大学院の殺風景な研究室に咲いた一輪の花。それは土佐嵐の共同研究者で親友の津島の異母弟で、大手製薬会社の跡取り氷見佳哉だった。
母違いの兄を慕う氷見を微笑ましく見守る土佐。だが穏やかな日々は、津島が共同研究の全てを持って姿を消したことで終わりを迎える。
研究途上だった新薬も持ち去られ、次期社長として窮地に陥った氷見に、土佐は別の完成間近の研究と引き換えにその身体を要求し、半ば強引に陵辱する。
美しく凛と咲く気高い花を嬲り手折る雄としての悦びと、相反する痛み――その裏には親友と交わした一つの約束があった…。
母違いの兄を慕う氷見を微笑ましく見守る土佐。だが穏やかな日々は、津島が共同研究の全てを持って姿を消したことで終わりを迎える。
研究途上だった新薬も持ち去られ、次期社長として窮地に陥った氷見に、土佐は別の完成間近の研究と引き換えにその身体を要求し、半ば強引に陵辱する。
美しく凛と咲く気高い花を嬲り手折る雄としての悦びと、相反する痛み――その裏には親友と交わした一つの約束があった…。
土佐嵐(とさあらし)×氷見佳哉(ひみよしや)
土佐は20代半ば~くらい、氷見は20代前半。
大学院の研究員×製薬会社社長
「至高の華」
「孤高の盾」の二編。
あらすじを読むと、研究仲間にデータを持ち逃げされた土佐が激昂して、その研究員の弟である氷見に憤懣をぶつけて脅迫したみたいに思えるんですけど、そうではないんですね。
土佐と、そして研究仲間だった津島(つしま・受けの兄)が、ある事情で話し合って、土佐はそれまでに完成したデータや権利の全てを津島に渡し、その代わりに津島の弟・氷見を自分のものにする約束ができていたのです。
兄を慕って研究室を訪ねてくるようになった氷見に、土佐は恋心を抱いていたんですね。
しかし、それなら何故無理矢理脅すような形で土佐は氷見を自分のものにしなければならなかったのか、その辺りに津島の思惑、土佐と津島の間にあった約束が絡んでいて、話を非常にややこしくしています。
どうしてそういう行動を取ったのかはちゃんと説明されていますが、納得できたかどうかは・・・う~ん、微妙だったです。氷見の兄で土佐の友人(親友といってもいい)だった津島ですが、親友の恋心より、弟の行く末の方が大切だったらしいです。実際は弟の意思も無視したことになってますけど。
弟を陵辱させることが何故弟のためになるのか、その辺も読めばわかりますが、どうなんでしょうか、これ。そういう考え方もあるでしょうが、あまり普通には考えられないと思いましたね。なんか無理があるなぁーと引っかかりを感じました。
「孤高の盾」は、すったもんだの末恋人となった二人のお話ですが、大学卒業後20歳そこそこで大製薬会社の社長になった氷見を、支えなければ、守らなければと堅く心に誓っている土佐自身が悲運に見舞われます。
しかし、氷見の前ではいつでも強い自分でいなければならないと思い込んでいて、弱っているところなど見せられない。土佐は抱える心労を氷見に隠そうとします。傷ついていても誰にも頼ることができず、それを押し隠して氷見を守ろうとする、そういう思いが「孤高の盾」というタイトルになったんですね。
・・・かっこいいけど、そこまで気張らなくても。
氷見はもっとずっと大人だったんですよね。
火崎さんはあとがきで、土佐を「悪い男」と書いていますが、少なくともこの本の中では“悪い男”というより、“間違った方向に思い込みの激しい人”だと思いました。
元々の始まりは津島ですけど、そんなのに乗るなんて土佐も変だと思う、やっぱり。
視点は攻めの土佐側なので、彼がいろいろ考えて悩んでることはよくわかります。が、共感はしにくかったかなぁ…。受け側視点だとありきたりな感じになる気がするので、その点は面白かったかも。
