはあからさまに凪を卑下し蔑むような態度を崩さず、失くしてしまった自分の過去に凪は不安を覚えます。
しかし、何かを知っているような暁邦は「思い出さなくていい」と何も教えてくれず、緘口令は使用人たちにまで敷かれていて、凪は過去の手がかりさえ掴むことができずにいます。

そんな時、港に出かけた凪は、見知らぬ男に声をかけられ、そこで自分が男娼であったことを知ってしまいます。
ショックを受け、暁邦のそばにいてはいけないと、家を出ることを暁邦に告げますが、激昂した暁邦に、凪は無理矢理抱かれてしまいます。

しかし、それから無理矢理の関係が始まるわけではなく、暁邦は一貫して凪には優しく情愛たっぷりで、屋敷に留まることになった凪は、やがて暁邦に惹かれていきます。
失った過去へのこだわりよりも、暁邦とともに新しい自分を生きていこう・・・という前向きな気持ちにもなり始める。
そんな矢先、凪と暁邦の真実の関係が明らかになるのですが。


記憶喪失ネタは珍しくはないですが、この作品は最終的にも記憶は戻りません。
それと、失った過去では攻と受は恋人同士で甘い時を過ごしていた・・・というのが定番なんですけど、こちらも当てはまりません。
それどころか、攻の執着に対して、受は攻を毛嫌いしていました。

記憶を失い、関係を新しく構築しなおしての“幸せ”となるわけです。
記憶が絶対に戻らないという保証もなく、どことなく不安定さが残ります。
過去の凪の憎悪に満ちた態度の奥の奥では、暁邦への恋慕があったと考えることもできますが、そうでないのでは?という不安も拭えない。二つはエライ違いですからね。
凪の本当の本音までは、これだけだと確信できるまでには至らない。

凪が過去に暁邦へ抱いていた激しい憎悪の原因もあまり伝わってこなかったし、暁邦の深く暗い執着を抱く経緯も、どうも実感として重みを感じるまでには到らなかった気がします。
もっとドロドロ感があってもいいと思うんですけどネ。
記憶を失くして暁邦に抱いた想いと、過去の憎しみとの対比がもっと書き込まれていても良かったように思います。
というか、過去の経緯がそれこそ大事なんではないのかなぁ。
そうすればもっとお話に深みが出たのでは?と思います。

もっとゾゾッとするくらいの、攻めの執着を感じてみたかったですね(笑)
なんとなく物足りなさは残りますが、ただ、ストーリーは面白く読めるものだったと思います。
あ、そうそう時代と舞台が『ミラクルジパング』となっています。
雰囲気的には二時代三時代前の日本海側の雪国・・・という感じですが。
ほの暗い雰囲気に、何となく残る不安こそが、お話の醍醐味かもしれません。
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