
砂原糖子 / 小鳩めばる
幻冬舎
ルチル文庫2008-5-20
医療機器メーカーの跡取り・椛代永知は、仕事にも恋愛にも熱意を持てずにいた。ところがある日、3ヶ月だけ出向をすることになった山奥の老人ホームで、美しい園長・三園史彦と出会う。
亡くなった恋人を一途に慕い、入園者たちやバラを心から慈しみ、何故か自分にだけ怯える三園。
いつしか「彼に触れたい」という想いを抑えられなくなった椛代は――!?
亡くなった恋人を一途に慕い、入園者たちやバラを心から慈しみ、何故か自分にだけ怯える三園。
いつしか「彼に触れたい」という想いを抑えられなくなった椛代は――!?
椛代永知(かばしろえいち・25歳)×三園史彦(みそのふみひこ・28歳)
医療機器メーカー跡取り×老人ホーム園長
医療機器メーカーの跡取りである椛代は、ほおっておいても次期社長だし、愛のない両親を見て育ったせいなのか、見目が良くて苦労したことがないせいなのか、仕事にも恋愛にも熱意を持てない。というか、いい加減。
ある日、人事部長の叔父に三ヶ月の老人ホーム出向を命じられ、渋々出向いた先で、園長の三園に出逢い興味をそそられる。
しかし、美しく穏やかで優しい三園は、自分に対してだけ極端に距離を置こうとします。
暇な場所での退屈な生活の余興に、三園をおとしてやろう・・・などと遊び半分に不埒な考えを抱いたりしますが、ある出来事がきっかけで、三園は若い男に対してだけ「対人恐怖症」であることが判明します。
若い男性に対してだけ恐怖を感じるというのは、三園が幼い頃経験した事件がトラウマとなったせいです。
事件のせいで学校にも行かれなくなり、三園は老人ホームの前園長・三園草一(そういち)に引き取られ、奥秩父の山奥でずっと暮らしてきました。
草一とほとんど二人きりの生活の中で、思春期になると三園は草一に恋をします。草一推定70歳以上。
草一が亡くなったあとは草一の残した全てのものを継ぎ、老人ホームの園長となって一切山を降りずに、入居している老人たちと若者以上の年齢の職員たちだけと暮らしています。
三園が草一を語るときは亡き恋人についてのように語るので、椛代でなくても一瞬ドロドロした関係を想像させられてしまいます(笑)
でもそういうのではありません。「まさかフケ専のヒロイン?」(笑)とドキドキさせるのは砂原さんのシカケ。
椛代が嫉妬することになる、いわゆる恋敵もおじいさんです。
しかしこれも勘違いで、老人と、浮世離れしたトラウマ美人とバラの花と・・・とほんわかした雰囲気のお話でした。
薔薇の園の奥深くでひっそりと隠れ住んでいる臆病なお姫様と、それを見つけて夢中になってしまった、遊びなれた王子の初恋(笑)。
あんまり無理矢理接近しすぎて吐かれてしまったりするので、今まで他人に拒否されたことのない王子は、自信喪失してしまいます。
例によってまた受が普通の人とは違ってますが、攻の椛代もイヤなヤツとしてでてきます。でも、両親は不仲だけど、ハンサムで女にも男にもモテまくって何不自由なく面白おかしく遊んできた25歳の男がこういうタイプになるのはそんなに珍しくないと思う。むしろよくいる(偏見入ってます)。
こういう男が翻弄されるのが面白いところですしね。
初めての片想いに失恋しての、椛代のつぶやきが印象に残っています。
無理なのだ。あの人は自分のものにならない。もう、そう決まったのだ。信じられないけれど。
もし誰かに片想いしていたら、胸に突き刺さりそうだ。
医療機器メーカー跡取り×老人ホーム園長
医療機器メーカーの跡取りである椛代は、ほおっておいても次期社長だし、愛のない両親を見て育ったせいなのか、見目が良くて苦労したことがないせいなのか、仕事にも恋愛にも熱意を持てない。というか、いい加減。
ある日、人事部長の叔父に三ヶ月の老人ホーム出向を命じられ、渋々出向いた先で、園長の三園に出逢い興味をそそられる。
しかし、美しく穏やかで優しい三園は、自分に対してだけ極端に距離を置こうとします。
暇な場所での退屈な生活の余興に、三園をおとしてやろう・・・などと遊び半分に不埒な考えを抱いたりしますが、ある出来事がきっかけで、三園は若い男に対してだけ「対人恐怖症」であることが判明します。
若い男性に対してだけ恐怖を感じるというのは、三園が幼い頃経験した事件がトラウマとなったせいです。
事件のせいで学校にも行かれなくなり、三園は老人ホームの前園長・三園草一(そういち)に引き取られ、奥秩父の山奥でずっと暮らしてきました。
草一とほとんど二人きりの生活の中で、思春期になると三園は草一に恋をします。草一推定70歳以上。
草一が亡くなったあとは草一の残した全てのものを継ぎ、老人ホームの園長となって一切山を降りずに、入居している老人たちと若者以上の年齢の職員たちだけと暮らしています。
三園が草一を語るときは亡き恋人についてのように語るので、椛代でなくても一瞬ドロドロした関係を想像させられてしまいます(笑)
でもそういうのではありません。「まさかフケ専のヒロイン?」(笑)とドキドキさせるのは砂原さんのシカケ。
椛代が嫉妬することになる、いわゆる恋敵もおじいさんです。
しかしこれも勘違いで、老人と、浮世離れしたトラウマ美人とバラの花と・・・とほんわかした雰囲気のお話でした。
薔薇の園の奥深くでひっそりと隠れ住んでいる臆病なお姫様と、それを見つけて夢中になってしまった、遊びなれた王子の初恋(笑)。
あんまり無理矢理接近しすぎて吐かれてしまったりするので、今まで他人に拒否されたことのない王子は、自信喪失してしまいます。
例によってまた受が普通の人とは違ってますが、攻の椛代もイヤなヤツとしてでてきます。でも、両親は不仲だけど、ハンサムで女にも男にもモテまくって何不自由なく面白おかしく遊んできた25歳の男がこういうタイプになるのはそんなに珍しくないと思う。むしろよくいる(偏見入ってます)。
こういう男が翻弄されるのが面白いところですしね。
初めての片想いに失恋しての、椛代のつぶやきが印象に残っています。
無理なのだ。あの人は自分のものにならない。もう、そう決まったのだ。信じられないけれど。
もし誰かに片想いしていたら、胸に突き刺さりそうだ。
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!
