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4344812859啼けない鳥
きたざわ尋子 / 陸裕千景子
幻冬舎コミックス
リンクスロマンス 2008-03

by G-Tools

身寄りがなく、天才が集まる組織で育てられた江藤冬稀は、創薬研究所に勤めている賀野瑛介に望まれ、入所することになった。
自らに価値を見出せない冬稀は、熱意溢れる彼の言葉によって、心に奇妙な高揚感を植え付けられた。
冬稀は賀野のために日々研究に没頭するが、仕事よりも冬稀の身体を気づかう賀野の優しさにいつしか惹かれていく。
しかし自分が関わる研究でスタッフが事故死をしたことにショックを受け、研究が続けられなくなってしまい・・・。
賀野瑛介(かのえいすけ29歳)×江藤冬稀(えとうふゆき・21歳)
製薬会社開発部所長×天才研究者

「啼けない鳥」
「鳥籠から見る夢」の二編。

一見現代の日本が舞台のようですが、あとがきの言葉を借りれば「エセ日本」。
天才的頭脳を持つ子供ばかりを集め養育、教育して、その子らを必要とする大企業や機関に“売る”、日本総合教育研究センター・通称アカデミー。
2歳の時親に捨てられ施設で育ち、7歳でアカデミーに拾われて教育を受けたのが受の冬稀、という設定です。有機化学分野で、16歳にして新発見、新化合物発見と才能を発揮する天才。

そんな彼が、製薬会社開発部所長の賀野に請われ、長和製薬に研究者として買われることになります。
7歳からアカデミーに籠り、外には一切出ずに研究に没頭してきた冬稀は、当然ながら感情に乏しく人付き合いも苦手。他の研究者や社員たちと一切顔をあわせることがないよう自分だけの研究室を与えてもらい、自分用の部屋と研究室を行き来するだけの、変わらない閉鎖的な日々を過ごしますが、そんな中で、冬稀は賀野の優しさにだけ、少しずつ心を開いていきます。
そして賀野の心にも、冬稀への特別な感情が芽生え始め、二人は口には出さないまでもお互いを想い合うようになる。

ところが、冬稀の研究した薬を持ち出そうとした女性社員が、その薬によって事故死するという事件が起こってしまいます。
それによって冬稀は研究ができなくなってしまうのですが、ある条件下で揮発性の毒ガスに変化してしまうその薬の存在は世間の知るところとなり、会社側は研究中の薬もデータも全て破棄しますが、冬稀の頭の中にあるデータを狙われ冬稀にも身に危険の及ぶ可能性が。


その後、冬稀の存在を隠すと同時に、冬稀は社長の森崎(もりさき)から解毒薬の開発を命じられますが、研究のできなくなった冬稀にはそれは無理。
しかし、研究ができなくても脚を開くことはできるだろうと、冬稀を安全に隠す代わりに森崎に身体を要求されてしまいます。

しかし、初物がおイヤらしいこの森崎社長。
冬稀の“開発”の役目が、賀野に回ってくることに。
かくして不本意な状況ではあるけれど、反面ラッキー(笑)、受が穢されることない安堵する展開。打ち明けあってはいないけど好き同士だ。
そして、いかにも賀野に開発させたあと、「ではでは」と下卑た笑いで悪代官みたいに出てくるのかと思えば、森崎は全然そんな気なさそう。
むしろ、森崎と、冬稀の世話係・久保寺(くぼでら)が謀って二人をくっつけようと遊んでいたのではないか?という匂いがプンプン。

なんというか、全体的に、状況に反して危機感がなく、イマイチ盛り上がらない話だったなぁ~。
冬稀が狙われて、拉致されたりして大変~なんてことになるのかな?と思ったらそれもありませんでした。
ほとんど外に出ず、動きが少ないせいもありますが、とても平坦です。
その代わり、賀野と冬稀の恋の行方というお楽しみはありますが、それも視点がそれぞれから書かれているので、読んでてやきもきするようなこともあまりありません。

賀野は誠実で真っ直ぐで信頼できる男だし、冬稀も世間知らずだけど賀野には素直なので、二人ともクセがないんですよね。
心が通じていないHをしても、あくまで優しく穏やか。

こちら、冬稀の代わりに解毒薬を開発するためアカデミーからやってきた加室充絃(かむろみつる・17歳)のお話が次に決まっているんですが、こっちはイキが良さそうですし、お相手は多分久保寺だと思いますが、彼もクセがある人なので、こっちの方が動きのあるお話になるかもしれません。
ちょっとシニカルな森崎社長も面白そうですね。
それに比べると本作の二人は性格がおとなしくて、その雰囲気がお話全体にも影響したような気がします。
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