「至高の華」に例えられる受けの氷見ですが、深窓のご令息といった感じのツンデレ君です。育ちの良さそうな可愛らしい部分を持ちながら、けれど頼りない感じはなくて、精神的には土佐よりも大人です。気位が高そうで、でも時々可愛らしい部分が見えて、なかなか良いツンデレ君です(笑) ツンツンした物言いが妙にいいですね。
火崎さんはあらすじでカップルのその後を書くのが常ですが、今回のは・・・・土佐はあんまり頭に乗らせない方がいいと思います。単に、姫を守るナイトは高潔であってほしいという、個人的な願望からです。
土佐は20代半ば~くらい、氷見は20代前半。
大学院の研究員×製薬会社社長
「至高の華」
「孤高の盾」の二編。
あらすじを読むと、研究仲間にデータを持ち逃げされた土佐が激昂して、その研究員の弟である氷見に憤懣をぶつけて脅迫したみたいに思えるんですけど、そうではないんですね。
土佐と、そして研究仲間だった津島(つしま・受けの兄)が、ある事情で話し合って、土佐はそれまでに完成したデータや権利の全てを津島に渡し、その代わりに津島の弟・氷見を自分のものにする約束ができていたのです。
兄を慕って研究室を訪ねてくるようになった氷見に、土佐は恋心を抱いていたんですね。
しかし、それなら何故無理矢理脅すような形で土佐は氷見を自分のものにしなければならなかったのか、その辺りに津島の思惑、土佐と津島の間にあった約束が絡んでいて、話を非常にややこしくしています。
どうしてそういう行動を取ったのかはちゃんと説明されていますが、納得できたかどうかは・・・う~ん、微妙だったです。氷見の兄で土佐の友人(親友といってもいい)だった津島ですが、親友の恋心より、弟の行く末の方が大切だったらしいです。実際は弟の意思も無視したことになってますけど。
弟を陵辱させることが何故弟のためになるのか、その辺も読めばわかりますが、どうなんでしょうか、これ。そういう考え方もあるでしょうが、あまり普通には考えられないと思いましたね。なんか無理があるなぁーと引っかかりを感じました。
「孤高の盾」は、すったもんだの末恋人となった二人のお話ですが、大学卒業後20歳そこそこで大製薬会社の社長になった氷見を、支えなければ、守らなければと堅く心に誓っている土佐自身が悲運に見舞われます。
しかし、氷見の前ではいつでも強い自分でいなければならないと思い込んでいて、弱っているところなど見せられない。土佐は抱える心労を氷見に隠そうとします。傷ついていても誰にも頼ることができず、それを押し隠して氷見を守ろうとする、そういう思いが「孤高の盾」というタイトルになったんですね。
・・・かっこいいけど、そこまで気張らなくても。
氷見はもっとずっと大人だったんですよね。
火崎さんはあとがきで、土佐を「悪い男」と書いていますが、少なくともこの本の中では“悪い男”というより、“間違った方向に思い込みの激しい人”だと思いました。
元々の始まりは津島ですけど、そんなのに乗るなんて土佐も変だと思う、やっぱり。
視点は攻めの土佐側なので、彼がいろいろ考えて悩んでることはよくわかります。が、共感はしにくかったかなぁ…。受け側視点だとありきたりな感じになる気がするので、その点は面白かったかも。
「至高の華」に例えられる受けの氷見ですが、深窓のご令息といった感じのツンデレ君です。育ちの良さそうな可愛らしい部分を持ちながら、けれど頼りない感じはなくて、精神的には土佐よりも大人です。気位が高そうで、でも時々可愛らしい部分が見えて、なかなか良いツンデレ君です(笑) ツンツンした物言いが妙にいいですね。
火崎さんはあらすじでカップルのその後を書くのが常ですが、今回のは・・・・土佐はあんまり頭に乗らせない方がいいと思います。単に、姫を守るナイトは高潔であってほしいという、個人的な願望からです。
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