これ、手元に届いてます。
砂原さんということで、つい予約しちゃうのですよね~。
で、今回も、砂原さんらしいお話のようですね?(笑)
読むのはまだまだ先になりそうですが・・ちゃんと若者同士の恋愛のお話なんですよね?ライバルが・・・おじいさん・・って事で。
楽しみに読めるかな?
これ、手元に届いてます。
砂原さんということで、つい予約しちゃうのですよね~。
で、今回も、砂原さんらしいお話のようですね?(笑)
読むのはまだまだ先になりそうですが・・ちゃんと若者同士の恋愛のお話なんですよね?ライバルが・・・おじいさん・・って事で。
楽しみに読めるかな?
2008/05/19(月) 02:31 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
こんにちは、水月さん~。
大丈夫、ぜんぜんシニアラブじゃないです(笑)
老人ホームが舞台なので老人が活躍してますが、そういう心配はしなくて大丈夫ですよ~。
砂原さんのほんわか可愛い系って感じかな?
きっと楽しく読めると思いますよv
大丈夫、ぜんぜんシニアラブじゃないです(笑)
老人ホームが舞台なので老人が活躍してますが、そういう心配はしなくて大丈夫ですよ~。
砂原さんのほんわか可愛い系って感じかな?
きっと楽しく読めると思いますよv
2008/05/19(月) 06:23 | URL | mimu #-[ 編集]
こんにちは、mimuさん。
シニアラブではなかったですね(笑)。
どうにもこうにも、攻めが好きになれなくて、振られてしまえっなんて思ってしまいました。仕事には誠意がないし、恋にも誠意がない。
ラストに来て、この攻め君が大切なものを思い出したときには、ホッとしました。
老人力、恐るべし!ですね(笑)
砂原さん、相変わらずちよっと変わった設定ですが、ほのぼのしていて良かったですvv
TB、よろしくお願いします~。
シニアラブではなかったですね(笑)。
どうにもこうにも、攻めが好きになれなくて、振られてしまえっなんて思ってしまいました。仕事には誠意がないし、恋にも誠意がない。
ラストに来て、この攻め君が大切なものを思い出したときには、ホッとしました。
老人力、恐るべし!ですね(笑)
砂原さん、相変わらずちよっと変わった設定ですが、ほのぼのしていて良かったですvv
TB、よろしくお願いします~。
こんにちは、桃さん。
最初は亡き園長となんかあったかと思ってビビりましたが、杞憂でした(笑)。
攻が性格悪かったですね~。
昔こういう調子に乗ってる男を知ってて、「ああ、顔が良くて女にモテてちょっと恵まれてると確かにこうなるな」という具体例が浮かんでました(笑)
こういう男が煩悶するのが面白いのですよね。
相変わらず一筋縄ではいかない砂原さんですが、楽しめましたね。
TBありがとうございま~すvv
最初は亡き園長となんかあったかと思ってビビりましたが、杞憂でした(笑)。
攻が性格悪かったですね~。
昔こういう調子に乗ってる男を知ってて、「ああ、顔が良くて女にモテてちょっと恵まれてると確かにこうなるな」という具体例が浮かんでました(笑)
こういう男が煩悶するのが面白いのですよね。
相変わらず一筋縄ではいかない砂原さんですが、楽しめましたね。
TBありがとうございま~すvv
2008/06/27(金) 08:24 | URL | mimu #-[ 編集]
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野ばらの恋 (幻冬舎ルチル文庫 す 1-7)砂原糖子/著 幻冬舎ルチル文庫老人ホームさえBLの舞台に仕立て上げてしまう砂原さん。大好きですvvなんか、なごむなあ~(´∀`*)。しかし、このお話の攻め君、その軽さに読んでいるうちに腹立って来ましたが、こういう要領よ....
2008/06/26(木) 18:45:58 | 桃の楽園